2015年8月12日 (水) 掲載

◎九重部屋力士 朝から激しく…夏合宿始まる

 【福島】大相撲九重部屋の福島町夏合宿が11日、横綱記念館(福島190)で始まった。恒例の朝稽古も行われ、訪れた町民や観光客は、力士たちの激しいぶつかりげいこに見入っていた。

 合宿は同館が開館した1997年から続き、町出身の九重親方(元横綱千代の富士)が若手力士を育成する様子は、地域住民らに親しまれている。

 この日、九重親方は不在だったが、幕内以下の力士11人が秋場所に向けて力を付けようと、3時間にわたって熱のこもった稽古に励んだ。

 十両の千代鳳(22)は「環境の良い福島町でしっかりと体をつくりたい」と意気込んだ。沖縄から旅行で訪れた渡部湊君(6)は「相撲が大好き。とてもかっこよかった」と笑顔を見せた。

 九重親方の来町日は未定。十両の千代丸と幕下の千代雷山は19日から参加。朝稽古は24日までで、午前8時〜同10時ごろ(16日は休み)。入館料は大人500円、子ども250円。(斎藤彩伽)



◎露地長ネギ 青々…七飯と北斗出荷始まる

 【七飯、北斗】七飯町と北斗市の特産品、露地長ネギの出荷が始まった。農家は連日の暑さに負けず、柔らかいネギの出荷作業に励んでいる。

 1・3㌶で栽培する七飯町大川3の輪島正一さん(57)は、今月6日に収穫と出荷を始めた。機械で掘り取り、畑で根を切った後、自宅近くの倉庫へ。パート従業員も含め6人で余分な葉を手で落とし、機械で圧縮空気を吹き付けて皮をむき、太さを分けて結束し箱詰め。Lサイズが中心で、現在は日量120〜130ケース(1ケース15束入り)をJAに出荷している。

 輪島さんは「今年は好天に恵まれて生育は良好。七飯産の長ネギは柔らかく火の通りが早いので、いろんな料理に使える。どんどん食べてほしい」と話す。作業は11月中旬まで続く。

 七飯や北斗では、盆明けから出荷が本格化する見込み。長ネギは道南の主力野菜品目の一つで、道内有数の産地となっている。(山崎大和)



◎川内原発再稼働 道南政界 賛否交錯

 鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発1号機の再稼働について、道南の政党関係者からは「容認できる」「命よりも稼働を優先させた」と賛否の声が上がった。福島第一原発事故がいまだに収束を見ていない中、再稼働断念を求めていた市民団体の反発は一段と強まっている。

 自民党の前田一男衆院議員は「地元合意が図られ、かつ厳しい審査基準を満たした今回の再起動を是としたい」とした上で「ただ、万が一の事故もあり得るので、避難対策は十分に講じられるべきだ」と強調した。民主党の逢坂誠二衆院議員は「新規制基準に適合したとはいえ、避難計画も火山対策も、40年廃炉原則の扱いも不十分。事故の際の責任は電力会社が負うと言うが、福島の現実からそれは絵空事だ。命よりも稼働を優先させる政府の姿勢に憤りを感じる」と批判した。

 大間原発訴訟の会(函館)の竹田とし子代表(66)は「現地では全国から集まった人たちがゲート前抗議を行っていたので、何とか止めさせたかった」と唇をかんだ。「原子力規制委は新規制基準に基づき審査するだけで、安全は保障しないと言う。事故が発生したら誰が責任を取るのか。大間だけでなく、他の原発も稼働を許してはいけない」と語気を強めた。

 「バイバイ大間原発はこだてウォーク」の中心メンバー高橋泰助さん(63)は「高レベル放射性廃棄物処分場も決まらない中での再稼働は未来に遺恨を残す。無責任だ」と指摘した。

 大間原発(青森県大間町)の建設凍結を求め、国と電源開発を相手に訴訟を起こしている函館市総務部は「川内原発再稼働の是非に言及するものではない」と前置きした上で「原発の再稼働、新規稼働には半径30㌔圏内(緊急時防護措置準備区域=UPZ)の周辺自治体の同意と実効性のある避難計画の確保が必要と考えており、大間訴訟でもこの点を主張している」とした。(山崎大和、山田大輔、今井正一)


◎江差の夏 熱気最高潮…姥神大神宮渡御祭閉幕

 【江差】姥神大神宮渡御祭は最終日の11日、渡御(とぎょ)による上町巡行(うえまちじゅんこう)が行われ、午後10時半すぎには、13基の山車(やま)が新地町繁華街に勢ぞろいする「全山車揃(そろ)いクライマックス」に入り、3日間にわたる祭礼のフィナーレを彩った。

 この日の江差は午前9時に26度を超え、日差しも強い中、正午ごろに姥神大神宮を出発。暑さを吹き飛ばす威勢の良い掛け声と、流麗な祭りばやしを響かせ、海岸沿いの街並みや坂が多い上町地区の約6・5㌔を巡行した。

 午後9時ごろ、新地町に勢ぞろい。華やかな電飾に彩られた山車が横一線に並ぶ「立て山」の姿勢となり、山車の周囲では下町巡行(10日)から引き手を務めた若者らが、祭りばやしに合わせて踊り回り、祭礼は最高潮に達した。

 10日に行われた「祭ばやしコンクール」の審査結果が11日に発表され、「新栄山(しんえいざん)」(新栄町)が優勝。2位は「楠公山(なんこうやま」(津花町)、3位は「神功山(じんこうざん)」(愛宕町)、努力賞は「松寶丸(まつほうまる)」(陣屋・海岸町)と「清正山(さいしょうざん)」(本町)だった。(山崎純一)