2016年2月23日 (火) 掲載

◎松前漬け多彩に変身、レストランメニューお披露目

 3月18日から函館市内の飲食店5店を舞台に期間限定で開かれるフェア「函館CLUB REDレストラン」で提供するメニューが22日、函館市役所でお披露目された。全国の新進気鋭の若手料理人と函館のシェフがタッグを組み、松前漬けをテーマとしたグルメを開発。伝統総菜を粉末化し、バターやソースに混ぜるなど斬新なアイデアで新たな食し方を提案する。

 次世代を担う若手シェフの発掘を目的に、全国の35歳未満の料理人を対象としたコンテストを開く「RED U―35実行委」の主催。若手料理人に活躍の場を与えるとともに食を通して地域活性化に貢献しようと、来月の北海道新幹線開業に合わせ、全国で初めて開催される。

 この日は、企画に携わった9人のシェフがオリジナル料理を発表した。フランス料理店「ロワゾー・パー・マツナガ」(柏木町)の松永和之さんは、東京のオーストラリア料理店の新田見麻菜さんと共同で「松前バター」を開発。松前漬けのイカやガゴメコンブを乾燥させて粉末化し、バターに混ぜたもので松永さんは「松前漬けの味がしながらも驚きの感覚で味わえる」と自信をのぞかせた。

 このほか、シェフが二人一組となって考案した、道南の食材をふんだんに盛り込んだ「ご当地サラダ」などが紹介された。

 フェアは5月8日まで。

考案した料理は、各飲食店のコースメニューの一部やアラカルトメニューとして提供する。その他の参加店は次の通り。

 ル・クリマ函館(元町)▽センティール・ラ・セゾン函館山(同)▽はこだてビール(大手町)▽二代目佐平次(五稜郭町)(山田大輔)



赤川の小水力発電 来月完成

 函館市企業局経営懇話会が22日、同局庁舎で開かれた。上下水道部は赤川高区浄水場(赤川町)の敷地内で整備を進めている小水力発電設備について、3月下旬の完成、10月をめどに売電を開始する考えを示した。売電先は新電力事業者を含め、入札で決定する。

 発電施設は取水先の新中野ダムとの約100メートルの高低差を利用して、流水の水圧で水車を回して発電する仕組み。総事業費約5億円をかけて整備を進めている。

 最大出力は199キロワットで、年間発電量は、一般家庭260世帯の年間使用電力量に相当し、今後20年間の平均値で約140万キロワット時を見込む。新年度の水道事業会計予算案の収益的収入に、売電を開始する10月以降の半年間に75万1872キロワット時分の販売を見込み、収入として2760万円を計上している。

 売電先は当初、北海道電力を想定していたが、新電力事業者を含めて入札で決定する方針。同部は国の再生エネルギーの固定価格買い取り制度での売価1キロワット時当たり34円以上での販売を期待する。同部は「浄水施設であるため、24時間稼働でき、1年を通じて安定した発電が期待できる」としている。

 この日の経営懇話会で三浦汀介会長は「自然エネルギーの利用として魅力的な話題。学校教育現場にも(教材として)取り組みをアピールしてはどうか」と述べた。(今井正一)



◎きょうから東北、関東で街頭PR JRグループ協定旅館ホテル連盟

 3月26日の北海道新幹線開業に向け、JRグループ協定旅館ホテル連盟(JR旅連)北海道地域本部は23日から3日間、東北、関東の主要駅で街頭PRを実施する。22日には函館市内のホテルで決起集会を開き、新幹線時代に向け、結束を固めた。

 街頭PRは北海道新幹線の利用と誘客促進を目的に仙台、盛岡、宇都宮、上野など8駅で実施。会員ら約50人が参加し、道内各地の名所やグルメなどを紹介する観光パンフレット「ぎゅぎゅっと北海道」や北海道新幹線グッズなどを計1万セット配布する。また、横浜駅ではH5系の最上級車両グランクラスのシートも展示する。

 決起集会には会員ほかJRグループ、自治体、観光団体関係者ら約70人が出席。JR旅連函館支部の金道太朗支部長は「あと1カ月あまりで、待ちに待った北海道新幹線が開業する。開業効果を最大限に生かすため、皆さまとの意思統一や情報交換を図っていきたい」と力を込めた。JR北海道函館支社の安藤健一支社長は「開業日はゴールではなくスタート。多くの方に北海道に来ていただくため、皆さんの思いを結集し、一丸となって取り組んでいきましょう」と呼び掛けた。(金子真人)


◎時刻表に新幹線

 交通新聞社(東京)などが発行する3月号の時刻表の販売が22日、函館市内の書店などで始まった。北海道新幹線のダイヤが初めて登場する時刻表は記念に買い求める多数の客が見込まれることから、一部の店舗では通常より多めに仕入れるなど需要にそなえている。

 輸送などの関係で、市内では発売日から2日遅れて店頭に並んだ。JTBパブリッシングが発行する時刻表の表紙には、北海道新幹線車両「H5系」が疾走する写真が起用されている。

 石川町の函館蔦屋書店は、通常時期と比べて仕入れ数を3倍に増加。全4種の時刻表を50冊以上並べた。コンシェルジュの福島誠さんは「3月号の売れ行きも期待しているが、北陸新幹線が開業した金沢市では4月号が爆発的に売れたようだ」と話し、来月はさらに入荷数を増やしてイベントなどで紹介する予定だ。

 3月号の時刻表には、新幹線開業にともない廃止となる特急「白鳥」(函館―青森間)などのダイヤも記載。新幹線のダイヤと同時に紹介されるのは3月号のみで、鉄道ファンらから人気を集めそうだ。(山田大輔)