2016年1月13日 (水) 掲載

◎青函ご当地カップ麺 開業盛り上げへ一役、日清が発売へ

 日清食品(東京、安藤徳隆社長)は18日、北海道新幹線開業を記念して開発した函館と青森のご当地カップラーメン2品を北海道、東北地区限定で発売する。開業日の3月26日までに全国展開を予定しており、同社は「最も注目を集める時期に青函の魅力を全国に発信し、開業を盛り上げたい」としている。

 同社は、地元団体や自治体と協力して各地のご当地ラーメンを再現する「麺ニッポン」シリーズとして「函館塩ラーメン」と「青森濃厚煮干ラーメン」を発売する。

 「函館―」は函館市や、市内・近郊のラーメン店でつくる「函館未来らーめん研究会」の協力を得て開発。鶏がらや道産のホタテエキスを使ったスープが特徴で、パッケージには北海道新幹線や函館のロゴマークがあしらわれている。一方の「青森―」は豚骨と煮干しの旨みを最大限に引き出し、濃厚でコクの深いスープに仕上げた。

 12日、函館市役所で新製品発表会が行われ、足達詳規北海道支店長と坂井達也ブランドマネジャーが商品概要などを説明。足達支店長は「新幹線開業に向け、この商品を函館や青森の魅力発信につなげていきたい」と意気込んだ。

 市経済部は「函館ロゴマークの普及を進める中で、大手食品企業の商品に採用される効果は大きい。青函の商品を扱う物産展などで話題になればうれしい」と期待している。

 両商品とも希望小売価格は220円(税別)。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで販売される。(金子真人、今井正一)



◎本道と北東北6都市周遊パス発売 バスとフェリーで「スローな旅」

 岩手県北バス(盛岡)などバス事業者5社とフェリー会社2社は12日、高速バスとフェリーを乗り継いで、北海道と北東北の6都市を周遊するパス「俺の旅・北のまちキップ」を発売した。「安くてスローな旅」をコンセプトに掲げ、時間に余裕がある学生やシルバー世代を中心とした旅行客の需要取り込みを狙う。

 岩手県北バスはこれまで、札幌―盛岡間の交通手段として、バスとフェリーの片道チケットをセットにした「札幌・盛岡なかよしきっぷ」などを販売。「3月の北海道新幹線開業を契機に、北海道と北東北の観光交流人口を増加させたい」(同社)として、道内と東北を結ぶフェリーを運航する川崎近海汽船や津軽海峡フェリーなど関係事業者と連携し、周遊パスの販売に乗り出した。

 パスは盛岡・青森・八戸のいずれかをスタートし、バスとフェリーを使って右回りか左回りで函館・札幌・苫小牧の各都市をめぐり、一周するというもの。有効期限は最大2カ月。同社の担当者は「最短3日間の弾丸ルートや、各地での滞在をゆっくり楽しむ旅行など、思い思いに楽しんでほしい」とPRする。

 利用期間は第1シーズンが12日~3月31日、第2シーズンは5月中旬~7月中旬を予定。料金は1万3380円(税込み、大人のみ)で、バスとフェリーを使った通常運賃よりも3割程度安く利用できる。問い合わせは同社(☎019・641・1212)へ。(山田大輔)



◎農漁村に観光客誘導 渡島総合振興局新事業「コンパクトツーリズム」

 3月26日の北海道新幹線開業を見据え、渡島総合振興局は本年度、函館から短時間で農山漁村に移動できる管内の地の利を生かした「農と浜のコンパクトツーリズム促進事業」を始める。情報発信により新幹線で函館に来る旅行客を農漁村にも誘導する考えで、農家・漁家ならではの体験を提供し、地域活性化につなげる。

 振興局の独自事業で、本年度から5カ年取り組む。本年度の予算額は110万円。

 従来の物見遊山的な観光旅行に対し、新幹線時代は人や自然との触れ合いを重視したテーマ性ある新しいタイプの旅行プランの需要が高まると判断。函館から片道1時間程度で農漁村に到着できる有利性から「コンパクトツーリズム」と名付けた。

 内容は、スマートフォンなど移動モバイルを活用した情報発信システムの検討・試行を進める。函館高専が開発した既存の観光アプリを使い、旅行者がアプリから農産物直売所やファームレストラン、地引き網体験などの情報を入手し、目的地に向かって表示されたルート上を移動する。アプリの公開日は未定。

 また、プロジェクトを推進する体制整備として市町、JA、漁協、高専、民間事業者、振興局の15団体が連携し、推進会議(仮称)を年度内に立ち上げる。受け入れ体制の整備にあたって相談に応じたり、アプリに登録する施設の情報を集めたりして受け入れる準備を整え、旅行者がより満足できるサービスづくりを目指す。

 同振興局は「開業後は多くの旅行者が函館観光を目指して来るだろう。さらに周辺の農漁村まで足を伸ばし、旅先でしかできない経験を味わってもらうことで地域振興につなげたい」(農務課)としている。(山崎大和)


◎図書館がフリーペーパー「ハトダヨ」発行

  函館市中央図書館(五稜郭町26、丹羽秀人館長)はこのほど、同館開催のイベント情報やお薦め書籍などを紹介するフリーペーパー「ハトダヨ」第1号を発行した。同館や市内6カ所の地区図書館などで配布しており、図書館の魅力発信の一環として役立てている。

 ハトダヨは、覚えやすいようにと「函館市中央図書館だより」を縮めて名付けた。昨年11月27日の開館10周年の記念行事の一つとして、指定管理者の図書館流通センター(TRC、東京)函館グループが編集、発行した。TRCによると、同館がちらし以外で図書館だよりを制作したのは初めてといい、配布開始1カ月ほどで1000部が手に取られた。

 内容は同館の歴代館長4人が10周年にあたって寄せたメッセージを掲載しているほか、TRCスタッフのお薦め本3冊を紹介。1冊ずつあらすじとともに、作品や著者の魅力、作中の季節感などを丁寧にまとめており、丹羽館長は「読書がしたくても何を読めばいいのか分からない人も多い。どんどん良い本が貸し出されるよう、情報を発信できれば」と説明する。

 このほか、布絵本製作や読み聞かせなどのボランティア団体の活動を紹介。市民に参加を呼び掛けたり、それぞれのボランティア同士のつながりを作るきっかけにしたい考えだ。

 A4判6ページで読みやすいようにと、イラストを加えながらレイアウトも工夫している。新年度以降、季刊または月刊での定期発行と市内公共施設などでの配布を検討しており、編集担当のTRCスタッフ、佐々木啓太さんは「紙媒体でのPRはインターネットとは違う魅力がある。図書館について知りたいという利用者の思いを支えるフリーペーパーを作りたい」と話している。(蝦名達也)