2015年9月2日 (水) 掲載

◎ダイエーからイオンに、道南初進出

 総合スーパーのイオンが1日、ダイエーから上磯店と湯川店の運営を引き継ぐ形で道南進出を果たした。「グルメシティ」柏木店、弁天店、万代店の3店も「マックスバリュ」に生まれ変わり、オレンジ色の看板で親しまれた店舗は新たなスタートを切った。

 流通大手のイオン(千葉)は4月、完全子会社のダイエーが持つ道内16店舗を、傘下のイオン北海道(札幌)とマックスバリュ北海道(同)に運営を移す意向を示していた。

 道南では、1日付けでダイエー2店舗がイオンに、グルメシティ3店舗がマックスバリュとなった。グルメシティ深堀店は店舗の老朽化に伴う建て替え工事のため、8月31日で一度閉店し、来年の改装オープンを目指す。

 1日は、イオン両店で火曜日恒例の特売「火曜市」を開催し、開店から多くの人でにぎわった。函館市西桔梗町の主婦、中川幸子さん(38)は「品ぞろえも変わらず安心した。家が近いのでこれからも利用したい」と話していた。現在は両店ともダイエーの看板を掲げて営業。24日までにイオンの看板に切り替えるという。

 前身のダイエーから引き続いて上磯店の責任者を務める森敏男店長は「ダイエーの良さを生かしながら、新生イオンとして地域の皆さんに愛される店舗をつくっていきたい」と意気込んでいる。

 同社は、2001年に函館市西桔梗町、12年に七飯町峠下で、大型ショッピングセンターの出店を計画したが自治体や地元経済界からの反対を受けて断念していた。(金子真人)



◎宝来町会、グランドホテルと協定…防災の日

 防災の日の1日、函館市の宝来町会(福原義正会長)は、函館グランドホテル(佐賀勇悦総支配人)と津波の発生時に避難ビルとして使用する協定を結んだ。同ホテルで行われた締結式では、福原会長と佐賀支配人が協定書に調印し、地域一丸となって災害対策に取り組んでいくことを確認した。

 同町内で避難場所に指定されている青柳小学校と潮見中学校の2カ所はともに高台にあり、高齢者の割合が多い住民の避難に時間がかかることが想定されるため、同町会が一次避難先として同ホテルの使用を要請していた。有効期間は来年3月31日までで、両者から申し出がない場合は延長する。

 佐賀総支配人(51)は「東日本大震災級の津波が津軽海峡沖で発生した場合、この地域は約1㍍浸水するといわれている。万が一の時に住民の役に立ちたい」と話し、福原会長(73)は「新しい避難場所ができることで、町会員も安心する。災害対策に民間のホテルが協力してくれたことに感謝している」と話していた。

 市町会連合会防災部では「町会がホテルと直接協定を結ぶのは初めてではないか」としている。(能代俊貴)



◎函教大前の交差点改良工事着手

 昨年6月に死亡事故が発生した函館市八幡町の道教育大函館校前の交差点で、歩道の新設や拡幅を行う改良工事が本格化している。11月中に完成の予定。一方、同大は現場付近に新たな車両出入り口を設置することを決めた。

 市土木部道路建設課によると、同工事は7月30日に着工。工事のポイントは①交差点の角度を直角に近づけ、車両の交差点進入速度を抑制②事故があった横断歩道を廃止し、横断歩道を2カ所から1カ所に集約③同校の出入り口に歩道を新設した上で低い縁石を設置④横断歩道の横断距離の短縮—の4点。施工延長は127㍍。総事業費は約6000万円。

 道路工事を請け負う斉藤組(中道1)の江刺家賢一工事長(48)は「8月28日から車道の舗装など構造物の撤去を行い、9月下旬に歩道の新設を予定している。交通量が多い道路なので、安全に注意して施工していく」と話していた。

 一方、同大は8月上旬、新しい出入り口を設置するための予算措置を決定。交差点改良工事が完成する前までの設置を目指す。

 新出入り口の設置案では、田家4号線側に幅約7㍍の出入り口をつくり、現在の正門前にある駐車場から出入りできるように、フェンスの撤去、歩道縁石の高さの調整、アスファルトの舗装などを予定。同校では「車両の出入り口が分散することで、歩行者への安全につながる」とみている。

 事故は昨年6月19日午後5時45分ごろ、同校前の交差点で、同校の女子学生が乗用車にはねられ、10日後に亡くなった。(能代俊貴)


◎道が観光タクシー試験運行へ

 来年3月の北海道新幹線開業に向け、道は1日、環駒ケ岳エリアでの観光タクシーの試験運行を5日に始めると発表した。11月29日までの間、事前予約制で運行する。利用客を対象としたアンケートを踏まえた上で、運行の事業化を検討していく方針。

 新幹線開業後の2次交通手段の態勢構築を進める道がJTB北海道函館支店に委託、函館ハイヤー協会を通じてタクシー会社を手配する仕組み。土・日・祝日も運行する。

 料金1台1万円プラン(所要時間6時間半)は、函館市街発の「縄文の歴史探訪としかべ間歇泉(かんけつせん)のたび」、JR大沼公園駅(付近ホテル)発の「北海道の大地を感じるたび」の2つ。同5000円プラン(同5時間)は鹿部、森町内発の「噴火湾ぐるりたび」の2つとなっている。乗車定員は小型4人、ジャンボ9人。アンケートに答えることが条件で、乗車前日まで予約を受け付ける。

 渡島総合振興局は「新幹線開業に伴う滞在人口を増やすため、より良いルートを開発したい」(新幹線推進室)としている。問い合わせ・予約は事務局(TEL080・8627・0976)へ。(山崎大和)