2016年2月1日 (月) 掲載

◎開設半年、函館アリーナ効果着々

 函館初の大型多目的施設「函館アリーナ」(湯川町1)が昨年8月1日の開館から半年を迎えた。人気ロックバンド「GLAY」によるこけら落とし公演を皮切りに、各種スポーツ大会やコンベンション会場として活用され、地域にはさまざまな形で「アリーナ効果」が波及。今年も「MICE」(マイス=会議や大会、展示会などの総称)会場として活用が広がろうとしている。

 指定管理者の市文化・スポーツ振興財団は、運営上の課題を日々改善しながら業務を進めている。小越康雄館長は「いろいろと大変だったが、何とか大きなイベントも乗り越え、主催者や利用者からは好評価をいただいている。気の抜けない日々だが、満足してもらえるよう取り組んでいる」と話す。

 スポーツ大会では昨年8月の全国中学校柔道大会、同11月の大学ハンドボールの全日本学生選手権大会では選手、関係者含めて数千人が来函し、観光面のにぎわい創出にもつながった。プロスポーツではバレーボールのVリーグ、フットサルの公式戦が行われ、今後は、バスケットボール、大相撲巡業が控える。

 また、地域住民の体育施設としての利用も堅調。市民団体だけではなく、個人客の利用が増えたといい、昼夜、年代を問わず来館。器具が充実したトレーニング室も人気で、コナミスポーツが担う「フィットネスプログラム」も気軽に安価に参加できると好評だ。

 一方、コンベンション会場としては、昨年10月の全国自治体病院学会は全国から約3600人が参加。市民会館と合わせて、花びしホテル(湯川町1)も分科会会場として利用された。スポーツ大会開催時の宿泊利用も好調といい、同ホテルの西村有人専務は「各業界が函館アリーナの宣伝に力を入れ、各大会の誘致につながっている」とオール函館の成果を強調。大会参加者が函館リピーターとなるようおもてなしにも力を注ぐ。

 今年も1000人以上規模の大会が既に数件予定されている。市観光部コンベンション推進課の里村昌則課長は「会場レイアウトや開催事例を写真で示すことができるようになり、誘致時の提案にも幅が出てきた。今後も主催者の要望に寄り添い、より多くの実績を積み重ねていくことで、アリーナの価値や評価が高まっていくはず」と話す。

 コンサートホールとしては、シンガーソングライター小田和正さんの全国ツアー会場のひとつに決定した。5月21、22日の2日間で8000人規模となる見通し。幅広い年代層のファンを持つ小田さんだが、函館公演はオフコース時代の1988年以来28年ぶりでソロでは初めてという。

 運営するウエス(札幌市)の若林良三常務は北海道新幹線で集客圏域が拡大することに加え、コンサートと観光の相乗効果を期待する。若林常務は「道外からコンサートを主な目的にして、観光も合わせて来てもらうことで、地元経済が潤い、北海道の活性化になれば」と話した。(今井正一)



冬の大沼 笑顔はじける

 【七飯】1月中旬から降雪が続き白銀の世界に様変わりした大沼国定公園で、大沼湖氷上アクティビティが始まった。スノーモービルやそりに乗っての島巡り、ワカサギ釣りなど、冬ならではの体験イベントが盛りだくさんだ。

 アクティビティを提供する大沼合同遊船(小泉真社長)によると、今シーズンは暖かい日が続いたことで営業開始日は1月30日となり、2007年の1月20日を上回り、これまでで最も遅くなったという。

 同31日は氷の厚さが約35センチとなり、氷上島巡りそりツアーや、ワカサギ釣りに大勢の観光客が押し寄せた。同社は「外国人観光客からはワカサギ釣りの人気が非常に高く、続々と利用している」とうれしい悲鳴をあげる。

 また、公園広場では6、7の両日開かれる「第50回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)に向けた準備が急ピッチで進められており、雪像制作の様子などを楽しむこともできる。

 アクティビティの営業時間は午前8時半から午後4時半。ただし悪天候の場合は休業。営業期間は3月初旬までを見込んでいる。小泉社長は「ぜひ足を運び、冬の大沼を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。詳細は同社ホームページ(http://www.onuma-park.com/)でも確認できる。問い合わせは同社「アイスパーク・スノーマン」(TEL0138・67・2229)へ。(野口賢清)



◎函商高3年、情報処理試験で好成績

 函館商業高校(川眞田政夫校長)の3年生14人が、情報処理推進機構が主催する試験で好結果を残した。「応用情報技術者試験」で同校から4年ぶり3人目の合格者が出たほか、「基本情報技術者試験」と「ITパスポート試験」でも努力を実らせた。高校3年間の学びを胸に、春からは一層の飛躍を目指し、それぞれの道に進む。

 情報系大学卒業程度の知識が求められ、高校生には難関とされる「応用―」に合格したのは、情報処理科の伊藤晋之介君。昨年春に「基本―」に合格した後、教材のDVDを自宅で視聴して学び、分からない箇所は教員に指導を受けた。今回の高校生合格者は道内で4人、全国でも44人。自信を付け、公立はこだて未来大に進学する。「実践的な情報技術を究め、将来的にはシステム開発に携わりたい」と目を輝かせる。

 高校生の合格率が17・1%だった「基本―」には3人が合格。昨年4月の試験で涙をのんでいた野田愛莉さんは「悔しさの分、講習や自宅学習で懸命に勉強した」と振り返り、「事務職に就くので、知識を生かせれば」と意気込む。

 「ITパスポート試験」では、国際経済科1人、流通ビジネス科9人が合格。同科では本年度初めて「課題研究」の授業で試験対策に取り組んだ。道教育大函館校に進む遠藤美紗さんは「うれしい。函館商業で学んだことを糧に、函館の地域おこしに貢献したい」と笑顔を見せる。(稲船優香)


◎13、14日に北方領土復帰期成同盟渡島地方支部が啓発イベント

 1月21日から始まった北方領土の日(2月7日)特別啓発期間に合わせて、北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)は13、14の両日、イトーヨーカドー函館店(美原1)で、啓発イベント「北方領土おしま祭」を開催する。

 同祭は昨年8月から渡島総合振興局や函館市とともに定期的に開いていて、今回で3回目。催しで集客を図りながら、署名活動や啓発資料の配布も合わせて行っている。

 今回は和太鼓や吹奏楽などステージイベントを初めて企画した。13日は、函館高丘、函館駒場の両小学校吹奏楽部のほか、函館巴太鼓、和太鼓サークル「とことん座」が演奏を披露。14日は、北斗市公認のご当地アイドルグループ「北斗夢学院桜組」や、バトントワリングの「ハーツバトン」、北美原ドリームオーケストラが出演する。

 また、函館市内・近隣のご当地キャラクターも随時登場し、参加者と交流する。両日とも時間は午前10時半~午後4時。

 同期間中は、おしま祭のほか、渡島管内の市町や企業約60カ所を訪問して署名の協力を呼び掛ける返還要求キャラバンを実施。5、7、11日は金森BAYはこだてやイトーヨーカドー函館店で署名活動を予定している。

 同支部の工藤孝幸事務局長は「イベントを通じて関心を持ってもらい、返還要求運動の盛り上げにつなげていきたい」と話している。

 問い合わせは同支部(☎0138・87・0214)へ。(鈴木 潤)