2015年9月24日 (木) 掲載

◎上ノ国の新キャラ「ジバさん」人気です

 【上ノ国】地場産でまちづくり―。今夏、町内のイベントに「ジバさん」を名乗るキャラクターが現れ、個性的な姿と振る舞いで多くの来場者の笑顔を誘った。町の広報誌9月号でも「非常に好評だった」と紹介されるなど、人気は高まるばかり。ジバさんは「皆さんに喜んでもらえるのが一番。今後もオファーがあれば(登場を)考えたい」と前向きだ。

 ジバさんは、人気アニメキャラクターにちなんだ上ノ国町非公式の“妖怪”。町内の匿名男性が8月14日の夏イベント「エゾ地の火まつり」を盛り上げようと、極秘に準備した。愛用する白いシャツとももひきなどで衣装をこしらえ「食紅で色をつけようとしたが染まらず、ラッカースプレーで色付けしたら成功した」という。メークも自ら手掛けて「水性絵の具を使って、鏡を見ながら一発で決めた」と振り返る。

 イベントではクイズコーナーで紹介され、相撲対決で軽快な動きを披露し、会場から大きな歓声が起きた。ステージ終了後も会場を歩き回り、気軽に記念撮影に応じていた。

 町の広報担当の太田垣博之さんは「キャラクターの完成度の高さに驚いた。衣装やメークなども全力で、努力に対する町民の評価が人気を後押ししていると思う」と話し、工藤昇町長も「町民に喜んでもらいたいと考えて行動するその気持ちがうれしい。まちづくりの原点で、上ノ国の財産だと思う」と、今後の活躍に期待している。(田中陽介)



◎遺愛高校に観光庁長官表彰

 日本の観光振興や発展に貢献した個人・団体に贈られる第7回観光庁長官表彰に、外国客船寄港時の通訳ボランティアなどで活躍している遺愛女子高校の受賞が決まった。英語科生徒を中心に2007年度から継続しており、同校は「生徒たちが楽しみにしている活動で、今後の励みにもなる。おもてなしの気持ちを持ってこれからも協力していきたい」と喜んでいる。

 同校の活動は07年5月、函館に寄港実績のある客船では当時最大だった「スタテンダム」の初寄港に合わせて、市が協力を要請。以来、英語科生徒を中心に客船内に設置するインフォメーションデスクの案内役、シャトルバスが到着するJR函館駅前などでの観光ガイド、客船見送りセレモニーの定番となっている「いか踊り」にも参加。制服姿の生徒たちは乗客にも好評で、客船が函館を離れた後も電子メールを通じた交流が生まれるなどしている。

 今年5月の「フォーレンダム」寄港時には、同校へのシャトルバスを走らせ、校舎内で書道や茶道体験などを提供して日本文化の発信にも協力。3年間を通じて生徒たちの英語力向上につながる活動と位置付けている。相川宏泰教諭は「海外留学に向けた練習になったり、大学進学後も英語ボランティアの活動を続けている卒業生もいる。学年を超えた生徒同士のつながりにもなっている」と話す。

 市港湾空港部港湾空港振興課の鶴岡崇男主査は「受賞は生徒たちの頑張りの結果。函館のPRにも大きく貢献してもらっている。これからも継続して協力をお願いしていきたい」と話している。

 同表彰は、魅力ある観光地づくりや訪日外国人観光客誘致などにつながる活動をした個人・団体を選定。本年度は、数多くの鉄道デザインを手がける水戸岡鋭治さん、「立佞武多(たちねぷた)」の復元や海外披露など伝統文化の発展に尽力する青森県五所川原市など、7個人・団体が受賞した。表彰式は10月1日、東京都内で行われる。(今井正一)



◎新幹線開業による効果を試算

 函館市まち・ひと・しごと創生推進会議の委員長を務めた函館工業高等専門学校の奥平理准教授は、17日に開かれた同会議で「交流人口の拡大と経済効果」と題して、予測される北海道新幹線開業効果などを公表した。新幹線の年平均乗車率が30%で、函館の観光客は約27万人増えると試算。定住人口の減少による経済効果の損失は、交流人口の拡大によって一定程度補える―とする試算をまとめた。

 観光客数の増加は、10両編成(定員731人)の新幹線が1日13往復運行する前提で試算。平均乗車率30%での年間利用者は約104万人で、8割の約83万人が函館まで乗り継ぐと仮定した。

 本州から函館までの鉄道利用者数の56万人(2013年度)を差し引いた約27万人が新幹線開業による増加分とし、開業後の来函入り込み客数は年間510万人を見込めるとした。奥平准教授は「仮に15往復になれば530万人に増え、平均乗車率でも数字は変わる」と述べた。

 また、交流人口拡大による経済効果の試算は、立教大観光学部の清水慎一さんの論文を参考とし、定住人口1人当たりの年間消費額を124万円、訪日外国人客1人当たりの消費額を13万7000円、国内旅行者は宿泊客4万8000円、日帰り客1万5000円と設定。定住人口1人の減少分の消費は、外国人10人分、国内宿泊客26人分、日帰り客83人分に相当すると設定した。

 函館の事例に当てはめると、2009~14年の5年間に定住人口は2万4314人減少した。一方で、外国人旅行者が約16万人増えるなどした交流人口拡大分を定住人口に換算すると、2万1245人分に相当。人口減少の損失は実質3069人分まで圧縮できるとした。

 新幹線開業は確実な交流人口の拡大を生み、人口減少分を補える経済効果が期待できると示したが、消費額などは国などの統計を根拠としているため、奥平准教授は「アンケートなどで実際の経済効果を求め、地元に合った数字に直していく必要はある」などと述べた。(今井正一)


◎今年は44団体が参加/はこだてカルチャーナイト

 函館市内の公共施設や民間施設などを夜間開放する「はこだてカルチャーナイト」(実行委主催)が10月2日に開かれる。11回目の今年は44団体が参加。各施設を回ってスタンプを4つ集めると景品がもらえるスタンプラリーも実施する。午後5時半から同9時まで。

 函館商工会議所青年部(齋藤利仁会長)を中心に実行委を組織。普段は見ることができない施設を家族で見学し、地域の文化に触れてもらおうと毎年開催している。

 各施設では体験コーナーなどを実施。五稜郭タワー(五稜郭町)展望台のさらに上にある機械室の公開、函館競輪場(金堀町)のローラー走行体験、道南食品(千代台町)のキャラメル・チョコレートの製造工場見学など、事前予約が必要な施設もある(24日から各施設で電話受け付けを開始し、定員になり次第締め切る)。

 実行委は「貴重な体験ができるイベント。新しい発見をして函館のまちをもっと好きになってもらえたらうれしい」と参加を呼び掛けている。

 参加施設や体験内容は、同会議所(若松町)や参加施設で配布しているリーフレットに記載しているほか、同会議所青年部のホームページでも見ることができる。(金子真人)