2015年9月25日 (金) 掲載

◎連日好天 客足好調 シルバーウイーク

 6年ぶりの5連休となったシルバーウイーク(19〜23日)中、函館市内は爽やかな秋晴れが続き、観光地などは大勢の観光客でにぎわった。宿泊や観光施設の入り込みも好調で、関係者からは「今年のゴールデンウイークよりも良かった」などの声も聞かれた。

 市内の主要観光施設の入り込み客数は昨年の同時期を上回った。函館山ロープウェイ(元町)は、20〜22日の1日の利用客数が1万人を超えるなど、5日間で計5万3343人と好調だった。営業企画室担当者は「天候にも恵まれ、予想よりも多くの利用があった」と話す。

 五稜郭タワー(五稜郭町)の展望台搭乗者数は5日間で2万6254人と、1日平均で5000人を超え、例年の秋の連休時よりも数字を伸ばした。大場泰郎営業部長は「最終日の23日は苦戦したが、全体的にまずまずの数字。5連休の日並びが良かったのでは」とみている。

 また、市内のホテル、旅館は軒並み宿泊予約でいっぱいだった。大町の函館元町ホテル(25室)は連日満室となり、連休中にも問い合わせの電話が相次いだという。「1日に20件もの電話がかかってくる日もあった。毎年5連休にしてもらえたらうれしい」と、遠藤浩司代表。

 レンタカーの利用も好調。ニコニコレンタカー函館駅前店(若松町)では、7月ごろから予約が入り始め、シルバーウイークの1週間前には約40台の予約が埋まった。同店担当者は「個人旅行が増えていることで需要が伸びている。ガソリン安も影響しているのでは」と指摘している。(金子真人)



◎二次交通の整備加速 新駅—函館に快速バス、定期観光新路線も

 北海道新幹線開業まで半年余りとなり、バスによる2次交通の整備に向けた動きが本格化してきた。大阪バスグル—プの北海道観光バス(函館市上湯川町)は来年3月、新函館北斗駅と函館市内を結ぶ快速バスの運行を新たに始める。北都交通(札幌市)は、同駅を起点とした定期観光バスの新路線を開設するほか、函館—札幌間の都市間高速バスを運行する各社は、全てのバスを同駅に乗り入れる計画だ。

 貸し切りバスを運行する北海道観光バスは、路線バス事業に初めて参入する。新路線は、同駅と湯の川温泉を起点とし、五稜郭地区のホテルや函館駅などに停車。1日10本程度運行し、ダイヤは新幹線と接続できるようにする。

 10月末までに道運輸局に申請し、来年3月から運行を始める予定。同社の佐々木元常務は「停留所が少ない快速タイプのバス。重い荷物を持った旅行客が、五稜郭や湯の川のホテルにスムーズにチェックインできるようにしたい」とする。

 一方、市内で定期観光バスを運行する北都交通は、正午ごろに新函館北斗駅を出発し、大沼に向かう便と市内の人気スポットを巡るルートを新設。既存路線の一部も、同駅が始点や終点となるようコースを変更し、観光客の取り込みを図る。

 また、来年3月の北海道新幹線開業に合わせ、函館—札幌間の都市間バス「高速はこだて号」を共同運行する北都交通など3社と、「函館特急ニュースター号」の運行を担う北海道バスなど2社は、全便を同駅に乗り入れる。

 2次交通の整備をめぐっては、函館バスが同駅と市内を結ぶ路線バスを1日100本程度運行する計画を明らかにしているほか、道は9月から、函館と倶知安・ニセコ地区を結ぶ高速バスの試験運行を始めている。(山田大輔)



◎高齢者インフルエンザ予防接種 自己負担1500円に値上げ

 函館市は、毎年10月から3カ月間実施している高齢者インフルエンザワクチン予防接種で、本年度から自己負担額を500円値上げし1500円とすることを決めた。本年度からのワクチンの変更に伴うもので、市立函館保健所は「負担額は増えるが、これまで以上の予防効果が期待できる。積極的に受診して欲しい」としている。

 同予防接種は2001年度から実施。市内在住の65歳以上と60〜64歳で心臓やじん臓、呼吸器などに障害がある人(身体障害者手帳1級相当)が対象で、自己負担額は昨年度まで1000円としてきた。

 ワクチンは毎年度、厚生労働省が流行の主流となるウイルスを予測し、製造株を決定している。昨年度まではインフルエンザ3種類(A型2種類、B型1種類)に対応するワクチンを使用。本年度は国内の流行状況や世界のワクチン動向を踏まえ、B型を1種類追加し、4種類に対応するワクチンを導入する。

 同保健所によると、これまでB型に対応するワクチンは、毎年国が2種類のうちどちらか1種類のみを適用してきた。ただ、全国的にB型のウイルスが2種類混在して発症するようになったことから、予防範囲を拡大するため新型のワクチン導入を決定した。

 昨年度は対象者約8万3800人中、半数を超える約4万3200人が受診。市民税非課税世帯(生活保護世帯を除く)はこれまで通り自己負担を免除する。希望者は10月1日から12月31日までに、市内の委託医療機関(約170機関)で個別接種する。(蝦名達也)


◎節目の公演 練習に熱 函館MB合唱団来月12日創立45年記念演奏会

 創立45年を迎えた函館MB混声合唱団(伊藤喜久雄理事長)は10月12日午後2時から、函館市民会館(湯川町1)の大ホールで記念演奏会(函館新聞社など後援)を開く。中学生から85歳までの団員50人に、公募の市民ら特別団員を加えた計105人が出演。世界三大レクイエムの一つ、モーツァルトの「レクイエムKV626」などを奏でる。

 第1ステージでは、常任指揮者大村義美さん、ピアノ畑中佳子さんで「混声合唱曲集『秋の女よ』より『ピアノ伴奏による5つのうた』」(大中恩作曲)をMB合唱団の団員が披露。第2ステージでは、元札幌交響楽団指揮者の末広誠さんがレクイエムのタクトを振る。

 レクイエムは、死者を追悼するためのミサ曲。モーツァルトが35歳で他界する直前まで筆を執ったことで知られる。MB合唱団は1994、98年と2回演奏しており、今回が3回目のお披露目となる。

 今年1月から、函館のヴォーカルグループ「アンサンブル・ノイン」の代表畑中一映(かずてる)さんの指導で練習に励み、うち3回は末広さんを招いてリハーサルを行った。今回共演する函館市民オーケストラ(村本淳一団長)と共に、荘厳なハーモニーの仕上げに余念がない。

 創立当時からのメンバーでもある伊藤理事長(75)は「レクイエムは、MB合唱団を創立した故・石見普二男さんが愛した、節目にふさわしい大曲。一生懸命歌い、函館を元気にしたい」と意気込んでいる。

 チケットは前売り1500円、当日2000円。高校生以下無料。前売りで完売した場合、当日券はない。市民会館、市芸術ホール、松柏堂プレイガイド各店、河合楽器製作所函館店で取り扱っている。問い合わせは菱谷(ひしや)さん(TEL0138・52・7456)へ。(稲船優香)