2015年8月13日 (木) 掲載

◎道新幹線、来年3月26日開業で調整

 JR北海道が北海道新幹線の開業日を来年3月26日とする方向で、国やJR各社と最終調整していることが12日、関係者への取材で分かった。9月にも正式発表する見通しで、開業に向けたムードが一気に加速しそうだ。

 北海道新幹線新函館北斗—新青森間の開業をめぐっては、2005年に工事実施計画が認可、着工され、運行開始予定は15年度末とされていた。

 国土交通省鉄道局によると、新幹線の開業日は、JRグループが春に一斉に行うダイヤ改正日に合わせることが多く、通勤・通学客への影響が少ない土曜日に設定されることが一般的という。

 このため、同社は来年3月の土曜日に候補を絞り、調整を進めてきたとみられる。関係者は「安全に開業日を迎えるのが使命」としており、年度末で雪による交通障害が起こる可能性が最も低い3月下旬で調整を進めている模様だ。

 また、同社は寒冷地で新幹線車両が機能するかを確認する「冬期性能検証」を昨年度に続いて本年度も実施する予定で、テスト時間を十分確保する狙いもあるとみられる。

 開業日が固まりつつあることを受け、函館市内の経済関係者は「いよいよ正式なカウントダウンが始まる。開業への機運に火がつき、一気にムードが盛り上がるのでは」と期待を寄せている。(山田大輔)



◎函館博物館、アイヌ特別展好評

 1875(明治8)年の千島樺太交換条約締結により、強制移住させられた樺太、千島の両アイヌ民族の関連資料を展示する特別展「千島樺太交換条約とアイヌ」が、市立函館博物館(青柳町17)で30日まで開かれている。連日多くの入館者が訪れており、同館学芸員の大矢京右さんは「アイヌへの関心が高まっている中、歴史に着目した本展は全国的にも珍しい」とアピールする。

 同条約締結から今年で140年目を迎えることをから、明治政府によって同化政策を強いられた樺太、千島の両アイヌの歴史を広く知ってもらおうと企画。7月11日から開催しており、民族研究者や市・道外から多くの人が来館している。

 展示は条約締結時、樺太、千島アイヌの全3章に区別して実施。衣服や民具のほか、強制移住の際に撮影した写真や文書資料など170点が並ぶ。中でも、開拓使大判官だった松本十郎が、樺太アイヌの移住策を見直すよう上申した際に提出した書類など、アイヌに関わった人々をくまなく紹介。

 毎週土、日曜日は、公立はこだて未来大と協力し、地図に映像を映し出す「プロジェクションマッピング」も開いている。  入館料は一般400円、大学・高校生200円、市内の学校に通う小・中学生は無料。休館日は毎週月曜日。問い合わせは同館(電話0138・23・5480)へ。(蝦名達也)



◎モーモータクシーが国際自動車と提携、「km」あんどん装着

 ホルスタイン柄の車両で知られる北海道・函館モーモータクシー(函館市豊川町、小川司社長)は、業界大手の国際自動車(菅原信一社長、東京)と提携し、「km」のあんどんを装着した車両の運行を始めた。同社の社名灯を付けたタクシーが道内を走るのは初めて。  モーモータクシーが保有する19台のうち、今月6日に導入した金色の新車両1台に「km」と「moomoo taxi」の社名灯を並べて装着。小川社長が懇意にしている国際自動車の役員に呼び掛け、実現した。

「kmのあんどんが付けられている車両のドライバーは、当社の中でも特に接客技術に優れた者」(小川社長)としており、今後は国際自動車の研修に参加するなどして、質の高いドライバーを育て、kmブランドの車両を増やしていく考えだ。

小川社長は「国際自動車のホスピタリティ精神や社員教育を参考に、より良い顧客サービスの提供に努めていきたい」と話している。(金子真人)


◎駅前電停付近に市電沿線見どころ観光案内所

 函館市企業局交通部は12日、JR函館駅前電停付近に市電路線沿線見どころ観光案内所を設置した。15日までの4日間、午前9〜11時に開設。市電の1日乗車券を販売し、観光地への道順を案内している。

 毎年観光繁忙期合わせて開設し、今夏は函館港まつり開催中の1〜5日に引き続いての設置。職員は「電車を3回以上乗るならお得になります」とPRし、スクラッチ式の新しい1日乗車券の利用方法を案内。合わせて、沿線の名所・史跡を掲載した「ICASマップ」を配布している。

 同部事業課は「お盆の帰省時期でもあり、多い日で70〜100件程度の利用がある。函館観光には市電での移動が便利であることをPRしたい」としている。(今井正一)