2015年9月17日 (木) 掲載

◎道新幹線、来年3月26日開業

 JR北海道とJR東日本は16日、北海道新幹線新函館北斗―新青森間(約149キロ)を来年3月26日に開業すると発表した。運行本数は1日13往復とし、このうち、10往復が新函館北斗―東京間を直結する。途中停車駅や4時間を切るかどうかが焦点となっている新函館北斗―東京間の最速時間については、関係各社で調整を進め、年内に発表する。

 札幌市のJR北海道本社で行われた記者会見で、JR北海道の島田修社長とJR東日本鉄道事業本部の赤石良治営業部長が明らかにした。開業日を3月下旬としたことについて島田社長は「開業に向けた工程を確実にこなすことに加え、冬時期の開業には課題があり、できるだけ3月の遅い時期にしたかった」と説明した。

 運行本数は、新函館北斗―東京間の10往復のほか、仙台、盛岡、新青森の各駅と新函館北斗駅を結ぶ列車が各1往復運行する。列車名は、新函館北斗と東京、仙台をつなぐ便が「はやぶさ」、盛岡、新青森と結ぶ便は「はやて」となる。車両は、JR北海道の「H5系」(10両編成、定員731人)に加え、基本構成が同じで、JR東日本が所有する「E5系」を使用する。

 北海道新幹線は、青函トンネルを含む約80キロが、全国で初めて貨物列車との共用区間となる。このため、JR北海道はダイヤ編成に向けて、JR貨物など関係機関と大詰めの協議を行っており、調整がつき次第、新函館北斗―東京間の最短所要時間などを発表する見通しだ。

 また、木古内駅、奥津軽いまべつ駅の停車本数や、函館、宇都宮両市が要望している宇都宮駅の停車などについても、12月までに正式発表を行う。

 島田社長は、「北海道新幹線を予定通り、安全に開業させることに全力を挙げたい。開業をきっかけに新たな交流や連携が道内全域に拡大し、新幹線時代の到来を実感できるように盛り上げていきたい」と抱負を述べた。(山田大輔)



◎新駅のまち 祝福ムード

 【北斗、木古内】北海道新幹線の開業日決定を受け、北斗市と木古内町では16日、記念セレモニーが行われた。

 北斗市では高谷寿峰市長、池田達雄市議会議長、宮崎高志市北海道新幹線建設促進期成会会長、市公式キャラクター「ずーしーほっきー」が市役所正面外壁に設置した横断幕(10・8メートル×1・15メートル)の除幕を行った。また、市役所前に設置しているカウントダウンボードが、開業まで「192」日と新しい数字に書き換えられると、駆け付けた約100人の市民から拍手が沸き起こった。

 この後、高谷市長やずーしーらは新函館北斗駅前に移動、南口前に置かれている大型カウントダウンボードの数字を入れ替える作業をした。

 木古内町では、JR木古内駅前に設置しているデジタル式のカウントダウンボードの点灯や、町役場3階の窓ガラスに正式な開業日が掲示されるなど、まち全体がお祝いムードに包まれた。

 新駅舎前には、町公式マスコットキャラクター「キーコ」と木古内観光をPRする女性グループ「キーコガールズ」が登場。キーコが独自に行っていた手動カウントダウンボードと、これまで見えなかったデジタル式のカウントダウンボードの日付をお披露目し、正式な開業日を祝っていた。(山崎大和、斎藤彩伽)



◎アクセス列車1日16往復

 JR北海道は16日、来年3月26日の北海道新幹線開業に合わせ、函館―新函館北斗間を結ぶアクセス列車「はこだてライナー」を1日16往復運行すると発表した。また、函館―札幌間の特急「スーパー北斗」「北斗」は、現在の9往復から12往復に増便する。一方で、特急「スーパー白鳥」「白鳥」(いずれも函館―新青森)と急行「はまなす」(札幌―青森)、寝台特急「カシオペア」(札幌―上野)の運行は、来年3月で取り止める。

 はこだてライナーは、すべての北海道新幹線と接続を図り、函館―新函館北斗間を最短17分で結ぶ。通常時は3両編成(定員441人)で運行し、開業時や繁忙期は6両編成として、輸送力の強化を図る。

 函館―札幌間の特急列車は、新函館北斗駅を早朝、深夜に発着する便を除いたほとんどの新幹線に接続し、利用客の利便性を図る。

 一方、カシオペアの廃止で、本州と北海道を結ぶ寝台特急は全て姿を消す。新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更により、客車をけん引する現在の機関車が使用できなくなるためで、はまなすも同様の理由で廃止となる。

 ただ、1999年デビューのカシオペアをめぐっては、運行期間が16年とまだ短いこともあり、JR東日本鉄道事業本部の赤石良治営業部長は「廃車する計画はなく、本州内で走らせるなど活用方法を考えたい」としている。


◎函館市、高齢者インフルワクチン接種、自己負担額値上げへ

 函館市議会第3回定例会は16日も一般質問を継続、7氏が質問に立った。市保健福祉部は10月から行う高齢者インフルエンザワクチン予防接種事業に関し、本年度から使用するワクチンの価格上昇に伴い、これまで1000円としていた自己負担額を値上げする方針を明らかにした。

 池亀睦子氏(公明党)の質問に、藤田秀樹保健福祉部長が答えた。

 高齢者のインフルワクチン予防接種は市内に住む65歳以上と、身体障害者1級相当の機能障害を持つ60~64歳を対象に2001年度から実施。10月1日から12月31日までを実施期間として、自己負担額は事業開始当初から1000円を維持してきた。

 一方で、厚生労働省は本年度から、これまでのインフルエンザ3種類に対応するワクチンに代わり、過去の流行状況を踏まえて4種類に対応するワクチンの導入を決定している。

 「自己負担額に変更があるのか」とただした池亀氏に対し、藤田部長は「本年度から使用されるワクチンは従来の価格より高くなる。自己負担額は上げざるを得ない状況」との見解を示したが、上昇幅については言及しなかった。また、市民税非課税世帯はこれまで通り自己負担を免除するとした。(千葉卓陽)