2016年2月16日 (火) 掲載

◎開業年 大役任せて ミスはこだてに稲村、土井さん

 2016年度の函館の親善大使を決める「第37回ミスはこだてコンテスト」(函館国際観光コンベンション協会主催)が14日、ホテル函館ロイヤルで開かれた。応募者8人の中から大学3年生(学校名は非公表)の稲村舞さん(21)と会社員の土井みずきさん(23)が栄冠に輝き、2人は〝北海道新幹線開業の顔〟としての活躍を誓った。

 ミスはこだては4月から1年間、函館をPRするために全国のイベントや物産展などで活動する。この日は同協会の渡邉兼一会長ら10人の審査員による1次審査で4人に候補を絞り、続く2次審査では参加者の自己PRなどが行われた。

 ステージ上に4人が並んだ最終発表では家族や友人らが見守る中、稲村さんと土井さんの名前が読み上げられ、2人は満面の笑顔で祝福の拍手に応えていた。表彰式では現ミスの山原有未さん(27)と岩舘りなさん(22)が登場し、2人にたすきとティアラが引き継がれた。

 新ミスはともに函館出身。稲村さんは「幼い頃に函館港まつりのパレードに参加するミスはこだてを見て『いつか自分もなりたい』と思っていたので夢のよう。函館の良さを全国に伝えたい」と話した。土井さんは「旅行が趣味なので全国各地を訪れるのが楽しみ。地元の人たちも知らないような、新たな函館の魅力を掘り起こしたい」と意欲を見せていた。(小川俊之)



初春巴港賑 名場面〝役者〟に大喝采

 道南各界の名士が出演する市民歌舞伎「初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」第38回公演(実行委、函館市文化・スポーツ振興財団主催、函館新聞社など後援)が14日、函館市民会館で開かれた。歌舞伎十八番の名作「勧進帳」などが演じられ、満員となった1370人の観客を楽しませた。

 幕開けの「口上」では、三戸部正行渡島総合振興局長、逢坂誠二衆院議員、前田一男衆院議員、久保俊幸函館商工会議所副会頭、今均実行委員長(医療法人大庚会理事長)らが、3月の北海道新幹線開業を機に道南の発展へ全力を傾ける意気込みなどを述べた。

 恒例の「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」は日本駄右衛門ら5人の盗賊が七五調の言い回しで生きざまを語り、捕り手との戦いを制し、ポーズを決めた。続く「寿春巴初舞(ことほぐはるともえのまいぞめ)~春夏秋冬」には13年ぶりに函館邦楽舞踊協会が出演し、四季や春を迎える喜びを艶やかに舞った。

 「勧進帳」は、源義経が源頼朝からの逃亡を成功させるため、安宅の関(石川県)で、偽の勧進帳を読み上げる武蔵坊弁慶と関守の富樫左衛門の「山伏問答」や、富樫がみせた情け、酒を飲んだ弁慶の「延年の舞」といった見どころに大きな拍手が起こった。

 この日はバレンタインデーとあって、幕間には演者が客席に降りてチョコレートを配るサービスや、監修を務めた歌舞伎俳優大谷桂三さんのおいにあたる歌舞伎俳優・尾上松也さん、親交のある大相撲の大関・琴奨菊関らのビデオレターも披露された。

 大谷さんは「来年は松也が稽古から入り、この舞台でごあいさつすることになると思う。これからも初春巴を市民の風物詩としてご認識、ご声援をお願いしたい」と話した。(山崎純一)



◎ガーデンシティ構想、今夏めどに方向性

 函館市は新年度、今後の魅力的な街並み整備の方向性を示す「ガーデンシティ構想」を夏ごろをめどに取りまとめる。工藤寿樹市長の肝いり施策で、計画期間は新年度から2030年度までの15年間。観光客が多く訪れるエリアを中心に、地域のイメージに合わせた街路整備を進め、まち全体の魅力が高まるような将来像を描く考えだ。新年度予算案には関連事業として「開港通り」の整備費を計上している。

 西部地区は歴史的建造物が点在し、1年を通じて多くの観光客が訪れるが、街路整備は1984年度の大三坂から始まった。以来、基坂や八幡坂、港ケ丘通りなど、04年度まで石畳の舗装、電線類地中化など段階的に整備が進められた。金森赤レンガ倉庫などが立ち並ぶウオーターフロント地区も、88年の青函トンネル開業に合わせて開発が進んだ地域だ。

 ガーデンシティ構想は西部地区での手法を参考に街並み整備を進める。北海道新幹線が札幌まで延伸する30年度に照準を向けた「ポスト新幹線時代」の新たな取り組みとして、観光客でにぎわう湯川地区、駅前地区、本町地区といった重点エリアの設定、地域ごとのイメージや整備手法などを盛り込む方向で、今夏をめどに取りまとめる。市企画部計画調整課は「15年後、20年後の街の姿を見据え、街全体が公園のように歩いて楽しいまちとなるよう検討を進めている」とする。

 同構想の第1弾として、新年度予算案には開港通りの整備に1億円を計上。開港通りは、市道「中臨港通」と「二十間坂通」の一部(約1・5キロ)の愛称で、函館朝市からウオーターフロント地区、西部地区を結ぶ路線として観光客の往来も多い。

 整備区間は、東雲広路から豊川広路間の約600メートル。市土木部道路建設課によると、現状は幅員18メートルの道路で両側各4メートルの歩道がある。新たに車道部分の停車帯を狭め、函館港側の歩道を1メートル拡幅。99~00年度に整備した明治館前などと同様に平板ブロックを敷いて、「開港通り」としての連続性を持たせる。

 また植樹帯も整備し、街路樹も低木(ツツジ)から高木への植え替えを検討。既設の観光街路灯はそのまま活用する。同課は観光のトップシーズンを避けて事業を進める考え。(今井正一)


◎新駅北側に田んぼアート 実行委設立

 【北斗】北海道新幹線が開業する今年、北斗市内で本格的な「田んぼアート」が制作される。新函館北斗駅の北側(市渡)85アールの圃場(ほじょう)に、色の違う観賞用稲で絵や文字を描き、利用者が駅舎2階から観覧できるようにする。

 15日、市農業振興センターで「北海道水田発祥の地市田んぼアート委員会」の設立会議が開かれ、委員長にJA新はこだて青年部北斗地区青年部長の齊藤哲也さん(34)が決まった。

 地権者から土地を借り、図柄は市公式キャラクター「ずーしーほっきー」や道南ブランド米「ふっくりんこ」を想定。3月中旬までにデザインを決め、6月5~12日に田植えを行う。市民や高校生、小中学生に体験学習の場を提供するほか、市観光協会(佐々木博史会長)が体験ツアーを商品化する予定。7月10日~8月20日、9月10~20日ごろが見頃としており、9月下旬または10月上旬に稲刈りをする。

 青森県から取り寄せる観賞用稲8品種、地元の主食用米1品種を植える方向で苗の準備を進める。

 委員会はJA青年部、市米穀振興会、市水稲採種組合、渡島農業改良普及センター、市、市観光協会、JA新はこだての22人で構成。渡島総合振興局がオブザーバーを務める。齊藤さんは「駅利用者はもちろん、地元住民にも喜んでもらえるアートを作り、新たな名所にできれば」と意気込んだ。

 昨年、食育活動の一環で市渡の田んぼ7アールで試験的に田んぼアートが行われた。今年は新幹線開業に合わせ、JAや市が中心となり北斗らしさをアピールしようと企画した。(山崎大和)