2016年1月11日 (月) 掲載

◎フリーペーパー「ハコダテ サカラ」創刊へ

 函館市元町地区在住の市民有志らでつくるフリーペーパー「ハコダテ サカラ」編集室(北見伸子発行人)は10日、同誌の創刊準備号を発行した。「坂から広がる、つながる、おもしろマガジン」をキャッチコピーに、坂道の多い元町地区から函館を独自の切り口で紹介し、新たな魅力を発信する。編集人を務める作家の藤島斉さん(42)は「函館に来たばかりの人や、観光客の助けになれたら」と話す。

 誌名の「サカラ」は、「坂から」情報発信をしていく思いを込めている。ロゴデザインはローマ字の「SAKARA」を、西部地区に所在する教会群や坂道を図案化した。

 9年前に函館を訪れて以来、フリーペーパー発行の構想を温めてきたという藤島さんと、元町からの情報発信を模索していた北見さん(43)が2014年春からに近所同士となり、意気投合。さらに昨年、函館市のデザイナー石岡慶次さん(53)と出会ったことで構想が実現に向けて加速したという。11月に初会合を開いてからは「良いペースで完成できた」と藤島さん。

 準備号の特集は「フランスパンの謎」。市内の英語講師でフランス人の古地パメラさん(34)らをインタビューし、日本で「フレンチ○○」と呼ばれるものに対するフランスと日本の感覚の違いなどを紹介している。北見さんが経営する「まるたま小屋」など元町周辺は海外のバックパッカーなどが訪れる機会が多く、今後は地図掲載など函館を初めて訪れた人にも分かりやすい誌面づくりで、坂道周辺で目にする光景や発見を紹介していくという。

 創刊号は「坂道、元町、ミスマッチ」をテーマに3月20日ごろの発行を目指しており、同26日にまるたまスクエア(元町2)で開催予定の元町FooD祭りで配布を予定している。以降は隔月発行とする。

 準備号はAB判(縦21センチ、横25・7センチ)。オールカラー8ページで2000部発行。編集室では、アイデア提供や配布の協力者を募集している。(marutama.square@gmail.com)から申し込む。問い合わせは同編集室(☎0138・76・3749)まで。(半澤孝平)



◎ベイエリア彩る2000発、来月6日から海上冬花火

 冬の夜空を彩る「函館海上冬花火2016」(実行委主催)が2月6~10日に開かれる。期間中は毎日午後7時40分から25分間、函館湾豊川埠頭(ふとう)沖から連日2000発の花火が打ち上がり、夜のベイエリアに大輪を咲かす。

 「はこだてクリスマスファンタジー」終了後の函館観光を盛り上げようと、2014年に函館国際ホテル(柴田大介社長)が初めて開催。昨年からは市内のホテルや観光施設などで実行委を組織し、日数を増やすなど規模を拡大して実施している。

 主なビューポイントは、函館朝市から函館国際ホテルまでの岸壁沿い、金森赤レンガ倉庫群、八幡坂、函館山山頂。当日の開催可否は公式ホームページ(http://fuyuhanabi.com)で発表する。

 実行委は「花火を間近で楽しめるのも函館海上冬花火の魅力の一つ。冬の澄んだ空に弾けるきれいな花火を堪能してもらいたい」と呼び掛ける。問い合わせは函館国際ホテル内の事務局(☎0138・23・6100)へ。(金子真人)



◎北斗と七飯で成人式

 成人の日前日の10日、道南では北斗市、七飯町など多くの市町で成人式が行われた。新成人は大人としての誇りと自覚を持って人生を歩むとともに、古里の発展に貢献することを誓った。

 ○…北斗は市総合文化センターで開き、あでやかな振り袖やスーツを着た新成人332人(男163人、女169人)が笑顔で式に臨んだ。

 対象者(1995年4月2日~96年4月1日生まれ)は459人(9日現在)。市教委の吉元正信委員長が「3月26日に北海道新幹線が開業する北斗の地で、豊かな感性と行動力を発揮して大きく羽ばたくことを期待する」と式辞。高谷寿峰市長が「困難を自分で乗り越える気概を持ち、失敗を恐れず挑戦を」と励ました。

 新成人を代表し、実行委委員長の吉田涼一さんと副委員長の須藤美穂さんが「苦しくても決して諦めず、創意工夫や努力で乗り越え、ピンチをチャンスに変えていきたい。しっかりと信念、責任感、感謝の気持ちを持って生きていくことを誓う」と述べた。

 北海道日本ハムファイターズ2016年応援大使の大野奨太、上沢直之両選手のお祝いメッセージが流されたほか、実行委主催の大抽選会もあり、会場は大いに盛り上がった。最後に出身中学校ごとに記念撮影して締めくくった。市渡の会社員高橋玲菜さん(19)は「大人の自覚を持って行動したい。地元に新函館北斗駅ができるので、開業後は駅前がにぎわってほしい」と話した。

 ○…七飯は町文化センターで行い、201人が出席。町教委の與田敏樹教育長は「決められたレールの上を走る新幹線とは違い、皆さんの進む道は無限に広がっている」、中宮安一町長が「まちの中心で活躍する人材として夢と希望、可能性に向けて突き進んでほしい」とそれぞれエールを送った。

 新成人を代表し、大須田美憂さん(20)と松尾みちるさん(同)が「大沼をはじめとするふるさとの美しい景観を大切にし、一層町を盛り上げていく」と力強く宣誓した。

 式典後は「語らい広場」が設けられ、懐かしの給食を囲むなどして盛り上がった。柴岡恵美さん(同)と三浦由槻(ゆつき)さん(同)は「責任感を持った大人になりたい」と声をそろえた。

 町の新成人は、昨年より14人多い271人(男性132人、女性139人)。(山崎大和、稲船優香)


◎函館市の純資産増加 2122億円に

 函館市はこのほど、2014年度の財務書類を公表した。市の財務状況をまとめた報告書で、普通会計ベースの純資産は2122億4600万円(市民1人当たり約79万円=昨年3月末現在)と、前年度から約35億円増加した。市財政課は純資産について「函館アリーナなど、全体の建設事業費が増加したことが大きな要因」とする。

 06年に総務省が示した指針を受け、毎年算出。公会計に企業会計の考え方を取り入れ、普通会計ベースの市の保有財産と、その財産をどの財源で賄ったかを示す「賃借対照表」、資産形成に結び付かない行政サービスの経費と、直接対価として得られた財源を対比させた「行政コスト計算書」など、4種類の財務書類を作成した。

 基金や出資金などの金融資産や、道路、教育施設など有形固定資産を含む市の総資産は、普通会計ベースで前年度比約35億円増の3826億7300万円(同142万円)。将来世代が負担する負債額は同比100万円減の1704億2700万円で、87%を地方債が占める。資産のうち、市民の持ち分割合を示す純資産比率は55・5%で、前年度から0・4ポイント増加した。

 企業会計や第三セクターなどを加えた連結ベースの総資産は、同比366億円減の5799億5200万円。企業会計の基準見直しにより、固定資産の減価償却制度の変更や退職手当引当金の計上があったため、前年度に比べ資産は減少、負債が47億円増加したことなどが影響した。

 また、行政コストは1096億5900万円で、前年度から約23億円の増加。同課は「社会保障の増加に加え、昨年4月からの消費増税による庁舎のランニングコスト増などが影響した」と説明している。

 これらの事務書類を活用した分析のうち、土地以外の有形固定資産に関する資産老朽化比率は前年度比0・9ポイント増の48・9%で、市内各施設の老朽化が進んでいることがみて取れる。(蝦名達也)