2015年9月27日 (日) 掲載

◎道高校ラグビー南選手権ラ・サール初優勝

 ラグビーの第68回道高校南・北選手権大会兼第95回全国高校大会道予選会(道高体連、道教委、道ラグビーフットボール協会主催、函館新聞社など後援)の南大会決勝戦が26日、函館市根崎運動公園ラグビー場で行われた。函館ラ・サールは大会15連覇中の強豪・札幌山の手を22—12で下し、12月27日に東大阪市花園ラグビー場(大阪府)で開幕する全国大会に初出場を決めた。

 ラ・サールは前半、先制されたものの、すぐに1トライを返し5—7で折り返した。後半は堅い守備で相手の突破を封じると、全員でボールをつなぎ2トライを挙げる攻撃力で札幌山の手を圧倒し、悲願の大会初優勝を飾った。

 函館勢の花園出場は、札幌山の手の連覇が始まる前年の1999年、函大有斗が南大会を制した第52回大会以来、16年ぶり。大会終了後には選手や関係者に大きな喜びが広がった。 (小杉貴洋)



◎観光交流センター オープン向け準備着々

 【木古内】町が北海道新幹線開業に伴うJR木古内駅前周辺整備のメーン施設として建設し、来年1月にオープンする観光交流センター「みそぎの郷きこない」(本町338)の報道向け見学会が26日、同センターで開かれた。来年3月26日の開業までちょうど半年と迫った中、「道の駅」の登録を目指し、周辺の駐車場や機材の設置など着々と準備が進んでいる。

 同センターは渡島4町、桧山5町の計9町による広域観光の拠点として、各町の特産品など約400点を販売する。昨年9月に着工し、今年9月1日に完成。2128平方メートルの敷地に、鉄骨造平屋建て843・3平方メートルを整備した。事業費は約4億円。

 地元産の道南スギが持つ色合いや香りを活用し、木のぬくもりに包まれる内装。メーンエントランスを抜けると、町の伝統神事「寒中みそぎ」の由来となった故事に登場する羽衣や、波をイメージした和紙製のオブジェが出迎える。向かいには、観光コンシェルジュ2人が駐在する観光案内所とレンタカーカウンターを配置した。

 交流スペースは利用者がゆったりと過ごせる広々とした空間で、子どもたちが杉玉4500個で遊べる木育用のプールも設備。寒中みそぎを紹介するシアターや歴史パネルもある。

 世界的に活躍する料理人・奥田政行シェフが監修した道南食材を味わえるレストラン「どうなんde’s Ocuda Spirits」は4人、8人用の個室もあり、40席以上でくつろげる。また、24時間対応のトイレも整備。女性用は授乳室やパウダールームも併設している。

 10月からは指定管理業務が開始。センター長となる町まちづくり新幹線課の浅利文博さん(64)は「やっと7合目まで来た。9町の魅力が伝えられるように、今後も準備を進める」と意気込んだ。 (斎藤彩伽)



◎「洞爺丸台風事故」遺族会解散へ 最後の慰霊法要に60人

 【北斗】1954年9月26日に発生した洞爺丸台風事故の犠牲者をしのぶ62回忌の慰霊法要が26日、北斗市七重浜の「台風海難者慰霊碑」前で開かれた。主催団体の青函連絡船殉職者遺族会の富樫淳次会長(76)は本年度末で遺族会を解散すると表明。法要は今回で最後となる。

 実働会員が高齢化し、組織維持が困難になってきたのが理由。近年は函館市内に在住する富樫会長ら7人が函館仏教会の協力を受けながら法要の準備、運営に当たっており、参列する遺族も年々減少していた。会員は全国各地に700人ほどいるとみられているが、「すべて掌握できる状態にない」(同会長)という。もともと60回忌の節目で終わる予定でいたが、来年3月26日の北海道新幹線開業を迎えるまで続けようと、内部で申し合わせていた。

 雨の降る中行われた法要には、乗組員の遺族ら約60人が参列。僧侶が読経する中、参列者は碑に手を合わせ焼香した。

 あいさつで富樫会長は「海難事故をきっかけに青函トンネルが掘られ開通した。来年3月には北海道新幹線が開通し、新たな歴史を迎える。これを一つの契機に遺族会も解散したい」とし、法要も今回で最後とする意向を示した。来賓で参列した逢坂誠二衆院議員(民主党)は「洞爺丸の惨事は忘れてはならない。これからも後世に語り継がなければならない」と述べた。

 母と生後間もない弟を事故で亡くし、20年以上にわたり毎年参加している佐賀県小城市の唐島佳仁さん(64)は「これで終わりと聞き、非常に寂しい」と目頭を潤ませた。この日はまた、慰霊碑に近い七宝寺(七重浜)でも法要が行われ、遺族ら約50人が犠牲者の冥福を祈った。

 洞爺丸台風の海難事故は函館湾上にいた同船をはじめ5隻が台風のため沈没。多くの遺体が七重浜に打ち上げられ、死者、行方不明者1500人余りに達した。  (鈴木 潤)


◎障害者と作品楽しむ ユニバーサル映画祭開幕

 【北斗】音声ガイドや要約筆記などを施した、ユニバーサルデザイン仕様の会場で映画を観賞する「第10回北海道ユニバーサルデザイン上映映画祭」(実行委など主催)が26日、北斗市総合文化センター(中野通)で開幕した。27日まで。

 初日は人形アニメーション「くるみ割り人形」(増田セバスチャン監督)、介護を題材にした喜劇「ペコロスの母に会いに行く」の2作品を上映したほか、中高生の体験プログラム、シンポジウムが行われた。

 体験プログラムでは函館水産高校の生徒が上映中の画面に字幕の挿入や音声ガイドに挑戦。また、七飯中の生徒は障害者とともに映画を観賞した。

 シンポジウムではNPO法人「自立の風かんぱす」の横川由紀代表と映画監督の佐々部清さん、厚労省の藤井康弘障害保健福祉部長の3人が「障がいのある人もない人もみんなで楽しむ映画祭」をテーマに意見交換した。

 27日は佐々部監督の作品特集として「チルソクの夏」(午前10時20分開演)、「群青色の、とおり道」(午後1時40分開演)を上映。「群青色の—」の上映後には主演の俳優、桐山漣さんと佐々部さんのトークショーが予定されている。当日来場の観賞料金は1000円、高校生以下無料。 (鈴木 潤)