2016年2月18日 (木) 掲載

◎指定券26日発売 窓口は混雑必至

 3月26日に開業する北海道新幹線の指定席切符が今月26日午前10時に発売される。他地区の例を基にすると一番列車は1分以内に完売となることが予想され、開業日の指定券が〝プラチナチケット〟となるのは必至だ。一斉発売に先がけ、JR東日本はインターネットを通じて特急券の予約ができる「えきねっと」で、19日午前5時半から事前受け付けを開始する。

 JR西日本によると、昨年3月に開業した北陸新幹線では、東京―金沢間を最速で結ぶ「かがやき」の初便の指定席券が25秒で完売。最上級車両「グランクラス」は、開業日に運行した31往復の1116席が20分以内に売り切れたという。

 26日から全国の「みどりの窓口」などで一斉発売となる北海道新幹線の一番列車のチケットは、旅行会社の団体枠がない。入手できるかどうかは発売後の一瞬の差で決まることから、JRの駅窓口には当日、多くの希望者が殺到することが想定される。JR北海道は「張り紙などを通じて発売日前日から並ばないよう呼び掛け、混雑緩和策についても検討したい」とする。

 一方、「えきねっと」は会員登録後に予約申し込みが可能となり、窓口に並ぶ手間は省けるが座席を確約するものではない。座席の割り当ては、26日午前10時から窓口販売分と同時に機械的に行われ、予約成立の可否はメールで通知される。

 開業日に新函館北斗駅を発着する新幹線は、臨時便3本を加えて16往復32本。始発は、上りが新函館北斗午前6時35分の「はやぶさ10号」、下りは新青森発の「はやて91号」と東京発の「はやぶさ1号」で、ともに同6時32分に出発する。(山田大輔)



若松さん特許取得 ビニールハウス用暖房システム考案

 函館市西桔梗町でトマト農園を営む若松健二さん(68)はこのほど、ビニールハウスの暖房システム「薪ストーブ及び温水供給装置」を考案し、このほど特許を取得した。熱効率の良さが特徴で、廃材も燃料として活用できるため燃油コストの削減効果も期待される。今後、鉄工業者に製造を委託し、市販化する計画だ。

 同システムは温水タンク付きまきストーブを熱源とし、タンク内の水を加熱して、温水を循環させる仕組み。

 まきストーブを使った類似システムの特許事例はあるが、若松さんが考案したのは、まきをくべる燃焼室と温水タンクが接着した造りとなっており、排煙の熱も加熱に利用する。類似の暖房設備と比べタンクに貯めた水を短時間で効率良く暖め、まきを燃焼する際に発生する黒煙を低減させた点などが特許の決め手となった。ハウス内では畑地に配管し、循環する温水で土や室内を暖める。

 若松さんはもともと物づくりが好きで、日頃から農業のコスト削減策を考えてきた。ハウスのボイラーに使う燃油が高値で推移していたこともあり、2013年9月に装置の製作に着手。この年の冬から、完成品を既設のボイラーと併用して試験的に使用した。特に1~3月は苗の生育に重要な地温を確保する必要があり、暖房をフル稼働させなければならない。装置を冬場2シーズン運用し、燃油コストを年間7~8割の削減に成功した。

 現在は日中、まきストーブだけで十分暖をとることができ、夜間帯に数時間ボイラーを稼働させる程度という。実用化にめどが立ち、昨年9月に特許庁に申請。同年12月に登録された。

 06年の廃油ストーブに続き、今回で2例目の特許となった若松さんは「農家の力になりたいと思い考えた。コンブの乾燥や住宅の床暖房にも応用でき、活用の場が広がればいいですね」と話している。(鈴木 潤)



◎特定空家120戸解消目標

 函館市は空家対策特別措置法に基づく「市空家等対策計画」の素案をまとめた。空き家が多い西部地区と中央部地区を重点対象地区に設定。2016年度から5年間の計画期間に、同地区で50戸の空き家や除却後の土地の活用、倒壊の恐れのある特定空家120戸の解消を図る。市は新年度予算案に空き家解体補助制度を新設するなど、関連予算を計上している。

 17日に市役所で開いた市空き家等審議会(会長・米塚茂樹弁護士)で素案を了承した。内藤敏男都市建設部長は「計画の取り組みを進めることで居住環境の改善と地域活性化につながると考えている」と述べた。

 各種統計や調査などによると、全市の空き家戸数は約2万3000戸あると推計される。1ヘクタール当たりの空き家密度は全市平均で約9戸だが、西部地区が約28戸、中央部地区が約12戸と多い状況にあり、早期改善と街なか居住を促進する観点から両地区を重点対象地区に設定した。

 居住可能な空き家は、道が開設する「情報バンク」への登録を促す。危険な状態にある空き家所有者に対しては、特措法や市の条例に基づいて適切に対処することなどを計画に盛り込んだ。市は今後、重点地区を優先的に実態調査を進め、データベース化を進める。

 一方、空き家対策を推進する関連事業として、新年度予算案には空き家の解体工事費の一部を補助する空家等活用促進補助金に600万円を計上。上限額を30万円として補助する制度で、市は年間20戸、5年間で100戸の空き家解消を見込む。

 また、利活用が可能な空き家に子育て世帯が入居する場合、リフォーム費用を補助する制度も創設。補助対象経費の20%以内、100万円を上限に設定し、500万円の予算を計上した。両補助制度の対象地域は重点地区内となる。

 素案は市の政策会議を経て、3月にパブリックコメントを実施する。(今井正一)


◎マグ女、10月から「セイカン博覧会」

 道南と青森でまちおこしに取り組む女性たちのグループ「津軽海峡マグロ女子会(通称・マグ女(じょ))」が10月1日~11月15日、青函の各地域で多彩な観光プログラムを展開する「セイカン●博覧会」を開催する。北海道新幹線開業を契機に、津軽海峡圏の周遊観光を盛り上げたい考えだ。

 同会のメンバーは道南と青森合わせて68人。飲食店経営者、銀行員、自治体職員など、さまざまな職種の女性で構成する。

 同博覧会は、期間中にそれぞれの地域のメンバーが企画したプログラムを展開し、地元の文化、歴史、グルメなどを発信する。木古内町ではメンバーがガイドするまち歩きや寒中みそぎの体験、青森県五所川原市では地元マグ女お薦めの店をはしごする「ほろ酔い散歩」など、各地で50~60のプログラムを用意する。

 3月7、8の両日には、同博覧会のPRとともに新幹線開業を盛り上げようと、メンバー8人による「マグ女が勝手に盛り上がる! 北海道新幹線あっためキャラバン」を実施。新幹線駅が置かれる青函4市町などで地域の魅力を発信する。7月1~10日には、大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン(DC)」の特別企画として、同博覧会のプレイベントも開催する。

 道南側のリーダー、杉本夏子さんは「新幹線は開業してからが本番。10年、20年と継続できる活動で青函を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。(金子真人)(注:●はハートマーク)