2015年9月30日 (水) 掲載

◎鳴海氏が無投票初当選 福島町長

 【福島】事前収賄罪で起訴された前町長の失職に伴う福島町長選が29日告示され、無所属新人で前町総務課長の鳴海清春氏(59)以外に立候補の届け出がなく、鳴海氏が無投票で初当選を決めた。午後5時に当選の吉報が入ると、町福島の選挙事務所は拍手と歓声に包まれた。

 陣営は午前8時半から出陣式を行い、選挙事務所前で第一声を上げた。同9時半ごろから選挙カーに乗り込んで町内をくまなく遊説した後、午後4時半過ぎに事務所に到着。電話で当選が伝えられると、支援者や関係者ら100人以上が盛大に祝福。鳴海氏は涙を浮かべる妻恵津子さん(60)らとともに万歳三唱し、深々と頭を下げた。だるまに目を入れた後、孫2人から花束が手渡され、笑顔で受け取った。

 鳴海氏は「皆さん一人一人の力をいただき当選できた。無投票という形での当選は、町民の方々が町をひとつにして、しっかりとしたまちづくりをしてほしいと託したと受け取っている。まちづくりの主役である町民の皆さま、議会と行政が一体となって、4年間全力で走り抜けていきたい」と抱負を語った。

 鳴海氏は1956年福島町生まれ。福島商業高卒業後の74年に町役場入りし、町民課長、総務課長などを歴任。2012年8月の町長選に初出馬したが落選。2度目の挑戦では人材育成や産業振興、定住・人口減対策などを訴えた。

 鳴海氏の当選は10月4日に開かれる選挙会で正式に決定する。初登庁は5日の予定。



◎豪華客船 優美な姿のツーショット 初の同日入港典

 プリンセス・クルーズ社の「サファイア・プリンセス」(11万5875トン)とシルバーシー・クルーズ社の「シルバー・シャドー」(2万8258トン)の豪華客船2隻が29日、函館港に相次いで寄港した。同じ日に2隻が入港するのは初めてで、多くの市民が優美な姿の共演を楽しみ、両船の乗客も観光を楽しんだ。

 「ダイヤモンド・プリンセス」の姉妹船の「サファイア」は初寄港。午前6時半過ぎ、北斗市七重浜付近から西防波堤付近に大きな虹のアーチが架かり、その間をくぐり抜けるように進入し、港町埠頭(ふとう)に接岸した。中国・上海を26日に出港後、函館が最初の寄港地。若い乗客が目立ち、60台の観光バスでツアーへと出掛けたほか、七重浜周辺の商業施設に向けたシャトルバスも運行された。

 船内で行われた歓迎式で片岡格副市長は「日本で建造された最大の船で、多くの市民が初寄港を楽しみにしていた」と歓迎。函館港湾振興会の兵頭法史会長から初寄港記念の盾などが贈られた。トッド・マクベイ船長は「これからも函館との交流が続くことを願っている」と述べた。

 一方、「シルバー」は午前8時過ぎ、朝日と広がる青空に真っ白な船体を輝かせながら入港。2年ぶり8回目の寄港で西埠頭への接岸は今回が初で、函館山の展望台などで多くの写真愛好家らが2隻同時のショットを狙っていた。乗客は欧米人が中心で、シャトルバスの乗降場所となった青函連絡船記念館付近では、遺愛女子高校英語科の生徒有志約30人が乗客とのコミュニケーションを楽しんだ。



◎駅前通りに「大照明柱」検討 大門商店街活性化懇話会

 函館市などが進めるJR函館駅前通の再整備計画について、駅前再開発ビル「キラリス函館」と棒二森屋前に向かい合う形で高さ10メートルのシンボル照明柱2基の設置や、集魚灯をモチーフとした街路灯のデザインを検討していることが29日、函館都心商店街振興組合(渡辺良三理事長)の大門商店街活性化懇話会で明らかになった。

 懇話会には駅前通に店舗を構える組合員ら20人が出席。中心市街地トータルデザインの提案者「ワークヴィジョンズ」(東京)の西村浩代表や、市の中心市街地再生担当者らが景観整備の方針を示した。

 西村代表は、大門・駅前地区のゲートとして大照明柱の設置を提案。上部に行くほど広がる扇子形のデザインで「函館の造船技術に見られる重厚さと、かつての華やかな大門に感じられた色気を融合させた」とする。歩道用照明柱は、かつて北洋漁業でにぎわった大門の歴史から集魚灯をモチーフとし、暖かみのある光を照らす。

 西村代表は「地域の方々と話し合い、社会の状況が変わっても維持管理がしやすい柔軟性あるデザインを提供していきたい」と話している。  (金子真人)


◎尾札部、臼尻中の統合を諮問 学校教育審

 学識経験者やPTA、市立学校の教職員など25人でつくる函館市学校教育審議会(武田隆雄会長)の本年度第2回総会が29日、市役所で開かれ、市教委は南茅部地区の2中学校(尾札部、臼尻)の統合について諮問した。

 両校の本年度の生徒数は、尾札部が82人、臼尻が42人。人数の減少が進んでおり、このまま推移すると1学級10人を割り込む年度もあると推計されている。また、両校の校舎はともに1970年代に建設され、耐震診断で「要補強」と示されるなど老朽化が著しい。

 両中学校と周辺3小学校(磨光、臼尻、大船)の計5校のPTA会長は今年7月、市教委に要望書を提出。▽両中学校の早期統合▽両校の中間点付近での校舎新築▽遠距離通学生徒への通学支援—を求めている。

 委員からは検討の方向性などについて意見が上がったが、今後、観点を絞って審議を進めるため、再度総会を設ける方針を決めた。次回総会後、審議を小委員会に付託する。会合ではまた、昨年度諮問のあった第2グループ小学校(12校)の再編についても検討を進めている。 (稲船優香)