2016年2月17日 (水) 掲載

◎函館市人口26万6117人、1万3千人減

 函館市は2015年国勢調査の速報集計を発表した。昨年10月1日現在の市の人口は26万6117人で10年(27万9127人)と比較して1万3010人(4・7%)の減少。道内179市町村で最多の減少数だった。市総務部によると、出生数を死亡数が上回る自然減による減少人数が転出超過に伴う社会減を上回っており、少子高齢化による影響が顕著となっている。

 男性は前回比6612人減少の12万434人、女性は同6398人減の14万5683人だった。1世帯当たりの平均人員は0・06人減少の2・15人となった。現在の市域で合算した人口を比較すると、今回の結果は、1947年の26万9723人も下回った。

 旧市域(本庁と湯川、銭亀沢、亀田の各支所管内)は同1万1071人(4・2%)減の25万4286人。戸井は同446人(14・3%)減の2682人、恵山は同557人(15・7%)減の2996人、椴法華は同185人(16・9%)減の910人、南茅部は同751人(12・5%)減の5243人だった。東部4支所管内は減少率がいずれも2桁で、椴法華は1000人を割り込んだ。

 また、減少数は、前回調査(05-10年)の1万5137人と比較し、今回(10-15年)は約2000人抑制した形だが、国勢調査で過去最多の減少数だった前回、90年調査に次いで3番目に多かった。住民基本台帳ベースで同時期の人口動態を比較すると、前回調査時は自然減約6700人、社会減約9700人だったのに対し、今回は自然減約9500人、社会減5300人となり、減少の構造が大きく変化した。

 社会減の抑制の要因としては、大規模な宅地開発や梁川町の大型マンション建設が進んだことなどを背景に、北斗、七飯への人口流出が止まり、逆に両市町からの転入が増加した。ただ、進学や就職などを理由とした15~24歳の転出超過が依然として多いという。同部の高橋良弘部長は「高い減少率ではあるが、減少理由が社会減から自然減に移行してきている。V字回復というわけにはいかないが、人口減少を鈍化させるための対策が求められている」とした。

 今回調査から初めて導入したインターネットを利用した回答者は全体の29・6%、郵送による回答は51・8%、調査員による回収が18・6%だった。(今井正一)



桧山の減少率が最も高く、国勢調査

 道によると、渡島2市9町の人口は前回調査(10年)に比べ5・3%減の40万4987人となった。桧山7町は10%減の3万7863人となり、14振興局の中で最も減少率が高かった。

 渡島で減少率が高かったのは松前(16・1%減)、木古内(14・9%減)で、道内でもワースト5位タイ、8位に入る。

 桧山は全町で10%前後の減少率となった。せたな11・7%減、乙部11・4%減、奥尻11・2%減などで、減少率の高い町が多かった。道総合政策部は「桧山は高齢化、過疎化が急速に進んでいる」とみて、今後も人口減少が続くと見通す。

 全道の総人口は2・2%減の538万3579人。唯一、札幌を含む石狩管内が1・5%増と伸びたほかは軒並み減少し、人口減少傾向が顕著になっている。(山崎大和)



◎北斗市新年度予算案2年ぶり増、205億7464万円

 【北斗】北斗市は16日、2016年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は前年比5・4%増の205億7464万円となり、2年ぶりのプラス編成。北海道新幹線新函館北斗駅前に建設中のホテル複合施設の1階部分の買い取りや、運動公園拡充の大型事業予算を計上したため。6特別会計と水道事業会計を合わせた全会計総額は2・4%増の346億7055万円。3月1日開会予定の市議会定例会に提案する。

 一般会計の歳入は、市税が0・9%増の49億277万円。地方交付税は3・2%増の59億7577万円とした。

 歳出は民生費が5・3%増の83億3858万円、土木費が11・7%増の25億6153万円、公債費が4・7%減の22億2835万円。

 主な新規事業では、複合施設の1階部分の買い取りに4億8075万円。約1300平方メートルを市が取得し、物産館として運営する。運動公園拡充に3億5517万円。16~19年度に総事業費14億9000万円を掛けサッカー、ラグビー兼用グラウンド(2面)を新設する。16年度は用地取得、実施設計を行う。新駅にぎわい創出イベント開催事業に5500万円。西側公園で5~11月の土曜休日の70日間にわたり「食」でもてなすイベントを道と連携し開催する。策定した地方版総合戦略の新規事業では2億2000万円を計上した。拡充事業では、野崎霊園整備事業に7744万円を盛り込んだ。

 人口減少対策の柱となる出生率向上に向け、子育て支援の一層の充実を図る。産前産後サポート事業に297万円、不妊治療助成に750万円を充てた。このほか、道南いさりび鉄道の通学定期料金の値上げ分を16年度は全額補助し、予算額は950万円。

 高谷寿峰市長は「新幹線効果を生かし、新しい北斗市創生をスタートさせる」と強調した。(山崎大和)


◎青函トンネル内で避難訓練

 3月26日の北海道新幹線開業に向け、JR北海道は16日未明、青函トンネル内(約54キロ)で2度目の避難訓練を実施した。同社の社員や消防関係者ら約100人が参加。北海道新幹線車両「H5系」が故障し走行不能になったという想定で、金属製の「渡り板」を使い、乗客を救援列車へ誘導する手順を確認した。

 午前1時ごろに新函館北斗駅を出発した新幹線は40分後、車両不具合が生じたとして、トンネル入り口から約30キロ過ぎた付近に停車。新青森駅を出発した救援車両が同2時10分ごろに到着、徐行して停車中の列車に横付けした。その後、長さ約1・5メートル、幅約45センチの渡り板を両列車のドアの間に設置し、車掌らの誘導を受けた乗客役36人が約10分かけて慎重に移動、救援列車は新函館北斗駅に向けて運行した。

 9日の訓練では送電の切り替え操作ミスによる停電で、救援車両が緊急停止する想定外のトラブルが発生したが、この日は無事に工程をこなした。同社の田畑正信常務は「予定通りしっかり行うことができた。前回のアクシデントを糧に改善すべき点は見直し、開業に備えたい」と述べた。(山田大輔)


◎上下線7本でH5系運行、ダイヤ判明

 3月26日に開業する北海道新幹線で、JR北海道が投入する新型車両「H5系」を使用して運転する列車のダイヤが16日、判明した。上りは、新函館北斗発の一番列車となる午前6時35分の「はやぶさ10号」など3本、下りは仙台始発同6時40分の「はやぶさ95号」など4本で雄姿を披露する。

 上下線7本のうち、新函館北斗駅を発着するのは4本。上りははやぶさ10号と同駅午後0時44分発の「はやぶさ22号」、下りははやぶさ95号のほか、東京同5時20分発の「はやぶさ29号」で使用される。

 このほか、東北新幹線内を運行する列車として、新青森同5時44分発の「はやぶさ32号」、東京午前11時20分発新青森行きの「はやぶさ17号」、東京午後9時44分発仙台行きの「やまびこ223号」で起用される見通しだ。

 1編成10両のH5系は、JR東日本の東北新幹線車両「E5系」がベース。普通車の床に雪の結晶をモチーフにした独自のデザインなどを描いているのが特徴で、JR北海道が4編成を導入している。(山田大輔)