2016年2月2日 (火) 掲載

◎受け入れ環境大丈夫? 外国人目線で厳しく点検

 北海道商工会議所連合会(道商連)と函館商工会議所などによる外国人受け入れ環境の点検事業が1日、函館市内と近郊で始まった。道内の大学に通う4人の外国人留学生を招き、建物内の案内表示のわかりやすさなどを確認。新函館北斗駅では、多言語対応や乗り換え案内のサインについて改善を求める意見が出され、3月26日の北海道新幹線開業を前に課題が浮き彫りとなった。

 年々増加する海外客の受け入れ環境整備につなげようと初めて企画。新幹線開業で観光客の増加が見込まれる道南の商業、観光施設を舞台に2日間の日程で行われる。  この日参加したのは、札幌国際大学などに通う男子1人と女子3人で、国籍はタイ・台湾・韓国・香港。留学生は同駅で小松義和副駅長の説明を聞きながら、熱心にチェックシートにメモを取っていた。

 けて北斗市総合分庁舎で行われた意見交換で、タイの女子留学生パックティダー・ナワウィチャーボーンさん(25)は「英語が話せないタイ人もいるので、現在の4カ国語表記では不安。土産店も免税対応するべきだ」と指摘。香港の女子留学生リョウ・ホウヘイさん(23)は「案内サインにイラストがあるのは良いが、小さい。駅の1階に列車の運行情報などを知らせるパネルがほしい」と提案した。一行はこのほか、函館市内のホテルでチェックイン業務などを確認した。

 道商連の長野州一事務局次長は「満足度を上げないと、外国人客のリピーター獲得につながらない。留学生の意見を参考にしながら関係機関と連携し、案内表示などの分かりやすさを追求したい」としている。

 2日は函館朝市や金森赤レンガ倉庫などを訪れるほか、函館バスの元町・ベイエリア周遊号に乗車して、点検作業を行う。(山田大輔)



函ラ・サール高で道南トップの卒業式

 函館ラ・サール高校(フェルミン・マルチネス校長)で1日、道南の高校トップを切って卒業式が行われた。学びやで過ごした思い出を胸に、それぞれの道を歩み出す。

 54期生205人のうち、受験などで欠席した生徒を除く165人が出席。担任教諭から名前を呼ばれると、ステージ上で大きな声で返事をし、卒業証書を受け取った。

 マルチネス校長は「ラサーリアンとして行ってらっしゃい、帰ってくるたびに良い知らせを持ってきてください。次の人生のステージに輝いて」とエールを送った。

 在校生代表の佐藤圭君の送辞の後、卒業生の渡部朔太郎君が「今の環境に感謝の心を忘れず、より良くなる方法を模索し、最後までやり遂げることができれば、どんな壁も壊せる」と力強く話し、在校生や教職員、仲間、両親に感謝の思いを伝えた。

 卒業生は同校グリークラブの合唱に送られて退場。旧友や恩師との最後の時間を過ごした。(稲船優香)



◎春節到来、道南圏の周遊増期待

 中華圏の旧正月「春節」(8日)を間近に控え、今年も多くの外国人観光客の来函が予測される。昨年までチャーター便のみだった中国との国際航空路は今年は3路線が定期化されており、5日開幕の「さっぽろ雪まつり」(11日まで)と春節休暇の期間がほぼ重なることから、道南圏への周遊増加が期待されている。

 今年の春節の休暇は7日から13日までの1週間。函館でもこの時期に「函館海上冬花火」(6~10日、実行委主催)が企画されるなど、春節の観光客を出迎える動きが定着している。

 函館空港の国際定期便は現在、台湾(台北)が2社で週8往復、中国は3社が北京、天津、杭州との間にそれぞれ週2往復ずつ運航している。2日~16日は、中国東方航空による上海からのチャーター便が計7往復決まっている。

 2014年度の市内の外国人宿泊客数を見ると、台湾人は昨年1~3月の各月は2万人前後で推移し、春節の2月だけ急増する傾向は見られなかった。一方、中国人の宿泊は1月の約6000人が2月には1万2000人とほぼ倍増し、3月には再び6000人台に落ち着いた。ビザ発給要件が同1月に緩和されたことも後押しとなり、〝春節特需〟が顕著に表れた。

 また、本年度上期(4~9月)は国内全体の外国人客の入り込み増加もあり、台湾人の宿泊が前年同期比6・5%増、中国人が162・5%増となった。市観光部国際観光課は「例年、下期の伸び率の方が上期よりも大きい。本年度の中国の伸び率を考えると、春節時の入り込みがどの程度増えるのかは予測はできないが大幅に増えるはず」と期待している。(今井正一)


◎「新たな北斗市 創生」合併10周年式典、高谷市長が決意

 【北斗】旧上磯、大野両町が合併してできた北斗市の誕生10周年記念式典が1日、市総合文化センターで開かれた。市民や来賓ら約200人が出席し、3月26日の北海道新幹線開業効果を生かした郷土の発展に努めることを誓った。

 高谷寿峰市長は式辞で「本市は明るい未来に向かって順調にまちづくりが進展している」と10年を総括。「開業効果を最大限に引き出すため、観光振興による交流人口の拡大や企業誘致による雇用創出を図り、道の振興をリードする南北海道の交通拠点として期待されている。今年は新たな北斗市を創生していくスタートの年としなければならない」と決意を述べた。

 池田達雄市議会議長は「市政発展のため、今後も旧両町の文化と伝統を継承しつつも、なお一層の融合・融和を図り、市民を挙げて努力していく」とあいさつ。来賓の原田淳志総務省官房地域力創造審議官、荒川裕生副知事、前田一男、逢坂誠二両衆院議員、横山信一参院議員が祝福した。

 また、特別表彰や特別市民栄誉賞、市民栄誉賞など75個人・団体の栄誉をたたえた。北斗市は2006年2月1日、道内35番目の市として誕生した。(山崎大和)