2015年8月22日 (土) 掲載

◎燃料に建築廃材活用 高燃料・低燃費ストーブ開発進める

 鋳物製品製造・販売のウエノヤマ技巧(函館市陣川町86、上野山隆一代表)は建築廃材を活用した高燃焼、低燃費型ストーブの開発に取り組んでいる。漁業者の意見を取り入れてこのほど試作品を完成させており、上野山代表(50)は「一次産業の現場で役立てるように改良したい」と、将来の製品化を目指している。

 上野山代表は鋳物製品の木型職人で、これまでに五稜郭の形をあしらったジンギスカン鍋の製作や、タコストーブの再生などを手掛けている。

 新ストーブの製作は、漁業者から「コンブを乾燥する際に重油を使用するが、燃料費がかかって大変だ」との意見を聞いたことをきっかけに、7月から製作を開始。L字型パイプの水平部分に燃料を入れ、長い煙突を熱が伝うことで高い断熱効果を保ちながら、強い上昇気流で効果的に暖める「ロケットストーブ」の原理を基にした。

 廃材を使って7月下旬に完成させた試作品は高さ90㌢、横幅50㌢、奥行き60㌢でオーブンも備えている。同月に行われた陣川あさひ町会の行事でお披露目され、オーブンを使って行事に参加した子どもたちにピザを焼いたところ、1枚につき1分ほどで焼き上がったといい、燃焼能力の高さを示した。

 断熱効果が高く、1回燃料をくべると8〜10時間燃やせるのが特徴で、木の端やチップ材、おがくずなどを燃料に使える。「間伐材を上手に利用できれば活用できる。地元で出たものを燃料として回すことができれば使い道があるストーブ」と上野山代表。コンブの乾燥施設や農業のビニールハウスでの利用を想定している。

 今後、市内のオートキャンプ場や大学でのピザ作りなどでの試験運転を通じて、製品化への改良点を見極める考え。同代表は「課題はまだある。量産するにしても、きちんとした形にしたい」と意欲を示している。問い合わせはウエノヤマ技巧(電話0138・55・1002)へ。(千葉卓陽)



◎リングから「人間力」伝える 大仁田さん、来月16日の超花火プロレスPR

 プロレスラーで元参院議員の大仁田厚さん(57)が21日、函館市役所を表敬訪問した。山本真也教育長に対し、9月16日に函館総合卸センター(西桔梗町589)で開かれる「超花火プロレス函館大会」をPRした。

 「超花火プロレス」は、電流を流した有刺鉄線に接触すると小型爆弾が爆発する「電流爆破デスマッチ」が売り。大仁田さんは電流爆破マッチのパイオニアとして知られ、函館でこの形式で試合するのは初めて。

 大仁田さんはいじめ撲滅や地方創生を掲げて全国各地で電流爆破マッチを行っており、山本教育長との懇談で自身のプロレスについて「暴力ではなく、人間力や立ち上がる力をリングの中から表現したい」と熱く語った。同教育長も大会の趣旨に賛同し「いじめはかっこ悪いというメッセージを子どもたちに送り続けることは非常に大事」と述べた。

 試合は16日午後6時半開始で、チケットは市内プレイガイドなどで発売中。同日午後5時半からは参加選手による「ちびっ子プロレス教室」も開く。教室は高校生以下が対象で、参加無料。問い合わせは超花火実行委員会(☎03・5777・5361)へ。(千葉卓陽)



◎電停改築で9月から仮設 五稜郭公園前11月下旬に完成

 函館市本町の市電五稜郭公園前電停の改築に向けて、市企業局交通部は9月1日に湯の川方面行きの仮設電停の供用を開始する。新電停の完成は11月下旬を予定し、仮設電停は現在地より80㍍湯川方向のホテルネッツ前に設置。工事期間中も函館駅前方面行きは既存電停を使用し、運行ダイヤに変更はない。

 市中心市街地活性化基本計画の事業で、昨年11月に完成した函館駅前電停と同規格で、白を基調とした鉄製の防護壁と上屋を整備。ホームの延長は30㍍で変わらず、有効幅員は1・5㍍を確保し、既存電停の幅員(1・0〜1・3㍍)よりも広く、バリアフリー対応となる。

 現在、双方向の電停は対面式だが、改築工事後は湯の川方面が現在地、駅前方面は50㍍湯川寄りの本町市場前に変更となる。11月下旬に新電停の供用開始を予定。仮設電停と駅前方面の既存電停を解体し、工事が終了する。同部施設課は「工事期間中は利用者にご迷惑を掛ける。電停を利用するときは車道を歩かず、必ず横断歩道を使用してほしい」としている。

 中活計画では、駅前と五稜郭公園前間の各電停もリニューアルする方針だが、両電停の整備費は資材高騰や労務単価の上昇を受けて、事業費が膨らんだ。本年度は通院者などの乗降客数が多い中央病院前電停の改築に向けた実施設計費を計上している。外観イメージは駅前電停を踏襲するが、市は整備費の抑制も合わせて検討している。(今井正一)


◎函館市のセンター 昨年度補導7件減の66件

 函館市青少年補導センターの2014年度の補導件数は、前年度から7件減少の66件となった。注意・指導件数も前年度比106件減の854件と大幅に減少し、主管部局の市子ども未来部次世代育成課は「情報提供に協力的な店の増加や学校との連携が密になってきているため」としている。

 補導した66件のうち、不健全性行為が同4件増の50件と、約76%を占めた。喫煙は11件で前年度から半減。飲酒は2件で、無断欠席など「その他」が3件だった。補導場所はカラオケボックスが64件と大半を占め、同課は「狭くて閉鎖的なカラオケボックスでの補導が例年続いている」と説明する。

 被補導者は高校生が58人と最多で、中学生と有職がそれぞれ4人。小学生と無職はいなかった。

 100件以上の減少となった注意・指導件数では、小・中学生同士のゲームセンター入場が408件、カラオケ店入場は321件と目立った。自転車の2人乗りも72件あったが、同センターは6月の道路交通法改正に伴い、2人乗りをはじめ、イヤホンを付けたまま危険な運転をしている学生への指導を強化し、注意を促している。

 世代別では中学生が前年度比143人減の619人、高校生が同3人減の84人だったが、小学生は149人と同39人の増加となった。主にゲームセンター入場と川遊びで注意・指導を受けた。

 同センターは教員や警察官OBが務める専任補導員を5人配置。小・中・高校の教員も少年補導委員として335人(4月1日現在)が登録している。同センターの男性補導員は「子どもの健全育成のため、再発防止を第一に活動していきたい」と話す。(蝦名達也)