2016年1月5日 (火) 掲載

◎開業を飛躍の契機に 函館市年賀会に800人

 新年恒例の函館市年賀会(市、市議会、函館商工会議所主催)が4日、ホテル函館ロイヤルで開かれた。各界各層から約800人が出席し、目前に迫る北海道新幹線開業を新たな出発点として、躍進の1年となることを祈念した。

 あいさつに立った工藤寿樹市長は「新幹線開業で、にぎわいと活気に満ちあふれた1年となることを期待する。昨年の金沢に代わり、今年、最も注目される街が函館になる」と期待感を示した。その上で東北や北関東との連携、一層の海外観光客誘致、地場産品の流通拡大などに引き続き取り組む考えを示し、「長年の誘致運動の成果でやっと新幹線が開業するが、到達点ではなく、新しい時代の出発点。市民が誇れるまちづくりを進めていく」と述べた。

 また、松本栄一会頭は祝杯のあいさつで「函館は北海道の玄関口として栄えた街。開業を千載一遇のチャンスとして、皆さんの手で再生しよう」と呼び掛けた。一方で、「札幌延伸までの15年間に札幌、仙台の中間地としての位置付けを確立できるかどうかだ。時間は多くはない」と課題を示した。

 出席者は新年のあいさつを交わしながら和やかに懇談した。祝宴の締めくくりに佐古一夫議長が「来年のこの場で『本当に北海道新幹線はすごいな』と言えるような1年にしたい」と述べ、三本締めで新年の飛躍を誓い合った。  (今井正一)



◎ジャンボ絵馬登場

 JR函館駅1階コンコースに4日、今年も「ジャンボ絵馬」がお目見えした。「合格祈願」の文字とともに今年のえと・サルや北海道新幹線車両のイラストが描かれており、受験生たちが願いを書き込んでいる。

 受験シーズンを前に、同駅が1982年から続けている恒例行事。絵馬の大きさは縦1・2メートル、横2・4メートルで、中央には北海道新幹線の成功を願い、開業日の「3・26」の文字やH5系車両が描かれている。2月5日午前10時まで設置し、その後函館八幡宮に奉納する。

 高校受験を控えている函館宇賀の浦中3年の太田海音さん(15)は「合格しますように!」と書き込み、「受かるかどうかわからないのでドキドキ。とにかく勉強を頑張る」と話していた。(金子真人)



◎紅ズワイガニ6次化へ奮闘、江差の北前水産

 【江差】江差町豊川町の北前水産(松田親(いたる)社長)は、桧山沖で水揚げされる紅ズワイガニの6次産業化を目指し奮闘している。将来的に加工、販売まで自社で手掛け、漁業の高付加価値化を目指す。行政側も専門家を派遣しアドバイスするなど、商品開発に向け後押ししている。

 同社は第七十八宝樹丸(152トン)を有し、桧山では唯一、紅ズワイガニ漁の操業許可を得ている。カニかごを使い、漁期は3~8月で江差港に水揚げしている。

 港から漁場まで近い所で30分で着けるため、紅ズワイガニの鮮度の良さが特徴だ。また、サイズも他産地より大きめで、実入りの状態も良い。これまで道内外の加工業者に出荷していたが、自社で加工して付加価値を高めて売ることが必要と判断、6次化を目標とするようになった。6次化は農業分野が先行しており、漁業での成功例はほとんどないとされる。

 密漁規制により道内に出回るロシア産タラバガニやズワイガニが激減した影響で、国産毛ガニも品薄となって販売価格が高騰、紅ズワイガニのニーズが高まっていることも背景にある。松田社長(26)は「国産カニへのニーズが高まっており、現在の状況をチャンスと捉え、知名度を高めていきたい」と意気込む。

 昨年12月16~18日には、丸井今井函館店で冷凍紅ズワイガニの試験販売を初めて実施。1匹3240円(1キロ)~1890円(650グラム)で販売したところ「まずまずの手応え」(松田社長)と自信を深めた。

 本年度は北海道中小企業総合支援センター(札幌)の支援を受け、専門家からアドバイスを受け商品開発への戦略を練っている。松田社長は「自ら加工して売ることは父の夢でもあり、頑張って形にしたい」と話している。(山崎大和)


◎初詣客数11万5181人 正月三が日まとめ

 函館・道南の三が日は2日に雨が降ったものの温暖な天候が続き、初詣や観光施設は好調だった昨年を上回る人出となった。一方、スキー場やスケート場はこの暖かさが影響し、客足が遠のく結果となった。

 ■初詣

 道警函館方面本部地域課のまとめによると、道南の主要12カ所の初詣客数は11万5181人。昨年よりも1万人余り多く、2年連続で10万人を超えた。

 函館市内の3神社で10万人を超え、このうち函館八幡宮(谷地頭町)が4万7200人(昨年比4400人増)で最も多かった。次いで亀田八幡宮(八幡町)の3万800人(同6000人増)、湯倉神社(湯川町2)の2万5000人(同1000人減)と続いた。

 函館以外では、江差町の姥神大神宮が1370人増の4970人に上った。

 ■観光施設

 五稜郭タワー(五稜郭町)の展望台搭乗者数は、昨年比280人増の5386人で、2007年から続けている1日朝の「初日の出営業」が過去最高の667人と好調だった。大場泰郎営業部長は「1日の特別営業は特に若い人の伸びが目立った。年々認知度が高まっているのを感じる」と話している。

 函館山ロープウェイ(元町)の利用者も、同921人増の1万5689人とにぎわった。同社営業担当者は「年末年始も外国人のお客様の姿が目立った。天候が良かったのも増加につながった」とみている。

 ■スポーツ施設

 函館七飯スノーパーク(七飯町東大沼)は昨年同期よりも3割ほど少ない2344人にとどまった。雪不足でオープンが12月下旬にずれこみ、ゲレンデの状態も部分滑走と万全でないため「なかなか集客に結び付かなかった」(同スキー場)としている。

 2日から今年の営業を開始している函館市民スケート場(金堀町)も、2日に雨が降った影響で昨年を下回る結果に。2日が昨年比347人減の721人だったが、3日は同59人増の1096人だった。(鈴木 潤、金子真人)