2015年9月10日 (木) 掲載

◎「GLAYと宝探し」に7866人

 函館市と人気ロックバンド「GLAY」がタイアップした体験型イベント「GLAYと宝探し」が終了した。7月18日から9月6日の期間中、宝箱の発見報告者は7866人で、市が想定した7000人を上回った。市観光部はイベントの集客効果を約1万9600人と推計し、「ファンだけではなく、函館に来た多くの観光客にも楽しんでもらえた」としている。

 函館アリーナでのこけら落とし公演(7月25、26日)に合わせて企画されたイベント。市内には4つの宝箱が隠され、2つ以上の発見で抽選参加権が得られた。市の集計では、91・8%が全4問のキーワードを発見して報告した。

 アリーナライブ2日目の7月26日には1400人、同27日に1109人が報告。週末を中心に参加者が増える傾向にあり、最終日の今月6日も252人が報告した。市コンベンション推進課は「多くの人が4カ所を回り、滞在時間の延長やイベント参加中の消費にもつながった」と評価する。

 アンケートの回答も満足度は高く、GLAYファン以外にも、函館到着後にポスターなどで知った観光客が参加した例もあった。主要観光スポットを楽しみながら回ることができる着地型イベントとして効果的だったと評価できる一方で、GLAYの全面協力による話題性が集客につながった面も否定できない。同課は「函館の魅力を体感してもらうことができ、リピーターとしてまた訪れてくれることを期待してる。事業の検証を進めたい」としている。(今井正一)



◎教育大綱素案を了承、初の函館市総合会議

 函館市は9日、改正地方教育行政法施行に基づき、市の教育行政の指針となる「教育大綱」の策定や学校問題などについて協議・調整する「第1回函館市総合教育会議」を市役所で開いた。工藤寿樹市長と山本真也教育長、教育委員4人が市の子ども・子育て支援と教育の現状と課題について意見交換し、大綱素案を了承した。

 4月施行の同改正法で、首長と教育委員会で構成される同会議の設置が各自治体に義務付けられた。首長が公の場で教育施策を議論できるようになったほか、首長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域における教育の課題を共有し、一層民意を反映した教育行政の推進を図る。

 工藤市長は冒頭「教育のあり方、進むべき道を一緒に協議していきたい」とし、「函館の教育が全道の中でも先駆的なことに取り組んでいくものであってほしいと願っている」とあいさつ。橋田恭一委員長も「学校教育で、今までの範疇(はんちゅう)の中で処理しきれない問題が出てきている。教育委員会の組織、働き具合の抜本的な見直しが必要」と述べた。

 大綱の対象期間は本年度から17年度までの3年間で、「子ども・子育て支援の充実」「学校教育の充実」「生涯学習の充実」を基本目標とした。母子の健康確保と増進、情報活用能力を育成するため教室にタブレット端末など(ICT機器)を整備、文化芸術振興施策の推進などを盛り込んだ一方、佐藤敬一委員は「いじめに対する考え方が足りないと思う。もう少し踏み込んだ形のことがあっても良いのでは」と提案。大綱は今月中旬から1カ月ほどパブリックコメントを受け付け、12月中旬に公表する予定だ。

 このほか、「いじめをやるな、だけでなく、いじめられた場合を想定した教育、指導も必要では」「特殊な支援を受ける子どもたちをいかに健康な納税者として社会に出すかが重要。さまざまな仕事があることを伝えたい」といった意見が上がった。工藤市長は実施検討中の虫歯予防事業やコミュニティスクール導入について「早めに結論を出すべき」とした。(蝦名達也)



◎湯の里小・保育所複合施設の入所セレモニー

 【知内】道南初となる小学校と保育所の複合施設「湯ノ里ゆめ学園」として、湯ノ里小(鈴木敏文校長、児童13人)に湯ノ里保育所(藤谷亘所長、園児22人)が入所したことを記念するセレモニーが9日、同施設で行われた。児童と園児は関係者50人以上に見守られ、合唱やダンスを発表して、新たな学びやの誕生を祝った。

 同施設は、7月下旬から同小学校の空き教室とトイレなどを改修、保育所用の調理場の設置などをして完成させた。1階3教室を園児が、1階音楽室と2階6教室を児童がそれぞれ使うものの、学園内のスペースはほぼ互いに交流可能。0~12歳の子どもが一緒に過ごし、互いの成長の相乗効果を図る。

 同小学校は児童数が年々減少しており、昨年12月に町教育委(田中健一教育長)から、通学区域外から登校できる小規模特認校として指定を受けている。学園は保育所の園児に慣れ親しんだ同校に進学してもらう狙いもある。

 セレモニーでは知内高吹奏楽部が子ども向けの音楽などを演奏して祝福。大野幸孝町長や田中教育長が学園に期待するあいさつをし、地域住民らが学校運営に取り組む事業「コミュニティ・スクール」に触れ「一緒になって育ててほしい」と連携への応援を呼び掛けた。

 児童会長の西山優也君(6年)が「かわいい園児や優しい先生と過ごすことができてうれしい。たくさん遊んで、困ったことがあったらいつでも聞いてください」と笑顔で歓迎した。(斎藤彩伽)


◎19、20日に笑って健康素人落語フェス

 道南落語倶楽部(軟講亭富楽こと古沢和弘会長)の結成30年記念「第2回笑って健康素人落語フェスティバル」(実行委主催)が19、20の両日、函館市民会館小ホール(湯川町1)で開かれる。全国から素人落語家など27組が集結。実行委は「たくさんの笑いと元気を届けるため稽古に励んでいるので、多くの人に足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。

 同倶楽部は1985年、函館在住の落語家、東家夢助さんの寄席に携わっていた人たちが「函館でアマチュア落語家がいないのは残念。自分たちにもできないか」と8人でスタート。現在会員は42人(うち半数が演者)に上り、年に6回、町会館などで寄席を開いている。

 フェスティバルは、全道の加盟団体が持ち回りで開いている「北海道素人落語迷人会」(北海道素人落語協会主催)の函館大会と、東家さんが“学長”として全国の素人落語家を集め開校している「全国落語大学」のジョイントで行う。同倶楽部結成20年記念以来、10年前ぶりの開催。

 19日(第1部)は午後1時、20日(第2部)は午前10時にそれぞれ開演。演者の年齢層は中学2年生から75歳まで幅広く、弁護士やホテルマン、小学校教諭など顔ぶれも多彩だ。一人15~20分ほどの持ち時間で、落語や曲芸、講談などを披露する。

 古沢さんは「全国の“迷人”が一堂に会し、普段函館で開いている寄席とは一風変わった雰囲気を楽しめる」とPRしている。

 チケットは2部共通で、前売り500円、当日1000円。高校生以下無料。前売りチケットの購入など問い合わせは古沢さん(☎090・2051・5346)へ。(稲船優香)