2016年2月22日 (月) 掲載

◎知内カキ・ニラまつりに9000人

 【知内】町の2大特産品カキとニラを堪能できる人気イベント「2016年しりうち味な合戦冬の陣 カキVSニラまつり」(実行委主催)が21日、町内の2会場で開かれた。町内外から約9000人が訪れ、新鮮な農水産物を使った数々の料理に舌鼓を打った。

 旬を迎える特産品を多くの人に味わってもらおうと毎年開催している。町中央公民館会場では、殻付きカキやむき身、知内産ニラ「北の華」を安価で提供。長い行列ができ、箱ごと購入する客も見られた。屋外では自ら調理できる焼きガキを食べようと多くの客が並び、予定より30分以上早くオープンした。

 町スポーツセンター会場では「カキの味噌焼き」「ニラ入りチヂミ」「ニラとじそば」「カキ入りカレー」「カキニラピザ」など約20種類の創作料理がずらり並んだ。この日販売と料理に使ったカキは約6万2500個、ニラは約2万束だった。

 毎年訪れるという函館市の主婦工藤洋子さん(66)は「蒸しガキもニラ入りの料理も全部おいしかった。カキもニラもたくさん買ったので、親戚に配りたい」と笑顔を見せた。(斎藤彩伽)



青森発「はまなす」最終切符すぐ完売

 北海道新幹線開業に伴い、3月21日で運行を終える、夜行急行「はまなす」(青森―札幌間)の青森発下り最終列車と、特急「スーパー白鳥」「白鳥」(新青森-函館間)上下線の切符が21日、全国のみどりの窓口で発売された。JRが定期運行する全国最後の急行列車「はまなす」は、午前10時の発売から約40秒に完売となった。

 JR函館駅では、午前5時に駅舎を開けてから鉄道愛好家らが押し寄せた。「はまなす」の切符には申告のあった人に随時整理券を配布。販売開始までに10枚が配られ、購入手続きは臨時窓口で対応したが、同駅でプラチナチケットを購入できた人はいなかった。

 同7時すぎに訪れた市内の販売員中里俊之さん(41)は「スーパー白鳥」の蟹田から函館までの最終運行分を購入。「はまなすが取れなくて残念だが、キャンセルもあると思うので、直前まで駅に通って何としてでも乗りたい。いろいろな場面でお世話になってきた思いを伝えたい」と話していた。

 鉄道ファンではないという市内の50代の男性公務員も、同6時50分ごろから窓口前で待機し「スーパー白鳥」の下り(函館行き)を入手。「この日は所要で青森にいるため、どうしても帰りの切符が必要で、朝早くから来た。取れて良かった」と安どの表情だった。

 「はまなす」は1955年、函館-網走間の準急で登場。のちに札幌-網走間の急行となったが68年に廃止。青函トンネルが開業した88年3月に青森-札幌間の急行で復活。夜間に本州と北海道を結ぶ足として、ビジネスや旅行客に親しまれてきた。JR北海道は車両の老朽化と、新幹線開業後の同トンネルは電圧などがけん引用の機関車に合わなくなるため、廃止する。(田中陽介)



◎コンブ生産量10%減、15年函館市

 函館市は、2015年分のコンブ生産量(速報値)をまとめた。豊漁だった前年を10%下回る4640トンで、特に養殖コンブは04年の合併後、最低の水準となった。主力のスルメイカやスケトウダラの水揚げも振るわず、市の漁業は総じて厳しい状況が続いている。

 市農林水産部によると、内訳は天然が前年比20%減の1308トン、養殖が6%減の3332トン。養殖は合併後3500トン~4100トンで推移していたが、15年は3500トンを割る低水準。同部は「天然は隔年で豊凶を繰り返すため、豊漁だった14年に比べ落ち込んだ。そこに芽落ちや脱落、寄生食害などによる養殖の不振が重なり、全体の数量を大きく下げた」という。

 一方、生産額は24%減の54億9485万円となり、08年以降で最も低い。ただ、出荷待ちのコンブもあるため、金額は今後増える可能性がある。

 道総研函館水試(金森浩一場長)の前田高志研究職員は「冬季の水温が低かった14年に比べ、15年は高めに推移した。恵山地区で養殖コンブが芽落ちしたのも要因の一つではないか」と話している。

 同部によると、コンブとはマコンブ、ミツイシコンブ、ガゴメコンブがメーン。数量、金額とも函館、戸井、恵山、椴法華、南茅部の各地区の合算値。15年の市の魚種別漁獲数量では、ブリやサバなど暖流系の魚が好調を維持しており、海洋環境の変化が指摘されている。(山崎大和)


◎野菜保存 ひと手間かけて ソムリエが初の講座

 日本野菜ソムリエ協会(東京)の認定団体「野菜ソムリエコミュニティ函館」(川崎保江代表、31人)は21日、函館大妻高校で「野菜ソムリエによる野菜のらくらく保存講座」を開いた。市民から野菜の保存に困るという声を多く聞き、初めて企画。野菜をおいしく無駄なく食べるための保存方法を伝授した。

 市青果物地方卸売市場活性化対策委員会が共催、主婦ら約40人が参加した。保存や調理の仕方を学び、日常生活に生かす狙い。

 川崎代表が、保存のこつとして①野菜の生育環境に近づける②立てる・つるす・包むなどの方法をうまく使う③ラップや新聞紙、包装用具を使用する―ことを紹介。「ひと手間かけるように心掛けて」とした上で「一番良いのは新鮮なうちに消費することだが、なかなかうまくいかない。無駄なく使うことは家計を預かる皆さんにとって大切であり、食品ロスの低減にもつながる」と強調した。

 続いて、冷凍と乾燥野菜の保存のポイントも解説。ブロッコリーなど冷凍により栄養価が高まる野菜があるほか、乾燥(干し野菜)はだしでおいしさが増し、減塩にもつながると教えた。

 冷凍野菜を使った炒め物や、乾燥野菜を入れた具だくさんみそ汁など8品の試食もあり、参加者は味の良さを確かめていた。

 昨年4月のコミュニティ発足後、市民を対象にした活動は今回で3回目。今回は募集開始からわずか20分で定員に達する人気ぶりだった。(山崎大和)