2016年1月26日 (火) 掲載

◎パフォーマンスチーム舞姫、道南で立ち上げへ

 ダンスで青函をつなごう―。青森県の市民団体「青森わごころの会」(乘田麻衣子会長)は今年、函館・道南の子どもたちを中心に「北海道パフォーマンスチーム舞姫(まいひめ)」を立ち上げる。現在新規生を募集しており、3月12、13の両日に函館市内でオーディションを開催する。

 同会は日本の伝統文化を広く伝えようと、2012年6月に「青森パフォーマンスチーム舞姫」を結成し、現在は県内の女子小中学生3人が所属。「和」を現代風にアレンジしたダンスパフォーマンスを披露しているほか、アナウンスやヘアメーク、マナーレッスンにも取り組む。これまでの活動は青森県内が中心だったが、3月26日の北海道新幹線開業を機に函館でもチームを作り、青函交流を図っていく。

 応募資格は小学1年から中学3年までの女子児童・生徒(練習やイベント会場への保護者の送迎が条件)。練習会場は函館市内に設ける。乘田会長は「ダンスのほかに日常生活でのマナーを学びたいというやる気のある子どもたちと、子どもと一緒に成長したいと願う保護者をお待ちしています」と話し、応募を呼び掛けている。

 応募は同会ホームページ(http://aomori-wagokoronokai.jimdo.com/)から専用の応募用紙をダウンロードし、全身写真を1枚添えてメール(aomori_wagokoro@yahoo.co.jp)か郵送(〒036・8799、弘前郵便局私書箱3号、青森わごころの会)まで申し込む。締め切りは3月4日。

 問い合わせは同会(☎090・1493・8262)へ。(千葉卓陽)



◎「ポスト新幹線」に意欲 新年度予算市長査定開始

 函館市の工藤寿樹市長は25日、2016年度予算の市長査定を開始した。北海道新幹線開業関連の事業経費をはじめ、新たなまちづくりの取り組み、人口減少や経済対策にも重点的に取り組む。工藤市長は3年連続となる収支均衡予算の実現にも意欲をみせた。

 査定開始に当たり、市長は「人口減少が進む中で経済や福祉、教育といったさまざまな課題に対応し、少しでも前進させる予算にする」と述べた。昨年6月の政策予算では、人口減少対策として子育て支援策など福祉面に重点を置いた。新年度は教育分野でも少子化対策や学力向上など、環境充実に努める考え。

 北海道新幹線開業年の新年度は、初のフルマラソンや新幹線開業後のメーンイベント「はこだてグルメガーデン」など、開催決定済みの行事も多い。市長は「全国に函館が元気だとい発信するチャンス。観光客に通年で喜んでもらえるイベントを考えているので、予算化したい」と述べた。一方、新たなまちづくりを進める「ポスト新幹線」時代のスタート年として、「ガーデンシティー」実現に向けた街路整備などの関連予算も盛り込まれる。

 また、市は昨年度と本年度の2年連続で基金を取り崩さない収支均衡予算を実現したが、14年3月に策定した財政収支の中期的見通しでは、新年度は23億円の財源不足を見込んでいる。昨年10月実施の国勢調査の結果次第で地方交付税の減収も予測されるだけに、市長は「財政は依然として厳しい。新幹線関連のイベント経費は膨らむため新年度は少し大変だが、収支均衡ができるよう編成したい」と述べた。

 市長査定は28日まで行われ、2月10日ごろに発表、同26日開会予定の第1回市議会定例会に提出する。(今井正一)



◎15年の桧山管内 漁獲量過去最低

 桧山振興局は、桧山管内の2015年漁業生産高(八雲町熊石地区を含む)の速報値をまとめた=別表。数量は前年比40%減の4772トンとなり、統計開始の1961年以降では過去最低。金額も同16%減の30億3300万円と、73年以降では最低の水準だった14年をさらに下回った。主力スルメイカの大不振が要因で、スルメイカに替わってナマコ(前年2位)が初めて金額1位となった。

 ひやま漁協から報告を受け公表した。スルメイカは、数量が60%減の1649トンと不漁で、金額も55%減の6億2000万円と大きく落ち込んだ。道東での漁獲は堅調に推移したが、桧山沖での漁場形成がうまくいかず「原因ははっきり分からない」(水産課)としている。

 一方、ナマコは14年の落ち込みから回復し、数量が22%増の115トン。単価も1キロあたり5942円と、6000円に迫る高単価を維持。金額は41%増の6億8000万円となり、金額1位に浮上した。

 ウニは数量で3%増の311トン、金額で13%増の4億4000万円。アワビも天候に恵まれ操業回数が増えたことから、数量で47%増の25トン、金額も60%増の1億3000万円と伸びた。

 サケは10月初めの低気圧の影響で定置網に被害が出て、操業期間を残し切り上げを余儀なくされる地区もあったが、数量は13%増の395トン、金額も31%増の2億円。タコは、数量が30%減の257トン、金額が35%減の1億5000万円と大きく減額した。

 スケトウダラはえ縄漁は、資源の減少傾向によるTAC(漁獲可能量)の削減に伴い、操業隻数を36隻から15隻に減らした。数量は40%減の504トン、金額は30%減の1億3000万円となった。(山崎大和)


◎6月、函館で道内初「さかな検定」

 魚に関する知識を試す「第7回日本さかな検定」(日本さかな検定協会主催)が6月26日、函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)で開かれることが決まった。これまで道内での開催はなく、3月26日の北海道新幹線開業を記念して函館が初めての開催地に選ばれた。2月3日から受検申し込みを受け付ける。

 魚への関心や興味を深めてもらおうと、2010年から毎年1回、全国各地で一斉開催している。昨年は東京、八戸など12会場で開かれた。これまで延べ1万8000人が受検。年齢層も幼児からお年寄りまでと幅広く、世代を超えて楽しめる検定として人気を集めている。

 検定は1~3級があり、魚の生態や産地、調理法などに関する100問を4択から解答する。3級60問以上、2級70問以上、1級80問以上の正答で合格。1級を受検できるのは2級合格者のみとなっている。

 25日、同協会の尾山雅一代表理事(59)が函館新聞社を訪れ、検定概要を説明。日本人の魚離れについて「街の中から鮮魚店が消えたことや、核家族化の進展で魚の良さを伝えられる人がいなくなったことが大きい」とした上で、「魚ほどいわれやうんちくを語ることができる食材はない。日本人の心身を育んできた魚食文化の魅力を検定で再発見してもらえたらうれしい」と期待を込める。

 受検申し込みは、2月3日~5月24日(予定)。受検料は1級7300円、2級5200円、3級4200円(学生はそれぞれ1000円引き)。問い合わせは同協会事務局(☎03・3233・4808)へ。(金子真人)