2015年8月24日 (月) 掲載

◎ギリヤークさん魂の舞

 函館市出身の大道芸人で創作舞踊家のギリヤーク尼ヶ崎さん(85)が23日、千代台公園陸上競技場(千代台町22)で開かれた「第20回ざいだんフェスティバル」(実行委主催)に登場し、青空大道芸「魂の舞」を披露した。

 会場に現れたギリヤークさんは、約100人の観客から拍手で迎えられた。その場で装束をまとうと、長年得意としてきた「じょんがら一代」「よされ節」「念仏じょんがら」など3つの踊りを披露した。「念仏じょんがら」は水をかぶり、東日本大震災の被災者へ鎮魂の祈りを込めて踊った。「芸歴50年となる88歳まで踊り続けます。どうか応援を」とギリヤークさんが呼びかけると観客は盛んな拍手で応じた。またギリヤークさんの鬼気迫る演舞に対し、投げ銭が飛び交った。

 ギリヤークさんの演舞を初めて体験したという函館市の藤島智子さん(51)は「踊りを通じて愛のある方だと感じた。真心を込めた祈りを見せてもらった」と感心していた。(半澤孝平)



◎牛との触れあい満喫、大沼べこっ子まつり

 【七飯】農業や牛の魅力を知ってもらう酪農の祭典「大沼べこっ子まつり」(実行委主催)が23日、久保田牧場(町軍川527)で開かれた。町内外から大勢の家族連れでにぎわい、牛肉を使った焼き肉や牛との触れあいなどを楽しんだ。

 開会式で久保田守峰実行委員長が「素人ではありますが、子どもたちを楽しませようと準備しました。ぜひ楽しんで」とあいさつ。来賓で駆け付けた中宮安一町長も「このイベントが大沼の一大イベントとなるよう、町としても支援していきたい」と述べた。

 函館酪農公社が毎年実施していた牧場体験交流会を、七飯町の若手酪農家たちが引き継ぎ兼ねる形で「べこっ子まつり」と昨年から名称を変えて開催。今年で2回目となる。

 まつりは軍川小児童によるソーラン踊りで幕開け。その後会場ではトラクターの試乗体験や子牛への哺乳、ブラッシング体験などが行われ、子どもたちの人気を集めた。ステージ上では昨年好評だった「長靴飛ばし大会」や牛乳の早飲み競争が行われ、大盛り上がりだった。

 牛との触れあいを楽しんだ北斗市市渡小3年の二ツ森功泰君(9)は「牛を触ったらすごく温かかった。餌も食べてくれてとても楽しかった」と笑顔だった。(野口賢清)



◎前田さん連覇、道南竜将

 渡島、桧山のアマチュアが日ごろの修練の成果を発揮して競う「第19回道南竜将戦」「第9回道南小学生竜将戦」(函館新聞社、日本将棋連盟函館中央支部主催)が23日、函館新聞社で開かれた。「道南竜将」の称号が与えられる有段者の部は、函館市の会社員前田貫さん(42、アマ4段)が2連覇を達成した。無段者の部は函館工業高校3年の佐々木猛君が優勝し「日本将棋連盟初段免状」を獲得した。小学生戦は函館柏野小4年の影悠希君が今大会初優勝を飾った。

 有段者の部は10人、無段者の部は12人、小学生は11人が出場。一般は予選後、トーナメントで争い、小学生は4回戦のポイント式で争った。

 前田さんは学生時代に腕を上げてきたが、最近は仕事の都合で将棋センターなどには行けず、家でインターネット対局で勝負勘をつけてきた。若い世代と顔を合わせての戦いを制し、「どの局面も難しく、厳しい1日だった。また来年も優勝を狙いたい」と話した。

 佐々木君は中学生時代まで将棋を習い2段並みの力を付けていた。高校では部活の関係で一時離れていたが、高校最後の年に挑戦し、見事に初段免状を獲得。「緊張せず自分の力を出し切れたことが良かった」と振り返る。

 影君は小学1年から将棋を始めた。この日は唯一全勝しての栄冠。「最後の対局はきつかったけど、ここで勝って喜びたかった」と満面の笑顔を見せた。(山崎純一)

 各部の結果は次の通り。(敬称略)

 ▽有段者の部=①前田貫②野田省吾③斉藤航輔▽無段者の部①佐々木猛②伏見和真③小林拓也▽小学生竜将棋戦=①影悠希②山本隆悟③山本然④庄山航生⑤三浦理彦


◎観光4期ぶり引き下げ、4〜6月期道南経済

 函館財務事務所(大久保誠所長)は20日、4〜6月期の経済概況「道南経済レポート」を発表した。総括判断は「持ち直し基調にあるものの、一部に弱い動きがみられる」と据え置き、個別の項目では、増加傾向にあった来函客数が前年並みに落ち着きつつあることから、観光の指標を4期ぶりに引き下げた。

 観光は「前年を大幅に上回る」から「来函客数は前年並み」とした。交通機関別では、航空機が需要増加に伴う機材の大型化や国際線の定期便就航などで好調だった一方、フェリーや寝台特急の定期運行が終了した列車は前年を下回った。函館市内の観光、宿泊施設の利用者数は海外客がけん引し、増加が続いている。

 生産活動や住宅建設、雇用情勢などほかの7項目は判断を据え置いた。個人消費は、食料品スーパーやホームセンターで売上高の回復がみられるものの、大型小売店の売り上げは前年を下回る傾向が続く。

 公共工事の前払金保証請負金額は前年同時期と比べて20・4%減少。前年は消費税増税後の景気対策として、工事を6月末までに前倒ししたことから、今期は反動減となった。

 先行きについて、大久保所長は「持ち直し基調が続く」とみており、「プレミアム付き商品券の使用による景気の浮揚効果について注視したい」としている。(山田大輔)