2015年9月16日 (水) 掲載

◎生と死を考える会全国大会で、西高生が合唱曲披露

 函館市民会館(湯川町1)で20日に開かれる「生と死を考える会全国協議会」の全国大会で、函館西高校でイベントを企画・運営する生徒有志の団体「WHP」(ウエスト・ヒルズ・プロジェクト)が、今大会のために作られた合唱曲「いのちへ~ぼくのできること~」を披露する。

 WHPは2010年度に発足。本年度は代表の吉川咲さん(3年)がメンバーを募り、医療関係者による講演や看護師との意見交流会を開いて命について考えを深めてきた。

 7日には同校で初めての全体練習があり、作曲したピアニスト作道幸枝さんと、作詞した「道南・生と死を考える会」の山田豊会長=函館中央病院小児科臨床顧問=も参加した。

 「ひとりで生まれて ひとりで死んでいく仲間たち でも誰かそばにいて 手をにぎってあげよう」―。子どもの死に触れて感じたことを歌詞に盛り込んだという山田会長(69)は「“死”があってこそ“生”が充実する。良い曲に仕上がったと思う」と強調。看護師を目指しているという吉川さんは「歌にすることで、命の重みを実感できた」と話す。

 全国大会は午前10時半からスタートし、WHPが本年度の活動をまとめたビデオを上映しながら取り組みを報告するほか、「いのちのエッセイコンテスト」の表彰式も行われる。

 午後1時から始まる午後の部のオープニングで、WHPのメンバー60人と山田会長が合唱を披露。日本グリーフケア研究所所長で、同協議会の高木慶子会長が「『いのち』それは愛する力」と題して、ノンフィクション作家の柳田邦男さんが「生きなおす力を求めて」と題してそれぞれ講演する。大会の入場料は500円。(稲船優香)



◎函館百年ラーメン市内18店で提供開始

 函館市内や近郊のラーメン店18店でつくる「函館未来らーめん研究会」(木村恵輔会長)は14日から、各店がそれぞれに創意工夫を凝らした塩ラーメン「函館百年ラーメン」の提供を始めた。

 函館の特産・スルメイカでつくる「いかぶし」を必ず使った塩ラーメンであることを共通ルールにしたほかは、各店の持ち味を生かしてもらうことにした。

 各店はポスターを掲げて新ラーメンをPR。今後は統一したのれんや地図付きのチラシ製作、スタンプラリーの計画も予定する。

 木村会長は「共通のテーマを持ちながら、各店が違うメニューを提供することで、お客様にさまざまな味を楽しんでもらえるし、各店の魅力も引き出せる。函館塩ラーメンの可能性も広がる」と期待を込めた。

 同研究会は今年8月27日、各店の個性を生かした新しい函館ラーメンを開発し、地域活性につなげようと発足。木村会長によると、市内での塩ラーメンの需要は減少傾向にあるといい「活動をきっかけに函館の塩ラーメンを地元の人に食べてもらい、函館の塩という魅力の再発見につなげたい」と意気込んでいる。

 価格は、各店共通で850円(税込み)。(半澤孝平)



◎湯川海水浴場廃止へ/ネットの更新に2億円

 函館市議会第3回定例会は15日も一般質問を継続し、6氏が登壇した。函館市教委は、本年度でネットの使用可能期間を迎えた湯川海水浴場(根崎町)について「利用者の数に関係なく設置経費に毎年約4000万円、ネットの更新に概算で2億円要することなどから、同海水浴場を維持することは難しい」とし、廃止やむなしとの考えを示した。10月中に最終決定する。

 道畑克雄氏(民主・市民ネット)への答弁。

 同海水浴場は全国唯一のネット式海水浴場として1995年に開設。引き潮が強く沖に流されないよう、長さ75メートル×幅110メートルのネットで遊泳区域を囲んできたが、2010年の強度調査で、最も傷みが激しい陸側のネットの使用は本年度までと診断されていた。

 ネットは毎年シーズン終了後引揚げ、破けた部分をパッチワーク式に補修しているが、補修個所の割合が本来のネットの過半を占める状態だった。

 また、今年の撤去作業時には例年より多くの損傷部が見つかったほか、これまで目立った損傷の報告がなかった沖側のネットにも破けたりすり切れた箇所があり、新調するには2億円を超えるコストがかかるとした。

 市教委はこれまでも東部4町村の海岸を含め海水浴場となり得る適地を検討。しかし、安全性、駐車場の確保や公共交通機関の利便性などに問題があることから、市内での新たな海水浴場設置は困難との見解を示している。市教委の川村義浩生涯学習部長は「安全性の確保上、今後このままネットを使用することは難しい。既存の入舟町前浜海水浴場の利用状況に応じ、安全性や利便性の向上に努めることが必要」と述べた。


◎JR函館駅2階イカすホール、10月3日で廃止

 JR北海道函館支社は15日、JR函館駅2階の多目的ホール「イカすホール」を10月3日で廃止すると発表した。同駅商業ゾーンのリニューアルに伴うもので、開設から約10年で幕を閉じることになる。

 同ホールは2004年4月にオープン。面積約90平方メートルで絵画や写真の展示など、市民団体に幅広く活用された。同支社によると、昨年は32件の利用申し込みがあったという。

 同支社は現在、新規申し込みの受け付けを終了しており、同2日に開催する、文化施設などを夜間に公開するイベント「はこだてカルチャーナイト」での利用が最後となる。

 児童・生徒を対象とした「ふるさと写真コンクール」の応募作品を毎年、同ホールに展示していた函館の歴史的風土を守る会の新城光正さんは、「市民はもちろん、観光客にも見てもらえる貴重な場所だったので、なくなるのは惜しい」と残念がる。

 また、同ホールに隣接する「船と鉄道の図書館・いるか文庫」は改装工事期間、休業となる。(山田大輔)