2015年8月21日 (金) 掲載

◎宇都宮市が観光PRイベント

 栃木県宇都宮市による観光プロモーションイベントが20日、函館山山頂イベントホールで開かれた。ジャズの演奏をはじめ、カクテル、特産の梨の提供、クイズ大会など、国内外の観光客を楽しませた。

 同市と函館市は北海道新幹線開業に向けた宇都宮駅停車を求める活動や観光交流で親交を深め、今回が函館で初めての単独プロモーション。9月5、6日に開かれる「はこだてグルメサーカス」への参加も予定している。

 イベントでは、さまざまな大会で優勝経験を持つバーテンダーが多い「カクテルのまち」としての側面をPR。カクテルを提供した宮崎理彦さんはシェーカーやボトルを巧みに操るパフォーマンス「フレアバーテンディング」の第一人者で、今秋、世界大会に出場する。技が決まると大きな拍手が会場から送られ、特産のイチゴを使ったカクテルが振る舞われた。

 また、生演奏を楽しめる店が多い「ジャズのまち」でもあり、倉沢大樹さん(ピアノ)、藍沢栄治さん(ベース)、高橋幹夫さん(ドラム)が演奏を披露。スタンダードナンバーからビートルズの名曲など、息の合ったセッションで楽しませた。

 イベントに先立ち、同市の桜井鉄也経済部長らは函館市役所を訪れ、小山内千晴観光部長らと懇談。桜井部長は「海のない県なので函館にはあこがれが強い。新幹線開業により便利になるので、相互交流で発展していきたい」と述べた。小山内部長も「北関東や南東北は新幹線で結ばれる主要地域。お互いの利害は一致している。いろいろな面で連携していく」と答えた。(今井正一)



◎市電に揺られ映画堪能

 「第10回北海道ユニバーサル上映映画祭」(9月26、27日、北斗)の関連企画「市電シネマ」が20日、函館市内で行われ、市民ら17人が市電に揺られながら映画の世界を満喫した。

 「市電シネマ」は2007年、ユニバーサルデザインを採用した「らっくる号」導入を機に同映画祭実行委員会が企画、毎年この時期に開催している。

 参加者は午後7時に貸し切りの超低床車「らっくる号」に乗車し、駒場車庫を出発。音声ガイドとともに、動く映画館で同映画祭実行委と親交のある佐々部清監督の映画「チルソクの夏」を楽しんだ。

 「チルソク」は韓国語で「七夕」の意味。実行委では、旧暦7月7日にあたるこの日に合わせて上映した。9月27日の映画祭2日目にも上映し、佐々部清監督の舞台あいさつも予定している。

 昨年に続いて参加した函館市人見町の大学教授清野きみさん(87)は「市電の窓からのぞく夕暮れを眺めながら楽しむ映画は、劇場と違う面白さがある」と話し、笑顔を見せた。(半澤孝平)



◎湯川海水浴場、利用客増加

 函館市教委は、今シーズンの湯川海水浴場(根崎町)の利用状況をまとめた。昨年度比995人増の1万9932人で、開設以来最低の人数だった昨年度を上回ったが、2万人には届かなかった。老朽化が進んでいる同海水浴場のネットは、2010年度の調査で本年度まで使用可能とされており、来年度に開設するかどうかは現段階で不透明な状況。近くネットの損傷度調査を行って判断する。

 今シーズンは7月18日から8月18日までの32日間開設。陸側のネットが砂でこすれて傷みが激しいことを踏まえ、昨年度から砂浜側にネットを引き寄せて運営している。

 7月の利用客は4566人で昨年度の約6割と低調に推移していたが、8月は好天が続き、昨年度比36%増の1万5366人と伸ばした。昨年は悪天候が続き、遊泳を制限した日が計6日間あったが、今年は1日と少なかった。

 同海水浴場の利用客は約6万人が利用した2004年のピーク時(開設59日間)から年々減少傾向となっており、市教委スポーツ振興課は「利用の中心となる小・中学生や高校生の減少が影響している」とみる。

 また、7月25日から8月18日まで開設した入舟町前浜海水浴場は、前年度比36人増の2653人とほぼ横ばいだった。

 湯川はネットの老朽化や年間約4000万円の維持費が問題視され、13年度には廃止が取りざたされたが、ネットが15年度まで使用可能だったことから開設を継続した。市教委は今月下旬にもネットを引き揚げ、傷み具合を目視で確認するほか、ロープの強度も試験し、来年度以降も開設できるかどうかを判定する。同課は「来年度予算の関係上、9月中旬には方針を決めたい」としている。(千葉卓陽)


◎国際科学祭あす開幕

 「はこだて国際科学祭2015」(サイエンス・サポート函館主催)が22日から30日まで、五稜郭タワーや市青年センターなど函館市と七飯町の計12会場で開かれる。7回目となる今回のテーマは「みんなの環境もんだい 環境って、なにが『問題』なんだろう?」。老若男女が楽しみながら科学と社会の関わりを考えるイベントがめじろ押しだ。

 初日の22日は、いずれも五稜郭タワーアトリウムで、ヒグマやエゾシカなど野生動物との付き合い方を考える鼎談(ていだん)型の講演会「サイエンスダイアログ」(午後3時45分)や、函館高専演劇愛好会の学生らによる科学演劇「銀河新幹線の夜明け」(①午前11時②午後1時半)の上演、ラッキーピエロの王一郎社長らが登壇して環境への取り組みを語るサッポロクラシックプレゼンツ「サイエンスライブ 北海道の大地に乾杯」(午後5時)などを行う。

 このほか、30の実験ブースが並ぶ「青少年のための科学の祭典函館大会」(千代台公園陸上競技場、23日午前10時〜午後3時)、イカの知られざる秘密に迫る「函館オーシャンナイト」(函館市国際水産・海洋総合研究センター、26日午後6時半)などさまざまなイベントが行われる。

 サイエンス・サポート函館代表の美馬のゆりさん(公立はこだて未来大教授)、同コーディネーターの金森昌作さん(同大特別研究員)は「その場で楽しいだけでなく、深く科学を考えるきっかけになる催しをたくさん用意している。大人限定の企画もあるので足を運んでほしい」と呼び掛ける。イベントの申し込み状況はホームページ(http://www.sciencefestival.jp/festival/index.html)で確認できる。問い合わせは事務局(電話0138・34・6527)へ。(稲船優香)