2016年1月24日 (日) 掲載

◎夢学院桜組 3月で活動に幕

 【北斗】北斗市公認のご当地アイドルグループ「北斗夢学院・桜組」が、3月いっぱいで活動を終了することになった。2015年からは首都圏でのライブに初挑戦するなど、活動の幅を広げていただけに、ファンからは惜しむ声が聞かれる。桜組が所属するスタイルシックス(函館市)の渡部真証代表は「北海道新幹線開業のPRという当初の目的を果たすことができた。応援してくださった皆さまには心から感謝している」と話している。

 桜組は11年5月に北斗市と函館市在住の女子中高生5人で結成。メンバーの卒業などを経て、現在は創設時から在籍する萌花(19)、あすか(17)と、3年前に加入した菜月(17)の3人が所属。道南地域のイベントなどに数多く参加しながら、これまでオリジナルシングル2枚をリリースしてきた。

 2年ほど前にはインターネット配信番組への出演も開始し、全国にファン層が拡大。昨年8月には一般投票とオーディションにより、横浜アリーナ(横浜市)で開催された大型アイドルフェスティバルに出場するなど、活躍を続けてきた。

 最年長で、現在はケーブルテレビNCVのリポーターとしても活動している萌花は「横浜アリーナの舞台に立てたことは本当にうれしかった。桜組としての活動は終わるが、ここで得た経験は本当に大きかった」と話す。結成当初は最年少の12歳だったあすかは、「周囲が年上ばかりだったので、最初は緊張したが、学校では教えてもらえないたくさんのことを学べて良かった」。途中加入の菜月は「活動期間は短かったけど、桜組の一員として貴重な体験ができたことは、この先忘れることのできない宝物になった」と振り返る。

 渡部代表は「メンバーの頑張りと周りの人たちの温かい声援のおかげで、想像よりもはるかに大きく成長してくれた。今後も感謝の気持ちを忘れることなく、それぞれが新たな目標に向けて頑張ってほしい。未定ではあるが、桜組としての最後にふさわしいイベントを用意したい」と話している。(小川俊之)



◎70年前のサイベ沢遺跡発掘調査の映像フィルム発見

 現在の函館市桔梗町にあるサイベ沢遺跡で、1949年に行った発掘調査の風景を撮影した映像フィルムが、市立函館博物館(青柳町、斉藤総一館長)で見つかった。同館によると当時、発掘調査を映像で残すのは非常に珍しかったといい、約70年前の函館の考古学の歴史を紐解く大変貴重な発見となった。4分30秒ほどの映像には学生帽やセーラー服を着たまま調査に協力する学生の姿などが映っており、市民一丸で発掘した遺跡であることがうかがえる。

 サイベ沢遺跡は縄文時代前期から中期(約6000~4500年前)にかけて大規模な集落があったと推測されており、全体面積約19ヘクタールの道内でも最大規模の遺跡だ。7つの文化層から円筒土器が出土し、縄文前期の円筒土器下層式を「サイベ沢I式―IV式」、縄文中期の円筒土器上層式を「サイベ沢V式―VII式」などと、7つの土器型式が設定された。

 発掘は同館初めての調査として、49年5月から45日間にわたって行われた。北海道大学の児玉作左衛門教授や同大の大場利夫助手指導の下、市内や札幌の中学生、高校生ら延べ1335人が参加した。

 今回の35ミリフィルムは、2年ほど前から実施している同館の大規模館内整理の際、見つかった。調査報告書にも日本ニュース映画社(当時)の撮影技師、中村誠一氏が現地を訪れていたことが記されており、長い間、同館学芸員の間でも「フィルムが残されているのではないか」といった話が伝えられていた。

 第一発見者の同館学芸員、大矢京右さんは「サイベ沢遺跡」の文字が刻まれたフィルム缶と、中に49~50年付けの新聞紙が緩衝材として入っていたことから確信。デジタル化作業を進め、DVDとして見ることができた。

 調査の映像は当時、映画館で作品と作品の間などに全国ニュースとして1分間ほど放映されていた。だが、函館のような地方を取り上げるだけでなく、発掘調査自体をニュースバリューにするのは大変珍しかったといい、それほどサイベ沢の調査が全国的に注目を集めていたことがうかがえる。

 音声のない映像だが、真剣なまなざしで土器を掘り出し、土層を確認する人々の姿を鮮明に映し出している。また、手を傷めないようにスコップの取っ手部分を丸めて使用したり、土器のイラストを描いた模造紙の上に土器片をかざして確認したりするシーンもあり、現在の調査方法と変わらないことも多くあることが分かった。

 同館学芸員OBで、19歳の時発掘調査に参加した千代肇さん(85)は「撮影が来ていたことはよく覚えていて、映画館にニュースを見に行った。調査地点にはアイスクリームの屋台が来たり、4メートル以上も土を掘ったりといつもにぎやかだった」と懐かしみ、「70年近くも経って映像が残っているのはとても珍しい。もっと多くの人にサイベ沢遺跡の素晴らしさを知ってほしい」と願いを込める。

 同館は市民向けにフィルムの映像放映を前向きに検討している。同館学芸員で考古学などを担当する小林貢さんは「博物館の第一歩目は戦後間もなくまだ物のない時代だったが、市民と協力して進めたサイベ沢遺跡の発掘調査だった。民俗の出発地点を市一丸となって探ったということを、フィルムを通して多くの人たちに伝えていきたい」と話している。(蝦名達也)



◎新幹線開業 青函連携強化が不可欠 函高専の奥平理准教授が講演

 函館観光の底上げを図る観光ボランティア育成セミナーが23日、市地域交流まちづくりセンターで開かれた。函館高専の奥平理准教授が「函館観光の魅力の源とは?」と題して講演。函館の歴史や景観の成り立ちを紹介し、新幹線開業に向けた青函連携の方策を提言した。

 昨年12月に全5回の日程で開講し、この日が最終講義。奥平准教授は「人文景観と自然景観の両方に恵まれ、一体化しているのが西部地区周辺。天からのお宝を享受している私たちが観光客にどうやってお伝えしていくかが重要になる」と述べた。

 新幹線時代に向けて、青函連携の推進が欠かせないと指摘。連携の一例として、共通ルーツを持つ青森のねぶたと函館の七夕で行われる「ろうそくもらい」の風習の再融合、「津軽ひば」を利用した青森版クリスマスファンタジーの開催といった両地域にまたがるイベントの構築を挙げた。

 交通面では、ともに3000メートル滑走路を持つ函館、青森両空港は開設路線にも相互補完性があると紹介。津軽海峡上の豊かな景観を楽しむことができるフェリー航路、高速道路とも絡めて、新幹線の速達性を軸にした青函周遊型の観光コースが新たな魅力になるとした。

 また、北陸新幹線開業後の金沢の混雑ぶりに触れる一方で、金沢では函館開業に対する危機感を持っていると紹介。奥平准教授は「金沢では(想定以上のにぎわいで)『こんなことになるとは思わなかった』という声があった。あともう少しで函館も状況は激変する。函館の悪いところをけなすのではなく、いいところを褒めまくってほしい」と結んだ。(今井正一)


◎親子で遊び満喫、こども劇場キッズフェス

 舞台鑑賞や遊びを通じ、子どもの心を育てる「函館こども劇場」(和泉佳代子運営委員長)は23日、函館市民会館でキッズフェスティバルを開いた。子どもも大人も入り交じり、体を使った遊びを楽しんだ。

 大勢の人と関わってコミュニケーション能力を育もうと、毎年開催。函館や近郊の0歳から大人まで約200人が集まった。

 参加した親子は、けん玉やお手玉、こまなどの伝承遊びのほか、花いちもんめや鬼ごっこなど集団遊びで大盛り上がり。3時間にわたり、さまざまな遊びで交流した。

 毎年参加しているという函館駒場小学校4年の澤田有哉君(10)は「けん玉やこまの技を友だちと練習した。みんなで遊ぶと楽しい」と笑顔を浮かべていた。(稲船優香)