2016年1月25日 (月) 掲載

◎はこだてライナー一般公開に700人

 JR北海道函館支社は24日、3月26日の北海道新幹線と同時に運行を開始する新函館北斗―函館間(17・9キロ)のアクセス列車「はこだてライナー」の車両公開をJR函館駅で実施した。親子連れや鉄道ファンら約700人が詰め掛け、真新しい車体を眺めて開業への期待を膨らませた。

 午前11時の公開開始を前に、車両が停まる4番ホームには長蛇の列ができた。来場者は続々と3両編成の列車に乗り込み、北海道の広大な草原を連想させる緑色のロングシートに座ったり、函館の観光名所金森赤レンガ倉庫群をイメージした赤茶色の乗降ドアの写真を撮ったりするなど、見学を楽しんでいた。

 親子そろって鉄道ファンという北斗市七重浜の団体職員松原憲一さん(48)は「通路も広くトイレも大きいので障害のある人も乗りやすそう」と評価。北斗北斗浜分小学校4年の一生君(10)は「車体のラインと行き先表示が格好いい。新幹線が来たら鉄道博物館(さいたま市)に行きたい」と声を弾ませた。

 はこだてライナーは、1日16往復の運行で、新函館北斗駅を発着するすべての新幹線に接続し、最短15分で結ぶ。車両は札幌圏の通勤電車で使われている733系を使用。車体は北海道新幹線車両H5系と同じライトグリーンとパープルのラインをあしらい、一体感を持たせた。(金子真人)



◎道の駅みそぎの郷きこない 来場者1万人突破

 【木古内】今月13日にオープンした観光交流センター、道の駅「みそぎの郷きこない」(本町338、浅利文博センター長)で24日、来場者が1万人を突破した。浅利センター長は「12日間でこのペースは予想以上。これからも最高のおもてなしを追求していく」と声を弾ませた。

 記念すべき1万人目となったのは、函館市末広町在住の田中智彦さんと佳子さん夫妻。木古内伝統神事の寒中みそぎ祭りに関心があったが、当日は予定があって来られず、代わりに祭りをコンセプトにしている道の駅を訪れたという。

 大森伊佐緒木古内町長と同施設運営法人の北島孝雄理事長も駆けつけ、1万円相当の町特産品セットを記念品として贈呈。受け取った田中さん夫妻は「びっくりしたけどうれしい」と喜んだ。(斎藤彩伽)



◎重い雪、気分重く 市民「除雪大変」

 今冬の雪は重い!? 函館は1月、一日に10センチ以上の降雪が5回あり、24日午後5時現在の積雪は平年の約1・5倍に当たる34センチとなっている。さらに、雪は低気圧などの影響で降ったため、湿った重い雪が街を覆い、市民は例年以上に除雪で苦労している。

 函館地方気象台によると、昨年11月から1月23日までの函館の降雪量は平年比89%の176センチで、このうち、1月に入ってからは104センチ。10センチ以上降った日は、5日15センチ、6日17センチ、8日14センチ、10日13センチ、18日21センチ。

 8日までの3回は道内が冬型の気圧配置となったためだったが、いずれも最高気温は氷点下0・7度~プラス0・6度で冷え込みは厳しくなく、湿度は79~89%。函館の1月の平均湿度は73%で、平年より高い状態だった。10日は低気圧を含む気圧の谷による降雪で、18日は急速に発達した低気圧が接近した影響で暴風雪となり、この日の最高気温は1・7度。いずれも、厳しい寒さで空気が乾燥した中で降るサラサラした雪ではなく、大きく湿っぽい雪が多かった。

 函館市シルバー人材センターの会員で、五稜郭町周辺の除雪を担当する北出守さん(66)によると、作業はスコップなどを使う人力で1件につき1時間程度だが、18~19日は2時間半を要した現場もあったという。「湿った雪が重くて多く、運ぶのが大変だった」と話す。西部地区を担当する小林冠(はじめ)さん(66)も同様だったと言い、「雪を捨てる場所もないため積み上げていくしかないが、きつかった」と疲れた表情を浮かべていた。

 ホーマックスーパーデポ石川店によると、19日ごろからの除雪用品の売れ行きは、大型のスノーダンプなどが中心に売れたという。軽量で使いやすいものより、重い雪に対して効果がある用品を選んだとみられる。

 大沼公園の冬の風物詩、氷上ワカサギ釣りにも影響があった。大沼漁協・太公園コースの川村幸治代表(48)によると、東大島付近の氷の厚さは16日ごろで約15センチだったが、18~19日に約50センチの積雪があり、表面が沈んだ。「東からの風で、湿った重い雪だった」と話す。これを踏み固めないと安全に氷上を歩けないため、営業区域を限定する日もあった。「遊魚の場所は係員の指示に従ってほしい。雪に隠れた湖面は危険なので、立ち入らないで」と呼び掛ける。(山崎純一、半澤孝平)


◎大間問題学生視点で 1年間の研究成果披露

 学生ならではの視点で地域課題の解決に取り組む道教育大函館校(星野立子キャンパス長)の「地域プロジェクト成果発表会」が24日、同大で開かれた。35プロジェクトの口頭発表とポスターセッションがあり、身近なエネルギー問題として大間原発(青森県大間町)を研究した学生たちの発表が注目を集めた。

 地域プロジェクトは本年度に新設された課題解決型学習。I、IIの2科目があり、2年または3年の必修となっている。

 国際協働グループ2年の学生7人は「函館・道南地域のエネルギー政策を考える」と題し、建設反対の立場で大間問題を論じた。函館市による大間差し止め訴訟について「エネルギーと防災、市民生活の今後を考えるために重要な問題提起」と指摘。避難計画策定を義務付けられているのに建設や稼働に同意権がなく、ひとたび事故が起きれば、函館圏35万人の大規模な避難が困難なことや、水産や観光業が壊滅的な打撃を受けること、自治体としての機能が崩壊することを強調した。

 今後の課題として「原発に賛成する人たちの話も聞きたい」とした。リーダーの八重樫まみさん(20)は「大間は他人事のようにとらえられがち。私は茨城県出身なので、福島第一原発事故で放射能の恐ろしさを知った。大間を自分たちの問題として考えてもらえれば」と話していた。(山崎大和)