2015年9月6日 (日) 掲載

◎グルメサーカス、新幹線開業200日前イベント盛況

 道南最大の食の祭典「はこだてグルメサーカス2015」と「北海道新幹線開業200日前カウントダウンイベント」(各実行委主催)が5日、開幕した。晴天にも恵まれ、大門グリーンベルト周辺と函館朝市駐車場の両会場は終日大勢の人でにぎわいを見せ、全国各地のよりすぐりの味を堪能した。

 地元道南をはじめ、函館とゆかりのある海外の姉妹都市、全国各地域の味覚を集めた。今年は新幹線開業プレ事業として、北関東からも出店を募り、約130のブースが軒を連ね、ご当地キャラクターや各地の観光PR大使らがパンフレットを配布した。

 初参加の群馬県高崎市は、名物の甘みそだれで焼き上げた焼きまんじゅうなどをPR。全国生産量の約8割を占める「高崎だるま」も目を引いた。高崎観光協会の松田和也事務局次長は「高崎は大宮から新幹線で20分。北海道からも『縁起のいいまち高崎』に多く来ていただきたい」とした。北海道新幹線奥津軽いまべつ駅所在地の青森県今別町の太田和泉新幹線対策室主幹は「奥津軽いまべつ駅は本州最初の新幹線駅。道南の皆さんにも津軽半島周遊に来てもらえるようPRしたい」と話した。

 市内から来場した宮崎正孝さん(79)と斉藤英子さん(79)は青森各地のブースでしじみのみそ汁や津軽揚げなどを購入。「もっと座る場所があればいいのですが、にぎわっていて楽しいですね」と話していた。

 一方、開業前イベント会場の大門パーキングにはH5系車両の遊具やクラフトコーナー、グランクラスのシート展示などで機運を盛り上げた。子どもたちには電車模型の運転体験シミュレーターが人気で、画面を見ながら列車を走らせて喜んでいた。グルメ会場のステージでは鉄道フォトライターの矢野直美さんのトークショーが行われ、東北各地の鉄道旅行の魅力を伝えた。

 両イベントは6日も午前10時から午後4時まで行われる。(今井正一)



◎函館スイーツコンテスト、長崎さんグランプリ

 若手菓子職人らが腕を競う函館スイーツコンテスト2015(函館洋菓子協会主催)が5日、函館市内で開かれた。審査の結果、洋菓子部門はシュウェットカカオの長崎修丈さん(28)、土産品部門はドゥ・エ・タンドゥルの藤井昌幸さん(43)、ジュニア部門は同社の永川舞さん(19)がグランプリに輝いた。

 北海道新幹線開業を見据えて、函館スイーツ全体の魅力向上や新たな土産品開発を目的に毎年開催。洋菓子部門に11点、土産品部門に9点、ジュニア部門に35点の参加があった。審査委員長は日本洋菓子協会連合会公認技術指導員の武藤修司さんが務め、函館洋菓子協会の小川一彦会長らプロと一般の審査員を含めて、デザイン性や味覚、独創性などを審査した。

 長崎さんのケーキは、フランス語で暁を意味する「オーブ」で、丸みを帯びた三角すいの形をしたミルクチョコレートケーキ。13年に準グランプリを受賞して以来の入賞といい、「自分が素敵だと思う形に仕上げた。グランプリはずっと取りたいと思っていたのでうれしい」と話していた。

 観光土産品となる焼き菓子をつくる土産品部門の藤井さんはイカを使った「ピリカラカラマール」。ローストしたイカを砕き、パイ生地に織り交ぜてつくったスティック状の菓子で、「函館といったらイカですが、お菓子の素材としては難しい。ビールのつまみにも合います」と話していた。

 マジパン細工を競うジュニア部門は、市内の専門学校生らも参加。永川さんはテディベアをつくるサンタクロースの人形が乗ったケーキを仕上げ、「仕事後の時間を使い、製作期間が短い中で大変でした」と話していた。

 はこだてグルメサーカス会場で行われた表彰式で武藤審査委員長は「これからも経験を積んで、全国で通用する函館から発信してほしい」と総評した。(今井正一)



◎シルバーウイークの旅行予約好調

 函館市内の旅行代理店では、9月19日から23日までの大型連休「シルバーウイーク」の旅行予約が好調だ。今年は2009年以来、6年ぶりの5連休と日並びが良く、各店とも連休中の予約申し込みは昨年を上回っている。

 エイチ・アイ・エス(HIS)函館五稜郭営業所(本町)では、昨年の秋の連休に比べて予約件数が3割ほど増加。国内は関西方面が倍増しており、昨年に人気映画「ハリーポッター」のエリアが登場したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪、USJ)がけん引していると同店はみている。海外はハワイや東南アジアなど定番のビーチリゾートに加え、今年はヨーロッパや北アメリカの予約も目立つという。山口真所長は「今年は秋の連休が長いため、遠い旅行先を選択するお客さまが増えた」と指摘する。

 JTB北海道函館支店(本町)では、早い人では昨年12月に申し込みがあり、すでに予約が埋まったツアーも多い。今年の傾向として、3月に新幹線が開業した北陸地方への予約が増えているという。「5連休ということもあり、例年より出足が早かった。件数も昨年に比べて1割増と好調」と店頭営業課担当者。

 また、旅行で家を留守にする人に代わって24時間体制でイヌやネコの世話をするペットホテルにも予約の電話が相次いでいる。

 17部屋の個室を備える「わんこのおやど」(本通3)では、6月ごろから予約が入り始め、すでに満室に近い日もあるという。田野瀬恵津子代表は「景気も上向き始めているため、昨年よりも長期宿泊の利用が多い」と話している。(金子真人)


◎函館空襲現地学習会、平和の尊さ学ぶ

 1945年7月14、15日に起きた函館空襲の戦災地域を巡る現地学習会が5日、函館市若松町の摩周丸前広場など周辺で行われた。戦後70周年の節目に犠牲者、殉職者をしのび、平和学習へとつなげていこうと、函館空襲を記録する会(浅利政俊代表)が企画し、市民約50人が参加した。

 浅利代表が案内役を務め、一行は同広場をスタートし、大手町のビルや樺太引揚者上陸記念碑、函館市役所前などを巡った。浅利代表は空襲前の6月下旬に米軍機によって撮影された市街地の偵察写真を引用しながら、軍需物資の輸送拠点となっていた函館港や函館駅周辺が攻撃の標的となっていたと説明。また写真から、日本の軍事作戦の一環で民家や店を取り壊す建物疎開が行われていたと指摘した。

 襲撃に見舞われた松風町の商店街で浅利代表は、母親とはぐれて防空壕へ逃げ遅れて犠牲となった幼児の話を紹介し、「戦争になると他人を気遣うことさえできなくなる。史実の中にいくつもの悲しい話がある」と述べた。

 市内の石岡佳子さん(61)は「戦争を知らない世代が次の世代に伝えていくには、今回のような勉強をしていくことが大事だと思った。もっと深く学び平和や反戦について考えていきたい」と話していた。(鈴木 潤)