2015年8月9日 (日) 掲載

◎帰省ラッシュ始まる

 お盆を古里や行楽地で過ごす人たちの帰省ラッシュが8日、本格的に始まり、函館空港やJR函館駅では、旅行バッグや土産を手にした客で混み合った。

 同空港は、正午過ぎから東京や関西、名古屋からの便が相次いで到着。ロビーでは、家族連れや単身赴任中のビジネスマンらが出迎えた家族や親せきとの再会を喜ぶ姿が見られた。

 茨城県から函館市内の実家に帰省した会社員岩沢和哉さん(18)は「同級生と会ったり、実家でゆっくりするなどしてリフレッシュします。函館は涼しいですね」と話していた。

 航空各社によると、東京や名古屋から函館に向かう便の予約が13日までほとんどの便で満席の状況。函館からのUターンは14日午後から混雑する見通し。

 JRによると、札幌発、新青森発の特急は時間帯によって空席はあるが上野発の寝台特急はすべて満席。Uターンの混雑は15、16日にピークを迎える見通し。(鈴木 潤)



◎函館山でケチャ披露

 道国際交流センター(HIF)は8日、インドネシア・バリ島の伝統舞踊・ケチャを紹介するイベント「インフィニティ∞ケチャ」を函館山緑地で開いた。集まった市民を前に、6〜7月に全5回開いたワークショップの受講者33人が、本場さながらのケチャを披露した。

 同センター職員で、振付師の大久保ジャスミンさん(28)が「多文化共生〜人と人の無限(=インフィニティ)のつながり」をテーマに企画した。

 大久保さんはバリに住んだ経験からケチャに親しんでおり、ワークショップで受講者にみっちりと指導。あぐら座りをして円陣を組み、両手を空に突き出しながら、独特のリズムで「チャチャチャ」と刻む掛け声と手拍子が山頂に響き、集まった市民がじっくりと見入った。その後、元町公園で開催中のはこだて国際民俗芸術祭に出演しているワルナインドネシア27人のダンスも加わり、舞台は盛況を見せた。

 この日視察に訪れた駐日インドネシア大使館のサユ・オカ・ウィダニ一等書記官(39)は「心と心が通じ合う体験になったのでは」と話した。

 披露を終えた函館市の村上頼子さん(34)は「やりきったという思い。本場のケチャを見てみたい。また機会があれば参加したい」と笑顔で話していた。(半澤孝平)



◎市民の善意で備品 アリーナ支える

 スポーツや大型コンベンションなど、多目的な利用ができる新施設「函館アリーナ」(湯川町1)のオープンから1週間が経過した。スポーツに親しむ市民利用に加え、プロフットサルの公式戦、全道ミニバスケットボール大会などが開かれ、順調な滑り出しとなった。これまでに市に寄せられた市民や企業・団体からの寄付は総額1億5000万円を超え、新たな備品整備に有効に活用されており、円滑な大会運営に一役買っている。

 5、6の両日に開かれた北海道中学校柔道大会。メーンアリーナでは試合場を4面で展開した。畳はすべて市民の寄付で購入した新品で、冷房の効いた真新しい会場で選手たちが熱戦を繰り広げた。17日からは同会場で全国大会開催を控え、選手だけではなく、運営側にとっても大切な〝前哨戦〟となった。

 各試合場が見渡せるように設置した大会本部席や市内生徒が活躍した放送席には組み立て式ステージを活用。約2・4㍍×約1・2㍍の天板に脚をはめ込むタイプで、高さを自由に変更できる。数千万円の購入費は寄付金で賄った。

 7月に行われた「GLAY」の公演では横22㍍、奥行き11㍍、高さ1・8㍍の大型ステージとして使用され、今後、センターコートのみを使用する場合にはコート脇に設置する客席用のひな壇としての利用も想定する。市教委は「市だけでは取りそろえることができなかった。組み合わせの自由度が高く、各種大会やイベント誘致のツールになる」とする。

 また、柔道大会では関係者や選手の待機場所は卓球用の柵を仕切り代わりに利用し、試合のポイントや残り時間を表示するデジタル式の多目的大型得点板も視認性が高いと好評だった。大会実行委の事務局長を務める函館亀田中学校の山口哲也教諭(50)は「いい設備が整っていて、全国でもトップレベルの会場。選手にとっても最高の競技場だと思う」と高評価。「全国大会では、視察者用のスペースを広げるなど今大会の反省を生かして万全の体制でお迎えしたい」と話した。

 一方で、施設の備品はすべて新品というわけではなく、旧体育館の備品も多く活用している。スポーツ用の器具類は高額のものが多く、例えばバスケットボールでは、ゴールは一式1000万円程度するという。施設規模が大きくなり、同時展開できるコート数が倍増したが、新規の購入は2面分だけとし、旧体育館で使用してきたゴールもメンテナンスをしながら大切に活用する方針だ。

 市教委は「多くの寄付をいただきながら、備品を整えることができてうれしく思っている。使用状況を確認しながら今後も必要な備品の整備に努め、利用者ニーズに応えられる施設としていきたい」としている。(今井正一)


◎まちづくり五稜郭、21日から「はこだて検定」講座

 11月8日に行われる第10回函館歴史文化観光検定(通称・はこだて検定)を前に、まちづくり五稜郭(久保一夫社長)は21日から、「イカせる!はこだて検定講座」を本町25のコミュニティスペースハゴラボで開く。

 同社が展開する市民講座「五稜郭まちなか大学」の一環。地域への愛着を深め、検定に向けた学習に役立ててもらおうと企画した。

 講座は全7回で、10月9日まで毎週金曜日に実施(9月25日を除く)。同検定の上級合格者が講師を務め、テーマごとに合格へのポイントを伝授する。同社の隅田久雄総務部長は「まちの魅力を再認識できるチャンス。観光都市の市民として、レベルアップを目指してほしい」と参加を呼び掛けている。

 定員30人。受講料は7回分で3000円。「はこだて検定公式テキストブック第6版」を持参、会場でも販売する(2160円)。申し込み、問い合わせは同社(電話0138・56・1110)へ(平日午前9時〜午後6時)。 (山田大輔)

 講座内容は次の通り。

 第1回(8月21日)政治・経済、函館ガイド&ナビゲート▽第2回(8月28日)生活▽第3回(9月4日)自然・景観▽第4回(9月11日)文化・芸術・スポーツ▽第5回(9月18日)周辺地域を歩く▽第6回(10月2日)歴史①▽第7回(10月9日)歴史②