2016年1月3日 (日) 掲載

◎道新幹線、日中初の全区間走行試験

 道南の新幹線新時代へ準備本格化-。JR北海道は1日、3月26日に開業する北海道新幹線で、新函館北斗-新青森間(149キロ)を通した走行試験を行った。日中に全区間を走行するのは初めてで、新幹線の運行管理システムの稼働や貨物列車の走行などを確認した。

 北海道新幹線の車両「H5系」を使用した走行試験は、2014年12月から新函館北斗-木古内間で始まり、15年5月に新青森駅に初入線していたが、青函トンネル(53・9キロ)を含む新中小国信号場(青森)―木古内駅間(82キロ)は、貨物列車と線路を共用する「三線軌条区間」を走行することで、この区間は旅客・貨物列車が走行しない未明の時間帯のみしか新幹線は走行できなかった。3月の開業を前に、運行管理システムなどの確認をするため、乗客数が少ないことなどで1月1日を全区間走行試験とした。

 同社は12月31日深夜から1月2日早朝まで、函館-新青森間の特急「スーパー白鳥号」など57本を運休したが、早くから事前周知を行い、フェリーなどの利用を呼び掛けていたことで大きな影響はなかった。

 沿線には新幹線をひと目見ようと住民らが集まった。防寒具姿で待ちわびていた人たちは、目前を常盤グリーンの車体が通過すると、歓声を上げて見入っていた。(山崎純一)



◎ドサンコが石段一気、函館八幡宮で騎馬参拝

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中村憲由樹宮司代務者)で2日、境内へ続く石段を北海道和種馬(ドサンコ)が駆け上がる「騎馬参拝」が行われた。5頭が134段を1分ほどで登り、初詣の参拝客から歓声が沸いていた。

 騎馬参拝は、同市東山の「函館どさんこファーム」(池田茂代表)が、乗馬で自然散策などをする「ホーストレッキング」の安全を祈願し、1999年から実施。騎乗者は武者装束に烏帽子(えぼし)姿で馬にまたがり、拝殿前で神職からおはらいを受け、この一年の無事を祈願した。

 池田代表(62)は「今年はいつも以上に軽やかに駆け上がってくれた。待ちに待った北海道新幹線開業で地域の活性化、そして災害のない良い一年になってほしい」と話した。

 参拝後には、子どもたちを馬に乗せるサービスもあり、人気だった。市内の自営業藤井朋広さん(47)は「家族の健康と子どもたちの健やかな成長を見守りたい」、長女の野乃花さん(15)は「今年は高校受験なので一生懸命に勉強を頑張る」、長男の大空(7)君も「算数を頑張る」と声を弾ませた。(田中陽介)



◎工夫凝らした初売り人気

 道南の百貨店などで2日、初売りが行われ、新春ならではのイベントを家族連れらが楽しんだ。(田中陽介、能代俊貴)

 ○…テーオーデパート(函館市)では、特賞10万円買い物券が当たる「百本引き大会」を開催。参加料5000円で末等が5000円の買い物券という運だめしで盛り上がった。ブランド品コーナーも大勢が押し寄せたほか、1999年以来の「住宅福袋」も登場した。北斗市の岩田栄子さん(82)は「家族みんなで楽しい買い物ができた」、ひ孫の謙心ちゃん(5)も「お店ごっこのおもちゃを買ってもらえてうれしい」と笑顔だった。同店では3日、新春恒例のビンゴ大会(午後2時)などを行う。

 ○…イオン上磯店(北斗市)では、近畿大学が完全養殖に成功した近大マグロ(36・7キロ)を使い、解体ショーと即販売会を行った。解体は同店の佐藤延弘さん(48)が担当。威勢の良い掛け声を上げ、手際よく柵取りした。試食会では脂が乗ったマグロが振る舞われた。市内の公務員長島幹伸さん(38)は「子供たちが興味津々に見入り、楽しめた」、長女の優海さん(9)は「迫力があった」と喜んでいた。


◎乙部で新年交礼会

 【乙部】道内のトップを切って1日、乙部町の新年交礼会(町主催)が同町民会館で開かれた。140人が集い、穏やかな新春の幕開けを喜び、一層の飛躍を誓った。

 寺島光一郎町長は「春には日本海で100万匹のニシン放流が行われる予定で、町内でもナマコ養殖などに力を入れていく」と漁業振興策の充実を掲げたほか、4月に稼働するミネラルウオーター工場など民間企業に対する行政としての協力姿勢を強調。「人口が減っても、住民が豊かで誇りを持てるまちづくりを進める」と述べた。

 さらに、町内のバリアフリーホテルを東京パラリンピック(2020年)時に合宿地としたい考えや、元和台海浜公園「海のプール」を障害者らが積極的に利用できるように整備したい考えを示した。

 来賓の幡宮輝雄桧山振興局長が祝いの言葉を述べたほか、前田一男衆院議員、内田尊之道議があいさつした。

 乙部町の新年交礼会は、漁業関係者の出漁などの準備が始まるため、毎年元日に行う。(田中陽介)