2015年9月12日 (土) 掲載

◎函館駅近くにホテル計画 札幌国際観光

 JR札幌駅前のセンチュリーロイヤルホテルなどを運営する札幌国際観光(札幌、桶川昌幸社長)は、JR函館駅近隣のベイエリアにリゾートホテルの建設を計画していることを明らかにした。来年3月の北海道新幹線開業で、大幅な増加が見込まれる観光客を取り込む狙いだ。

 建設予定地は、今月1日に函館市内の企業から取得した大手町22にある約4000平方㍍の更地=別図。JR函館駅から徒歩5分で、函館朝市や金森赤レンガ倉庫群などの観光名所も近い。

 開業日は「現時点で明言することはできないが、できるだけ早く計画を進めていきたい」(同社営業企画室)としており、順調に進めば来春に着工、完成は2017年中となる見通し。

 館内にはレストランや温泉施設を備えるほか、客室はツインルームで一般的な25平方㍍よりも広く設計するなど、宿泊客がゆっくりとくつろげる空間を提供する。

 同社は「函館は国内外から多くの人が訪れる有名観光地。しっかりとしたセンチュリーのおもてなしを提供していきたい」としている。

 函館では、新幹線開業による宿泊需要の拡大が見込まれており、JR函館駅前の市有地にも大手住宅メーカーがホテルと飲食、物販の複合施設を建設する構想を市に提案するなど、宿泊施設新設の動きが広がっている。  (金子真人)



◎美原2丁目、田家相次ぎオープンへ サンドラッグ 出店攻勢

 大手薬局チェーン「サンドラッグ」の子会社「サンドラッグプラス」(札幌)は、18日に美原2丁目店、30日に田家店を相次いでオープンする。いずれも集客が見込める交通量の多いエリアへの出店で、2店を足がかりとして函館市内に本格進出を図る考えだ。

 同社は、道内に約50店を展開。函館・近郊では大型商業施設内で2店舗を運営しており、路面店の出店は今回が初めて。  キングハイヤー本社の跡地に建設した美原2丁目店は、店舗面積約950平方メートルで、駐車場は約30台分用意。近隣にはMEGAドン・キホーテ函館店に入居する既存の「函館美原店」があるが、「交通量や商圏人口が多く、集客が期待できる」(同社)とし、美原地区で攻勢を強める。

 一方、田家の店舗は、8月25日で閉店した「スーパー魚長田家店」を改装。面積は約1000平方メートルで、同社の店舗としては市内最大の規模となる。半径1キロ以内にはサッポロドラッグストアーやツルハドラッグも店を構えており、激戦区化は必至だ。

 担当者は「路面店という立地条件を生かし、両店とも食料品を中心に品ぞろえを強化したい」とし、免税対応も検討するという。同社は本年度、北見でも新店をオープンするなど、出店を加速させている。 (山田大輔)



◎事業参加者25人減の107人 昨年度「函館市就労等意欲喚起プログラム事業」

 生活保護受給者の勤労意欲を伸ばす「函館市就労等意欲喚起プログラム事業」で、2014年度の参加者は前年度から25人減の107人と減少したが、このうち実際にボランティア活動に取り組んだのは97人に上り、活動に励んだ参加者は事業開始以降、初めて9割を超えた。

 同事業は生活保護受給者の増加を受け、11年度から実施。市内のNPO法人ワーカーズコープ茜が事業委託し、引きこもりやニート、就労経験の少ない母子世帯の母親などを対象に、個別面談や家庭訪問によるカウンセリングを実施。また、介護事業所や学童保育所などでのボランティア活動の機会を設け、社会参加や受給世帯の自立を手助けするのが狙い。

 昨年度に参加した107人のうち、ボランティア活動を経験し、実際に就職に至ったのは7人、就労指導員による「就労支援プログラム」に移行したのが7人となった。市生活支援第2課によると、同事業の利用者は人と話すのが苦手だったり生活リズムをうまくつかめなかったりしている場合が多いといい、「社会人としての心構えや人との向き合い方を学ぶ役割を果たしている」とする。

 1人あたりのプログラム実施期間は約3カ月で、活動日数とともに状況に合わせながら調整できる。就労までに時間がかかる人もいるが、毎年度末に開催する参加者報告会では「毎日充実して感謝している」などといった前向きな声が多く上がっているという。同課は「まず何に苦しんでいるのかを明らかにし、自立に向けた継続的な支援が必要」としている。  (蝦名達也)


◎本州大雨で物流に遅れ JR貨物の全線復旧未定

 関東、東北の大雨の影響でJR東北線などで運転見合わせや道路冠水、土砂崩れなどが続き、道内と本州を結ぶ物流に遅れが生じ、書籍や郵便物、農作物の輸送に影響が出ている。商品を扱う関係者は配達遅延の問い合わせや輸送経路の変更など、対応に追われた。

 函館中央郵便局によると、10〜11日昼ごろまでの市内から本州への配送は一部地域で遅れが発生するが、11日夕方以降の郵便物は通常通りを予定。12日に道外から到着予定の郵便物は多少の遅れを見込んでいるという。

 コンビニエンスストア・ローソン函館追分町店(追分町、麓清子店長)では11日未明、書類販売コーナーに張り紙で発売の延期を告知。入荷はJR貨物の運行状況に左右されるが、「本州の災害を把握した上で、お客様も理解してくれているので大きな混乱はない」(麓店長)。函館蔦屋書店(石川町)では、11日入荷予定の雑誌や書籍などが届かなかったため、同日に販売予定の商品は12日になり、12日以降に到着予定の商品は未定という。

 Aコープ厚沢部店(厚沢部町)の瀬戸仁店長(48)は「この時期はトウモロコシやメークイン、メロンの配送が多くなるが、送っても途中で止まったり、1〜2日遅れたりしている状況でお客様に迷惑が掛かっている」と話す。

 JR貨物によると、10〜11の両日で貨物列車計72本に遅れや運休が発生し、12日も少なくとも40本に影響が出るという。JR東日本によると、全線復旧は未定という。