2016年2月19日 (金) 掲載

◎市函高美術部、ポスター甲子園で初グランプリ

 市立函館高校美術部が、学校行事などをPRするポスターのコンテスト「第11回全日本学校ポスター甲子園」でグランプリに輝いた。おととし、昨年と2年連続準グランプリを経ての栄冠。「誰もが共感するクオリティーの高い作品」と評価された。

 コンテストは印刷会社総北海(旭川)の通販部門「印刷通販プリントコンシェル」が主催。全国の高校や大学など71校から79作品が寄せられた。

 美術部は過去2度の出品同様、学校祭「柳星祭」(昨年7月)の告知ポスターを提出。部長の高橋琴美さん(17)と對馬彩乃さん(同)、中野志保さん(16)の2年生3人が原案を、顧問の佐々木龍教諭が撮影を担当した。

 「見た人が自分の高校生活を思い返すようなポスターを」と、6月に制作に取り掛かった。「制作時間の半分は構図に費やし、意見がぶつかることもあった」と高橋さん。イメージに合うロケーションを探し続け、採用したのは校舎2階の教室。窓の外で青々と茂る木は真面目な在校生のクールさを表現。一方、2人の生徒がたたずむ教室は、柳星祭に懸ける情熱やムードの高まりを表すよう、赤みを帯びた色調でまとめた。

 写真の上下には、これまでの柳星祭の写真をネガフィルム風に。キャッチコピー「また来たね、この季節。」を添え、走馬灯のように過去を振り返りながら、「今年も楽しい柳星祭に」という期待感を表した。

 3人は「先輩が頑張っていたから、『今年も良い結果を』というプレッシャーはあった。まさか受賞できるとは」と笑顔。「妥協しなかったことが自信につながった」と声をそろえた。佐々木教諭は「生徒が悩み抜いて作品づくりに取り組んだ経験が、結果につながって良かった」と努力をたたえた。(稲船優香)



末広地区を港湾緑地化

 函館市は新年度、老朽化している末広地区の港湾施設整備に着手する。金森赤レンガ倉庫群などが立ち並び、観光客が多く行き交うベイエリアの一部で、港湾緑地として改修を実施。海を眺めながら休憩したり、散策できるスポットとして整備する。

 港湾事業特別会計の新年度予算案に環境整備事業費として、関連予算5700万円(弁天地区護岸整備費含む)を計上した。市港湾空港部によると、新年度は測量や設計を実施し、2017年度から3年かけて工事を行う計画。

 整備場所は「スターバックスコーヒー函館ベイサイド店」の店舗横から「函館西波止場」の店舗裏に抜け、東浜桟橋(旧桟橋)の手前までのL字型になった約260メートルの区間。途中、新島襄の出国をモチーフとしたブロンズ像が飾られている。

 現在は、かつての大間航路フェリーの関連施設が残るほか、護岸が老朽化しているため、一部の立ち入りを禁止している。低気圧接近時などには海水が上がることもあるという。

 今後、傾斜した護岸を改修し、遊歩道を整備し、ベンチや照明灯も置く計画。石畳が敷かれている倉庫群側の道路とのイメージの連続性も考慮する。八幡坂を下った先に市民や観光客が港を眺めて休憩、散策できる場所を整備することで、西部地区とベイエリア地区の回遊性向上も期待される。今夏策定する「ガーデンシティ構想」にも同事業を位置付ける方針。(今井正一)



◎市医療・介護連携支援センター概要公表

 函館市医療・介護連携推進協議会(座長・藤田秀樹市保健福祉部長)の第4回会合が18日、市総合保健センターで開かれた。事務局の市は、2017年度、市医師会病院内に開設予定のワンストップ窓口「市医療・介護連携支援センター」の概要を公表し、同協議会の承認を得た。

 同センターは医療・介護関係者の多職種連携を支援したり市民からの相談に対応。市は医師の情報を網羅し、関係多職種の業務を専門的に理解できる機関として、同医師会を協力団体に選定。市は設置準備経費に約2000万円を16年度予算案に計上した。

 スタッフは医療・介護の実情や仕組みに精通した看護師1人、ソーシャルワーカー2人、事務1人の計4人体制。業務は退院の際の、医療・介護関係者間の調整を行ったり、市民からの医療措置、訪問看護に関する相談に対応したりする。

 市保健福祉部によると、同センターと同様の役割を担う相談窓口を持つ東京都豊島区は、人口約28万人と市と同規模で、昨年度延べ2662件の相談に対応。ただ高齢者人口は函館の方が多く、豊島区以上に相談が寄せられることが考えられる。

 このほか、同センター機能である急変時の対応ルールの整理や医療・介護双方の情報共有ツールの導入などについて、関係者の意見や実態を踏まえ検討する部会をいくつか設置し、体制強化に努めることを確認した。(蝦名達也)


◎函館らしさ前面に フルマラソンPRポスター完成

 美しい街の、眺めのいいコースですー。北海道新幹線開業記念として6月26日に開催する「2016函館マラソン」(実行委など主催)大会をPRするポスターがこのほど、完成した。函館初のフルマラソンのコースとなる金森赤レンガ倉庫群の街並みを全面写真で紹介。ランナーに、観光都市函館の魅力を伝えるポスターに仕上がった。

 昨年のポスターは新幹線開業前年で、新幹線車両をイメージさせる緑・紫色を背景色に、ランナーや市民応援団の写真を複数掲載。今年はフルの特徴である西部地区のコースや、函館山を眺めながら走ることができる点をアピールしようと、デザインを一新。「美しいー」のキャッチコピーと函館山を正面とした風景が「函館らしさ」を強調する。

 B1サイズで、昨年の2・8倍に当たる700枚を作成。3月初めから、市内公共施設や同大会協賛各社の事業所などで貼り出す。また、新幹線開業による注目度を生かし、初めて東京駅以北の新幹線停車駅や道内の主要駅などで、出場申し込み開始(3月14日)前に1週間ほど掲示する予定だ。

 このほか、今年から大会ホームページをスマートフォンからも確認できるよう変更するなど、大会周知を活発化させている。同委事務局は「新幹線を機に本州からの参加者を多く募り、函館の街並み風景を楽しんでほしい」としている。(蝦名達也)