2015年9月26日 (土) 掲載

◎浜桂子さんが函館舞台の新曲「別れの海峡」

 高知県を拠点とする歌手浜桂子さんが、函館を舞台にした新曲「別れの海峡」を徳間ジャパンコミュニケーションズから発売した。作詞は市内在住の梶原佑倖さんが「高橋操」名義で担当した。浜さんは「ずっと残る歌にしていきたい」とPRしている。

 浜さんは高地県南国市出身で今年がデビュー30周年。2年前に新幹線で偶然乗り合わせた梶原さんと意気投合し、昨年12月に初めて函館を訪れた。「海霧が立ちこめている風景や小雪がちらつく中でみた夜景がきれいでとりこになった」と話す。

 梶原さんが短歌の投句を趣味にしていることを知り、函館を舞台にした歌詞を書いてほしいと依頼。歌は「想いを散りばめ 煌(きら)めく夜景」で始まり、立待岬、五稜郭など函館の情景に男性を思う女性の心情を重ねた。浜さんは「歌詞の一字一句すべてが好き。詞が良くなければ歌い手も力が入らない。いい曲とアレンジもついてきた」と新曲の手応えを話す。

 梶原さんは昭和の古き良き時代の景色や今も変わらない函館の人々の思いを込めたという。偶然の出合いが生み出した曲について「函館の名前が入った歌ならと引き受けた。曲の仕上がりに感激しました」と話す。

 浜さんは10月7日まで市内に滞在予定で、新曲のPR活動を行う。浜さんは「歌いやすいのでカラオケで広めてもらえたら」としている。CDは1204円(税抜き)。(今井正一)



◎恵山噴火に備え火山活動学ぶ

 活火山・恵山(618メートル)に関する知識の向上を図るため、市と函館地方気象台は25日、恵山登山研修会を行った。関係機関が合同で登山研修を行ったのは初めてで、函館開発建設部や海上自衛隊、道警など6機関から27人が参加、火口周辺や観測地点で、恵山の火山活動について学んだ。

 研修では、同気象台の山岸晋火山防災官が恵山の構造について説明。熱映像装置や観測した噴火の温度を基にX、Y火口(通称・小地獄、大地獄)について「小さい噴気孔が複数あり、現在も高温の火山ガスが出ている」とした。Z噴気地帯は「地表に高い温度の場所があり、草木が生えづらい状態になっている」と説明。その後、柏野観測点(旧恵山小学校)に移動し、地震計や傾斜計などの設置状況についても紹介した。

 市は今年3月、市防災会議内に恵山火山対策部会を設置、本年度中に避難計画を策定する。気象台は新たに火口監視カメラなど4種4機の観測機器の増設を予定している。

 気象台によると、恵山は約8000年前にマグマ噴火し、恵山溶岩ドームなどを形成。1846年の噴火で発生した火山泥流により多数の死者が出る被害があったという。常時観測が開始された2005年以降は目立った活動はなく、噴火の兆候も確認されていないという。

 市の三原克幸総務部参事は「実際に噴煙が上がっているところなどを見ることで、活火山であることをあらためて認識できた。今後の避難計画を進める上で大事な研修になった」と話していた。(能代俊貴)



◎棒二森屋の地下食品館開業

 函館市若松町の百貨店、棒二森屋は25日、大規模改装中だった地下1階の食品館をグランドオープンした。4事業者が新たに出店し、総菜・弁当の売り場を大幅に拡充。岩岡正剛店長は「新幹線開業を見据え、函館や近郊の食の魅力を発信していきたい」と意気込む。

 リニューアルに伴う新規出店は、地元コンビニチェーンのハセガワストア、料亭の寿々半(本町)、カフェのマルセン(大手町)、明治屋産業(福岡県)が全国展開する精肉店の壱丁田。

 このほかにも、魚長食品がこれまでの鮮魚販売に加え、総菜の量り売りや握りずしの提供を開始。函館カールレイモンはアネックス館地下1階に移転し、新たに焼きソーセージやサラダなどの販売を始めた。

 25日は午前10時の開店と同時に大勢の人が詰め掛け、新たに生まれ変わった店内で買い物を楽しんでいた。新川町の主婦、坂下優子さん(42)は「家が近いのでよく利用している。函館では見たことのない商品も増えてうれしい」と話していた。(金子真人)


◎新駅―空港 バス路線開設…函館タクシー

 函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)が、来年3月26日の北海道新幹線開業に合わせ、新函館北斗駅―函館空港間を結ぶバス路線を新設することが、25日までに分かった。年内に道運輸局に申請する見通しで、新幹線で道南を訪れ、空路で他の地域へ向かう観光客などの需要を見込む。

 新路線は、宿泊施設の多い五稜郭や湯の川温泉を経由し、同区間を約70分で結ぶ。途中の停留所は3カ所程度に絞り、速達性を重視する狙いだ。当面は1日5往復10便の運行とし、新幹線の発着時間に合わせてダイヤを編成する。

 同社は、函館空港とJR函館駅などを結ぶ連絡バスを50年以上運行しており、「ノウハウを新路線に生かし、利用客数を見ながら、増便も検討したい」としている。

 新函館北斗駅からバスで乗り継ぐ2次交通をめぐっては、函館バスが、市内への路線バスを1日100本程度運行するほか、北海道観光バスは、湯川方面に向かうルートを開設する計画を明らかにしている。(山田大輔)