2015年8月30日 (日) 掲載

◎大三坂、秋の彩り…ナナカマド色付く

 函館市内では、街路樹として植えられているナナカマドの実や葉が赤くなってきた。西部地区の観光名所、大三坂でも秋の訪れを告げる色合いとなり、観光客や修学旅行生を楽しませている。

 毎年、8月上旬になると実が色づき、一日の気温の寒暖の差が大きくなる9月上旬ごろには葉の色も変わってくる。元町周辺の風景を描くという市内在往の男性は「今年は1週間前から色付きが目立ってきた。例年並みだと思う」と話す。

 大三坂のナナカマドすべてが真っ赤になると、横津岳や駒ケ岳では初雪になるといわれている。(山崎純一)



◎観光経済効果1606億円、昨年度函館市

 函館市と函館国際観光コンベンション協会は2014年度の観光アンケート調査の結果をまとめた。観光客1人当たりの平均消費額は2万9680円でほぼ前年度並みとなった。昨年度の入り込み客数484万人を乗じた観光消費額は前年度比35億円増の1078億円で、市内全体への経済波及効果は同52億円増の1606億円規模となった。

 調査は国内客を対象に昨年4月から今年3月まで、市内主要観光スポットでの聞き取りなどで実施し、2060人が回答。83・1%が道外客だった。

 回答者の96・8%を占めた宿泊客の消費額は2万9852円、日帰り客は8848円だった。宿泊客の消費の内訳をみると、宿泊費1万1878円、土産購入費9690円、飲食費6375円など。土産、飲食費は日帰り客の2倍以上となっている。観光による経済波及効果額の推計は、観光基本計画における市の独自係数1・49倍を使用し、算定した。

 旅先として函館を選んだ理由は夜景、グルメ、歴史的建造物と続き、足を運んだ観光スポットもベイエリア、西部地区、函館山、五稜郭など定番地が並んだ。形態では半数が函館のみを目的とし、約4割が道内他地域も周遊した。函館以外の訪問先では道央(札幌・小樽)が最も多く、函館近郊(大沼・江差など)、道南(室蘭など)と続いた。

 来函回数別では、34・8%が初めてで、2回目が29%、3回目が15・3%、4回目以上が20・9%、地域別では道内の86・5%、東北の82%がリピーターだった。函館の印象は「とてもよい」76・2%、「よい」21・5%となり、全体の98・8%が再訪意欲を示した。市観光部観光企画課は「1度でも函館に来てもらえれば魅力が伝わり、リピーターとなってくれることが期待できる数値」としている。(今井正一)



◎エコフェスタにぎわう

 資源の有効活用や環境問題を考える「はこだてエコフェスタ2015」(実行委主催、函館新聞社など後援)が29日、緑の島で開かれた。リサイクル品の販売や身近な生活から環境問題を学ぶコーナーなどが設けられ、家族連れでにぎわった。今回、初の試みとして、イベントで使用する電力をすべて電気自動車(EV)8台でまかない、環境負荷の軽減を図った。

 EVは昨年まで使用していた発電機に代わり、函館中央三菱自動車販売がプラグインハイブリッドEVを含む7台を提供し、市環境部所有の1台と合わせて各ブースの脇に配置。車載のバッテリーから取り出した電力は、音響設備や省エネ型の自動販売機などにつなげられた。同社の力石嘉孝さんは「EVは移動電源車としての役割を果たすことができる。自動車の考え方を変えるきっかけになってほしい」と話していた。

 会場では、衣類や雑貨を販売するフリーマーケットやリサイクル自転車の抽選会、環境をテーマにしたものづくり、すごろくなどのゲームコーナーなどが設けられた。

 環境に配慮した取り組みを進める企業出展のうち、市内吉川町の「ファイヤーワールド函館」を営む佐々木総業(厚沢部町)はまきストーブやペレットストーブを展示。佐々木俊司代表は「震災後、停電時にも使用できるまきストーブに関心が高まっている。オール電化やガスの住宅でも、まきストーブを併用することで暖房効率を上げることができる」と話していた。(今井正一)


◎バスケ附属特別支援学校同窓会20周年

 道教育大附属特別支援学校の卒業生でつくるバスケットボールチーム「附属特別支援学校同窓会」が今年発足20周年を迎えた。毎月1回、函館市総合福祉センターに集まり練習している。8月30日に後志管内岩内町で開かれる北海道障害者スポーツ大会の男子バスケットボール競技に出場予定で、選手たちは節目を飾る成果を挙げようと燃えている。

 同チームは卒業生の余暇活動の受け皿にと、コーチの川上孝三さん(77)とアシスタントコーチの菅原美代子さん(67)、世話役の高坂りゅう子さん(80)の3人が中心となり、1995年秋に立ち上げた。当初15人でスタートし、現在は20〜40代の男女25人で活動している。

 練習日は毎月第4金曜。ほとんどの選手が仕事と掛け持ちしながらの活動で、全員そろっての練習はなかなかできないが、発足以来途切れることなく練習を続けている。

 川上さんは「よく20年続いたと感慨深い」と話し、大会に向けて「1回戦で負けてばかり。ぜひ初戦を突破してほしい」と期待を込める。

 同大会には2002年、03年、昨年とこれまで3回出場。今回は6チームによるトーナメント戦で争われる。主将の伊藤省一さん(37)は「優勝を目指し、全力で頑張ります」と意気込みを見せている。

               ◇      

 同大会の男子バスケットボールには同チーム以外に道南からToMoハウス(七飯町)と道立函館高等技術専門学院(函館市)が出場。2チームで争う女子はToMoハウス(同)が小樽のOKSフェニックスと争う。(鈴木 潤)