2015年9月19日 (土) 掲載

◎ロケットの一部?漂流 戸井の河口で発見 通常は洋上で回収

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたロケットの一部とみられる白い板状の物体が18日までに、函館市戸井地区浜町の河口で複数見つかった。関係者によると海から漂流してきた可能性が高いという。

 函館空港事務所などによると、物体は4つ発見され、最大で2メートル×2・5メートルほど。11日に住民から通報を受けた函館海上保安本部が回収し、航空機の翼に似ていたことから、同事務所に連絡。函館空港を利用する国内外の8航空会社に確認していたが、航空機の破損などはなかった。

 その後の同事務所などの調査で、この物体はロケット打ち上げ時に振動や大気中の摩擦熱を人工衛星から守る、耐熱性の特殊素材の「フェアリング」と呼ばれる部分の可能性が高いことが判明。JAXAホームページによると、通常太平洋上の安全な区域に落下、洋上回収されているという。

 関係者によると、地域住民はこの物体を5年ほど前から把握し、河口付近で土砂が崩れないようについたてのように使っていたという。同ホームページではフェアリングの活用方法を公募するコーナーもあり、宇宙の最先端技術が意外な形で使われていたともいえそうだ。 (田中陽介)



◎「ゆめぴりか」「きたくりん」全量1等に格付け

 【七飯】JA新はこだて(畠山良一組合長)は18日、2015年産新米の初検査を七飯基幹支店農産物検査場で行った。町内産「ゆめぴりか」と「きたくりん」の計12・6トンが全量1等に格付けされた。

 同JA管内で最も早い検査で、出荷したのは同町鶴野の工藤誠一さん(47)。JAの検査員が袋からサンプルを抜き出し、水分含有量や整粒歩合、粒ぞろいを調べた。1等の認定を受け、畠山組合長が工藤さんにお祝いの品を手渡した。新米はホクレンを通じ全道に出荷、大型連休中にも店頭に並ぶ。

 工藤さんは11ヘクタールに5品種を作付け、今月1日に収穫を始めた。作業は10月上旬までかかるといい、工藤さんは「今年は高温障害もなく、品質は良好」と話した。

 全国の14年産コメ価格は過去最低水準まで低下したが、15年産は生産調整が始まって以来初めて過剰作付けが解消される見通しとなり、新米価格は値上げに転じている。同JAが生産者に支払う概算金も前年を上回るという。道南ブランド米「函館育ちふっくりんこ」は10月1日から店頭販売を予定している。 (山崎大和)



◎ガソリン上昇「遠出は我慢」 秋の行楽に影響

 このところ値下がり傾向にあったガソリン価格が9月半ばに上昇傾向に転じた。函館市内の主なガソリンスタンドでは、16日からフルサービスでレギュラー1リットル135円、セルフは132円で販売。19日からの秋の大型連休の行楽にも影響がありそうだが、期間中の価格は現状維持となる見通しだ。

 経済産業省・資源エネルギー庁が16日発表した石油製品価格調査結果によると、レギュラーガソリンの1リットルあたりの平均価格は135・4円で、10週ぶりに値上がりに転じた。中国への景気期待感から原油価格が上昇したためだ。

 市内の小売業者の担当者は「9月に入ってから値上がりの傾向はあるが、ひとまず連休中は価格の変動はないのでは」とする。

 石油情報センター(東京)は「ここ最近は中国の経済が減速した分、原油価格が低下していた。ただ、中国が元を切り下げたことで景気期待感が高まり、前週から値上がりに転じた」と説明。今後の見通しについて「来週末にかけて大幅な変動はないだろう」とみている。

 市内では18日現在で1リットル125円を切る店舗もあるが、昨春の消費税増税から消費者の節約志向に変わりはなさそうだ。毎回1週間分と決めて給油している50代女性は「連休中、車で遠出したい気持ちはあるが我慢します」と話し、普段からも燃費が悪くなるような運転は控えているという。

 一方、市が市内の卸・小売29店を対象に11日に行った価格調査によると、 家庭用灯油(1リットルホームタンク用)は平均79・88円(前月比2・51円安)、軽油1リットルで同114・48円(同5・61円安)、重油1リットルで同78・64円(同3・68円安)と値下がり。プロパンガスは5立方メートル平均で5956・45円(同20・9円高)、10立方メートルで9724・75円(同38・1円高)と値上がりした。  (蝦名達也)


◎日本一へ自慢ののど披露 江差追分全国大会が開幕

 【江差】第53回江差追分全国大会(江差追分会、江差町主催)が18日、江差町文化会館(茂尻町)で開幕した。19回目となる熟年(70歳以上)、少年(中学生以下)の全国大会も同時に行われ、各地区の予選を勝ち抜いた433人が追分日本一を目指し、日頃鍛えたのどを競う。20日まで。  初日は開会式の後、熟年と一般の予選が行われ、それぞれ169人、185人がエントリーした。出場者が尺八奏者とソイ掛けを従え次々と舞台に登場。緊張した面持ちながらも情感豊かに江差追分を唄った。

 19日も熟年、一般の予選が行われるほか、少年の予選もスタート。午前11時半には、少年少女による江差追分の大合唱が披露される。

 最終日の20日は熟年、一般の決戦会が行われ、それぞれの優勝者が決まる。インターネット中継は「江差追分全国大会ライブ」で検索。問い合わせは大会本部(℡0139・52・6510)へ。(鈴木 潤)