2016年1月6日 (水) 掲載

◎ネット予約で最大40%引き、道新幹線料金

 3月26日開業の北海道新幹線の料金について、JR北海道は5日、インターネット予約で片道切符を最大40%割り引くサービスを開始すると発表した。予約する時期によって割引率が違う2種類の切符を、2月26日から販売する。ただ、地元からは割引率への不満や利便性の低下を懸念する声も上がっている。

 乗車日の前日午後11時までに申し込む「北海道ネットきっぷ」は、新函館北斗-新青森5800円(割引率20%)、同盛岡1万940円(同15%)、同仙台1万5560円(同10%)、同東京2万1550円(同5%)。14日前までに申し込む「北海道お先にネットきっぷ」は、新青森4350円(同40%)、盛岡8360円(同35%)、仙台1万2110円(同30%)、東京1万7010円(同25%)とした。

 同社は「『行きと帰りで異なる交通手段を利用したい』などといったお客さまの声に応えて片道タイプとし、より使いやすく分かりやすい商品に設定した」とする。

 発表に対し、北海道新幹線は距離に換算すると全国で最も割高な路線となるため「もっと安くしてほしかった」(市内20代男性)などの割引率に対する不満の声は多い。また、駅や旅行センターで購入できない点など不便さを指摘する声も。函館商工会議所新幹線函館開業対策室の永澤大樹室長は「インターネット予約は便利に使える人と使えない人が出る可能性がある。割引率も含め、誰もが利用しやすい切符の造成を今後も働き掛けていく」と話した。

 JR北海道などは同日、青春18きっぷの利用者が北海道新幹線に乗れるようになるオプション券(2300円)の発売も発表した。(金子真人)



◎5月開催の国内最大級の指導者講習会、上磯中吹奏楽部がゲスト演奏

 【北斗】5月20~22日に静岡県浜松市のアクトシティ浜松で開かれる日本吹奏楽指導者クリニック(ジャパン・バンド・クリニック、日本バンドクリニック委員会など主催)に、北斗上磯中吹奏楽部がゲストバンドとして出演する。同クリニックは吹奏楽の指導者を対象とした国内最大級の講習会。同部は昨年10月の全日本吹奏楽コンクール金賞などが評価され、選出された。

 同クリニックは1970年から毎年開かれ、今回47回目。毎回、著名な演奏家や全国トップクラスのバンドを招いた多彩な講座、コンサートが行われ、国内各地から1000人以上の吹奏楽指導者が集まる。今回は上磯中吹奏楽部のほかに、全国区で活躍する小学校や高校、社会人バンド7団体も出演する。

 上磯中は初日のウェルカムコンサートに出演するほか、講座のモデルバンドを務める。また、日常の練習を実演公開し、顧問の中條淳也教諭が部活指導をテーマにした座談会に登壇する。

 上磯中は2013年と昨年の全日本吹奏楽コンクール中学校の部で金賞に輝き、14年の日本管楽合奏コンテストでも最優秀賞を受賞。吹奏楽の実績と合わせて、小中学生から高校、社会人の領域まで吹奏楽が盛んな北斗市の地域性も評価された。

 佐藤詩唯奈部長(2年)は「音楽に対する意識や気持ちの面を学びたい。さらに成長する良い機会」と意欲を見せる。

 昨年クリニックを受講した中條教諭は「自分もそうだったが、たくさんの指導者が金賞をとるバンドの奏法から普段の行動まで一つ一つの動きを注視していた」と振り返り、「そのような場で演奏する自覚と責任を持ち、選んでいただいた人の期待に応えられるよう全員で意識を高めて臨みたい」と語る。

 昨年11月から佐藤部長とともに川守雄斗(2年)、石川義智(1年)両副部長、高谷綺良学生指揮者(2年)の新役員体制がスタート。全力で目標に向かい頑張ろうと「全力疾奏」をスローガンに掲げる。川守副部長は「スローガンのように全員で目標に向かっていく雰囲気づくりをしていきたい」とさらなる飛躍を誓った。(鈴木 潤)



◎繁盛願い初競り、水産・青果卸売市場

 函館市内にある青果物、水産物を取り扱う両卸売市場で5日、新年恒例の初競りがそれぞれ行われた。新幹線時代の波に乗り、地域での消費と取り扱いの拡大を願う関係者の威勢のいい掛け声が、新春の市場に響き渡った。(蝦名達也、今井正一)

 ○…函館市水産物地方卸売市場(豊川町27)では卸売業者や仲卸人ら約300人が集まり、午前7時から「初売り式」を行った。

 開設者を代表し、工藤寿樹函館市長が「消費者のライフスタイルの変化や人口減少などさまざまな課題はあるが、今後も販路拡大、交流人口の拡大に取り組む必要がある」とし、国内外でのセールスに注力することを強調。北海道新幹線開業によって函館への注目度が高まることに期待し「多くの観光客を受け入れ、地元産品の有効活用を図りたい」と述べた。

 卸売業者、函館魚市場の松山征史社長は「卸売市場の現状から大幅な売り上げ拡大は困難だが、安全な水産物を安定的に供給することを使命とし、一丸となって一層の努力をしたい」と抱負を語った。

 式後は初競りが行われ、競り人の威勢のいい声が市場内に響き渡った。この日の入荷量は4日の海上が穏やかだったことから、昨年と同程度の約20トン。マダラが約10トンと最も多く、ババガレイやスルメイカの水揚げもあった。

 ○…函館市青果物地方卸売市場(西桔梗町589)では午前6時40分から「初せり式」を実施。函館巴太鼓による景気づけの太鼓が響く中、関係者が1年の活況を祈願した。

 片岡格副市長は「新幹線開業は地域の消費拡大、経済発展に寄与する。函館の魅力を支えているのが食。青果物市場は道南への供給はもちろん、大勢の人に新鮮な青果物を届ける拠点として欠かせない」とあいさつ。市場関係者を代表し、東一函館青果の木戸浦静男社長は「農業や食品産業への影響が避けられないTPP(環太平洋経済連携協定)や消費税増税時の軽減税率導入に業界としてどう対応していくかなど、課題に全力で取り組み、市場活性化に努めたい」と抱負を述べた。

 続いて、丸果函館合同青果の勝木敏孝社長の発声で三本締めし、今年の競りがスタートした。初日の入荷量は野菜が51・5トン、果実は15トンで、ほぼ例年並みだった。


◎作柄良好で僅少被害 15年産水稲、小麦、畑作物保険支払額

 道南NOSAI(北斗市東前、橋本清一組合長)は、2015年産水稲、小麦、畑作物の共済金(保険)支払額をまとめた。15年支払額は、前年比1293万円増の2531万円。小麦(秋まき、春まき)の被害がやや目立っただけで、総じてどの作物も作柄良好で僅少被害で済む見通しだ。

 水稲の支払額は8戸839万円。作況指数は渡島、桧山とも101の「平年並み」となった。

 小麦は秋まき、春まき合わせ支払額は28戸1367万円。収穫期の天候不順で細麦などの品質低下が発生した。金額被害率(最大補償額に対する共済金の占める割合)は3・9%。

 畑作物では、ジャガイモ(加工、種子、食用)は仮渡し1回目が9戸172万円、2回目は調査中で3月に支払う。大豆も調査中で3月に支払う予定。小豆の支払額は7戸152万円。ビート、生食用トウモロコシ、カボチャ、ソバは調査中で2月に支払う見込み。風害が発生したビートは森町で被害が深刻で、播種(はしゅ)や移植をやり直す事態となった。

 木村隆農作部長は「15年産は小麦の被害がやや目立ったものの、総じて作柄は良好だった。現在調査中の畑作物も大きな被害にはならない見通し」と話す。

 NOSAI(農業共済組合)は、農作物被害や家畜疾病にあたって農家を支援。農家が支払った掛け金を原資として自然災害で被害に遭った場合、程度に応じて共済金を支払う。国も掛け金を補助している。(山崎大和)