2015年8月7日 (金) 掲載

◎大妻高書道部松本さん、高野山競書大会で金剛峯寺賞

 函館大妻高校普通科3年で書道部部長の松本花奈さん(18)が、第50回記念高野山競書大会(高野山総本山金剛峯寺主催)で「金剛峯寺賞」に輝いた。今月1日には和歌山県の同寺で行われた表彰式に出席。高野山開創1200年の節目の受賞に、松本さんは「まさか受賞できるとは」と会心の笑みを浮かべる。

 同大会は、弘法大師空海ゆかりの高野山で年に1回開催される。今回の応募総数は全国の5万607人から12万639点。最高賞の弘法大師賞から数えて5番目の同賞は、全国で一般41人、学生68人が獲得した。

 松本さんは小学1年から書道を始め、現在は毛筆6段の腕前。同大会には入部後から挑戦し、1年のときに総長賞、2年では前年を上回る管長賞と、結果を残してきた。

 今回の題材は、中国・北魏時代の書「賀蘭汗造(がらんかんぞう)像記」から4文字を抜き出した「賀蘭汗造」。入部後は柔らかい線が特徴の隷(れい)書を中心に筆を握ってきたが、松前町で毎年開催されている「書道パフォーマンス」に参加したことで、力強く筆を運ぶ楷書の魅力を体感。大会に向けて昨年12月から、部活動で2時間半、部活動に出られない日も自宅で3時間に及ぶ特訓を経て、楷(かい)書や隷書、行書などさまざまな書体の作品10点を仕上げ、提出した。6月上旬に結果が分かった。

 松本さんは「『蘭』が大きく、『造』が小さくなりがち。全体のバランスを考えてしたためた」と制作を振り返る一方で、「得意の隷書ではなく、楷書が受賞するとは思わなかった」と驚きの声を上げる。

 今月19日には高文連の秋季大会を控えており、「3年間の集大成を披露し、3年連続の全道大会進出が目標」と松本さん。書道部顧問の木下文広教諭は「今後も書を通して自分磨きに励んでほしい」と期待を寄せている。(稲船優香)



◎来月4日に秋のバル街

 スペインの伝統的な飲食文化「バル街」を函館市内の西部地区で展開する「函館西部地区バル街」(実行委主催)が9月4日午後2時から開かれる。実行委が6日、概要を発表した。

 バル街は参加飲食店で特別に用意したピンチョス(つまみ)と酒を、はしごしながら楽しむイベントで今回で24回目。

 今回は、居酒屋やレストラン、喫茶店など70店が参加。新規は東京赤坂のフレンチレストラン「タカザワ」やレンガ倉庫を改装し7月にオープンしたボルタリングジム「HOMⅠE(ホーミー)」など5店。

 前回同様、青函交流の特別出店もあり、青森市や弘前市から3組(4店舗)が出店するほか、八雲町や木古内町、松前町、江差町からも飲食店などが参加する。午後4時半までに開店する「昼バル」は41店で、当日はジャズライブやフラメンコのパフォーマンスなど協賛イベントも行われる。

 実行委の深谷宏治委員長は「来年3月の北海道新幹線開業に向け、いろいろな仕掛けを考えていきたい」と話した。

 バル街の前売り券は3500円(5枚つづり)で、松柏堂プレイガイド各店やバル街参加店などで販売中。当日は4000円。

 問い合わせはレストラン・バスク(電話0138・56・1570)。公式ホームページはhttp://www.bar−gai.com/(鈴木 潤)



◎ドラッグストアが市内出店攻勢、狙いは外国人

 函館市内で、大手薬局チェーンの出店が相次いでいる。サッポロドラッグストアー(札幌)は7月の函館空港に続き、今月はベイエリアに出店。サンドラッグ(東京)は、美原地区に路面店を年内にオープンし、市内に本格的に進出する。いずれも訪日客の豊富な需要を取り込むのが狙いとみられ、外国人観光客の増加を背景に、各社の出店攻勢は続きそうだ。

 サッポロドラッグストアーは6月以降、道内で多数の外国人客が訪れるエリアに進出。札幌市の狸小路商店街を皮切りに、7月10日には函館空港に出店した。

 豊川町12の青森のアンテナショップ跡地にオープンする「函館ベイ店」は、店舗面積約300平方㍍。商品表示は日米中の3カ国語で行い、中国語が話せるスタッフを配置、早ければ来週にも開店する。周辺には金森赤レンガ倉庫など人気の観光スポットがあり、団体ツアー客などの需要を見込んでいる。

 一方、サンドラッグの子会社「サンドラッグプラス」(札幌)は、キングハイヤーの本社跡地に「美原2丁目店」を今年秋にオープンする。建築確認申請によると、店舗面積は平屋約1000平方㍍で、駐車場は約30台分用意、完成は9月15日を予定している。

 同社は現在、函館と北斗市内の大型商業施設内で計2店舗運営しており、免税対応を行う美原の新店を足がかりとして、函館市内でさらに出店を検討している。

 「ツルハドラッグ」を展開するツルハホールディングス(札幌)は、静観の構え。同社は「函館市内23店舗のうち、松風店は来客全体の2%強が免税対応」とし、品ぞろえなどの面で工夫していくという。


◎火災フェリーに炭酸ガス注入開始

 苫小牧沖合で火災が発生し、函館港沖合に停留している商船三井フェリー(東京)の「さんふらわあ だいせつ」(1万1401トン)の本格的な消火作業が6日夜、始まった。船内に炭酸ガスを注入し、酸素濃度を低めて火の気を断つ手法で行われ、鎮火が確認されるまでは数日かかる見通しだ。

 消火作業は同フェリーの委託で海洋工事専門の日本サルヴェージが主に取り組み、第一管区海上保安本部(小樽)によると、この日は早朝から船内を密封するための目張り作業などが行われた。当初、午後の早い段階で炭酸ガスの注入を予定していたが、やや高い波の影響や慎重な目張りの徹底で、注入作業の開始がずれ込んだという。

 計画では船内に30トンの炭酸ガスを入れる方針で、同日午前に液化炭酸ガスを室蘭からトラック2台で計約15トンを持ち込んだ。午後4時40分ごろ、トラックは海岸町の岸壁から台船で沖合のフェリーの焦げ跡が目立つ右舷に近づいた。

 関係者によると同7時ごろに炭酸ガス注入を開始。作業は24時間態勢で、トラックの大型タンクに一定のガスを残さなければならず、1回目は10トン強を入れる。このため計画の30トンまでには3回のピストン輸送が必要。また、時間をかけて少しずつ注入しなければ不具合が生じるため、数日間の作業が見込まれる。

 フェリーの停留海域は、函館漁港の北北西1・6キロで、関係機関は引き続き、安全のため近づかないように注意を呼び掛けている。(田中陽介)