2016年1月10日 (日) 掲載

◎オリジナルギター製作 川越さん世界に挑戦

 オーダーメードのギター製作や修理などを行う工房「アヴァンチュールギターズ」(函館市鍛治2、川越満代表)は、今月21日~24日に米国カリフォルニア州アナハイムで開かれる世界最大規模の楽器展覧会「NAMM(ナム)ショー」にオリジナルモデルのエレキギター5本を初出展する。川越代表(42)は「大きな見せ場。世界に果敢に挑戦したい」と話している。

 ナムショーは毎年1月下旬に行われる伝統的な展覧会で、世界各国から楽器メーカーや小売店など数百社が出展する。楽器を作る職人にとってはあこがれの大舞台という。

 川越代表は「自分のように個人営業の工房は、並々ならぬ決意や覚悟がないとなかなか出られない。自分にハッパをかけながら挑んだ。この出展はお客さんにも喜んでもらえる」と語る。

 出展するオリジナルモデルは「モダンビザール」と名付け、日本国内で昭和30~40年代に製品化された珍奇なギターをモチーフにした。構想に10年かけ、今の品質、性能レベルで完成させた自信作だ。

 川越代表は26歳の時、当時務めていた会社を退職し、楽器メーカー「ESP」(東京)が運営する専門学校「ギタークラフトアカデミー東京校」に入学。1年後には同メーカーに就職し、同校の講師をしながらギター製作の職人として約10年間勤務した。

 2010年に独立を決意し、同年7月、生まれ故郷の函館に戻り、今の工房を開いた。独立した時からナムショーへの出展を目指し今回、ようやくオリジナルモデルを完成させ出展を決めた。

 11日に函館を発ち、現地に向かう。川越代表は「来場した外国人がどのような反応をするのか楽しみ」と期待を膨らませている。(鈴木 潤)



◎ワカサギ釣れた!

 【七飯】大沼国定公園の冬の風物詩・氷上ワカサギ釣りが9日、蓴菜(じゅんさい)沼で解禁となった。今年は暖冬の影響で昨年より5日遅いスタートとなったが、待ちわびた親子連れらが早朝から駆け付け、釣れるたびに歓声が上がった。

 氷の厚さが20センチを超えたことから、魚場を管理する大沼漁協が営業を開始。ワカサギは体長5~10センチ前後で、群れで回遊する。スタッフは「餌を半分に切って食いつきを良くし、群れの場所を引き当てながら釣るのが楽しみの一つ」と説明する。

 穏やかな天候に恵まれたこの日は、100人ほどが釣りを楽しんだ。自前の釣竿を持ち込む常連や、厚着をして家族全員で挑戦する姿が見られた。祖父母に会いに東京から訪れた中村美々ちゃん(6)、龍之介ちゃん(3)きょうだいは「釣りは初めてだけれど生きている魚を触れてうれしかった。もっとたくさん釣りたい」とご満悦だった。

 期間は3月上旬までの予定で、午前8時から午後4時まで。無休だが、悪天候の場合は中止することもある。遊漁料は大人600円、小中学生300円(未就学児は無料)。貸し竿、餌など一式のレンタル代500円で、暖を取れるビニールハウス内でも穴釣りができる。

 問い合わせは同漁協(☎080・4040・7575)へ。(蝦名達也)



◎函館で初のTOEICスクール開講

 コミュニケーション英語能力試験のTOEIC(トーイック)を専門に指導する函館初のスクールが10日、美原町会館(美原3)で開講した。生徒は単語力やリスニング力を磨き、試験本番に備える。

 スクールは、市内2カ所で英語塾を運営する市民団体「母子家庭教育支援協議会」の森田実代表(72)が主宰。講義は北大大学院に通う外国人3人が全て英語で行う。

 この日は小中学生対象のトーイックブリッジコース、高校生以上のトーイックコースともに8人が授業を受けた。大学入試や就職対策、仕事で英語を使うなど、受講の動機はさまざまだ。

 授業ではCDを聞きながらリスニング問題を解いた後、講師がポイントを解説。函館高専に通う女子生徒(17)は「講師の先生がCDを止めて逐一説明してくれるので分かりやすい。学校の授業の理解度も上がりそう」と話していた。

 森田さんは「TOEICに必要性を感じて来てくれたのはありがたい。グローバル化社会の中、生徒のニーズに応じた授業を展開していきたい」と意気込みを見せた。

 生徒は随時募集しており、毎週土曜日午後2時半~同3時45分にトーイックブリッジコース、同~午後5時にトーイックコースの講義を行う。月謝はトーイックブリッジが6000円、トーイックが8000円(別途テキスト代が必要)。

 申し込み、問い合わせは森田さん(☎090・2767・5586)へ。(稲船優香)


◎金融出前講座 受講者1000人超

 函館市市民部くらし安心課が、高校生や大学生など若年層を対象に借金トラブルに巻き込まれないための対処法などを教える市役所出前講座「よーく考えよう!お金の話~多重債務に陥らないために」の受講者が、開始から4年で1000人を超える見込みとなった。年々講座を開催する場が広まっており、若者への金融知識醸成の一役を担っている。

 同講座は新社会人や大学生となる高校3年生を中心に、クレジットカードの性質や使い方、多重債務に陥らないための注意点を説明する目的で、2012年度から開催。本年度までに講座開催校は10校に上る見通しで、累計の受講者は1031人を見込む。

 スタートの12年度は、函大付属有斗高校3年生200人と、函館商工会議所、法人会共催の新入社員セミナーの場で130人を対象に実施した。学校で開催する際は、講座の内容を広く知ってもらおうと他校の教員も参加できるように開放。年度ごとに開催校を増やし続け、本年度は新たに公立はこだて未来大や遺愛中学高校で実施したほか、1~3月に函館白百合学園中、函館工業高定時制課程、臼尻中でも開く予定だ。

 講座開始後の13年度には、市内の若者を中心にカードの名義貸しによる金融トラブルが多数発生。同課は実例を基に名義貸しや保証人になることの意味を教えるほか、携帯電話の利用料金や奨学金の返済を怠ると自らの信用情報に傷を付け、必要時にローンを組めなくなることなどを教えている。中学校では「お金の大切さ」をベースに、貯金や働くことの意味などを伝えている。

 講座後に実施しているアンケート結果では、昨年11月24、26日に開催した函館短大で97・1%が「社会に出てから役立つ講座」だと答え、91・1%から講座内容を理解できたとの回答を得た。同課は学生たちの意見を参考に、クレジットカード利用によって付くポイントや、「単利」「福利」の性質などを分かりやすい言葉で説明するよう、改善を加えながら開催している。

 同課はこれまで学校のほかにも、函館海上保安部や少年鑑別所職員などを対象に講座を開催している。今後も講座の場を増やしていく考えで「金融教育の重要性を一層広めたい。お金は幸せになるための道具で、自分がお金に使われるようになってはいけないということを1人でも多く伝えていきたい」としている。(蝦名達也)