2015年9月29日 (火) 掲載

◎函館駅前に開業カウントダウンモニュメント設置

 函館市などでつくる市新幹線開業記念イベント実行委員会は28日、JR函館駅前に開業日までの残日数を刻むカウントダウンモニュメントを設置した。2016年3月26日の開業まで残り180日となり、函館の玄関口でも開業ムードが加速。工藤寿樹市長は「函館にとって『第二の開港』。市民とともに厚くおもてなしをして、2度、3度と来ていただく努力をしていきたい」と述べた。

 モニュメントは、市と協働・共創のまちづくり協定を結ぶサッポロビールが寄贈。高さは3メートル90センチ、幅1メートル20センチ、奥行き60センチ。残日数表示のほか、H5系車両やPRキャラクターの「どこでもユキちゃん」が描かれ「夢がいよいよ、海を越える」と書かれている。

 除幕式で、同社北海道本部道南支社の古川光偉千支社長は「無事に開業日を迎えられるよう、ふるさとの活性化により一層取り組んでいく」と述べ、工藤市長に目録を手渡した。工藤市長は「開業によって多くの皆さんが函館に来ると期待している。函館を中心に広い圏域で楽しんでもらえるよう、受け入れ態勢を整えたい」と力を込めた。

 工藤市長、古川支社長、JR北海道函館支社の安藤健一支社長らにより、モニュメントの幕が外されると、見守った市民や観光客らからも拍手が沸き起こった。早速、駅舎をバックにモニュメント前で記念撮影を行う観光客の姿も見られた。(今井正一)



◎函館商工会議所120周年で式典

 函館商工会議所(松本栄一会頭)の創立120周年記念式典が28日、函館市内のホテルで開かれた。会員や来賓ら約500人が出席。節目の年を盛大に祝うとともに、北海道新幹線開業を契機とした地域経済の発展に向け、決意を新たにした。

 同会議所は1895年9月29日に設立。北海道初、全国で41番目の商業会議所として発足した。1928年に函館商工会議所に改称。2010年に第25代会頭として就任した松本会頭は「南進政策」を掲げ、企業の本州進出や青函連携に力を入れている。

 式典で松本会頭は、「地域の悲願だった北海道新幹線が来年3月26日に開業する。商工会議所が先頭に立って関係機関と手を組み、道内各地域や東北・北関東などとの広域連携による商圏拡大に取り組みたい」とあいさつ。

 来賓の高橋はるみ知事は「新幹線の開業効果を地域の発展につなげていくために、商工会議所の役割には一層期待が寄せられている」、道商工会議所連合会の高向巌会頭は「地方創生の実践に向けてさらに結束を強め、従来にも増して活発な事業を展開してほしい」とそれぞれ祝辞を述べた。

 式典後には、日本総合研究所の寺島実郎理事長が「時代の潮流と日本の進路」と題して記念講演を行ったほか、祝賀会も開かれた。(山田大輔)



◎大沼公園の橋5基改修へ

 【七飯】来年3月26日の北海道新幹線開業に向け、渡島総合振興局は11月、大沼国定公園大沼園地の湖月、金波、袴腰、日の出、浮島の橋5基で大規模改修工事に着手する。老朽化のため、コンクリートのひび割れやさびが目立っており、開業前に補修が完了する。美しさを取り戻した橋で公園の魅力を高め、観光客を取り込む考えだ。

 大沼湖畔のカフェレストラン「ターブル・ドゥ・リバージュ」付近から小島に架かる5基で、湖月橋(長さ26メートル、幅2・4メートル)、金波橋(34・4メートル、2・7メートル)、袴腰橋(11・7メートル、2・7メートル)、日の出橋(8・4メートル、2・4メートル)、浮島橋(15メートル、2・4メートル)。いずれも築40年以上のコンクリート製で手すりや橋脚、欄干などに傷みが生じ、景観上問題になっていた。

 湖月、金波、袴腰、日の出の4橋は道単独事業で、11月4日に橋を通行止めにして工事を始める。浮島橋は国からの交付金を受け、12月から工事に乗りだす計画だ。5基とも工期は3月10日までとし、工事費は約1億4000万円を見込んでいる。

 小島に架かる橋は全部で11基あるが、既に6基の補修が完了、開業前に全基が美しく生まれ変わる。開業効果で大幅増が期待される観光客を大沼に引き付けるための目玉事業と位置付けており、同振興局は「開業に間に合わせて工事を行う。きれいになった橋で多くの観光客を迎えたい」(環境生活課)としている。

 また、函館建設管理部は本年度、車椅子利用者が通行しやすいよう、公園広場近くの釣り堀前75メートルと西大島橋付近28メートルの舗装工事を予定している。(山崎大和)


◎函館市が10月から女性相談窓口

 函館市は10月1日に、妊娠や出産、子育てなど女性が抱える悩みに対応するワンストップ窓口「マザーズ・サポート・ステーション」を市総合保健センター内(五稜郭町23)に開設する。助産師、保健師の資格を持つ専任の母子保健相談員が、同センターに妊娠届出書を提出した全市民を対象に相談面接を行うほか、電話やメールを通じて相談を受け付ける。出産前後にわたる切れ目のない育児支援につなげる。

 窓口は同センター1階に設置し、天井には「マザーズ・サポート・ステーション」と書かれたピンク色のパネルが取り付けられた。面接では「妊娠中や出産後に相談できる人はいますか」「妊娠中の体調」「経済面の不安があるか」などを聞くアンケートを実施。回答に沿いながら相談員が妊婦の悩みを聞き、アドバイスするほか、若年出産など経過の観察が必要な場合は、市の母子保健課が対応を引き継ぐ。

 窓口には子育てに関するパンフレットやリーフレットを用意。また、出産前後の相談に対応する窓口を一元化したことで、子育てと仕事の両立など他部署にかかる場合も、担当部署を迅速に紹介することが可能となる。

 昨年度、妊娠届出書の提出後、母子健康手帳を交付した市民1798人(再交付を含む)のうち、34・5%にあたる620人が同センターで受け付けしている。窓口業務を行う専任の女性相談員は「ぜひ総合保健センターで受け付けを行い、面接を受けてほしい。ゆっくりと時間をかけて相談に乗りたい」と話し、利用を呼び掛けている。

 問い合わせは同窓口(☎0138・32・1565)。ファクス(32・1506)、メール(mothers@city.hakodate.hokkaido.jp)での相談も可能。(蝦名達也)