2016年2月24日 (水) 掲載

◎著名医学サイトに論文掲載 浅井ゲルマニウム研究所

 函館市鈴蘭丘町に研究施設を持つ浅井ゲルマニウム研究所(川崎市、志柿松作社長)の発表論文がこのほど、世界的に著名なカナダの医学・生物学系情報サイトに掲載された。有機ゲルマニウム化合物が体内の重要な生理活性物質と作用することを解明。同サイトで紹介されるのは、全世界の研究論文のうちわずか0・1%といい、同社は「今後の研究に弾みが付く」として快挙達成に沸いている。

 同社は、創業者である故浅井一彦さんが、世界で初めて合成に成功した有機化合物「アサイゲルマニウム」を健康食品や化粧品の素材としてメーカーに提供しているほか、体内への作用効果などを研究している。

 論文は、英国の医科学雑誌「フューチャー・メディシナル・ケミストリー」(2015年7月号)に投稿。北米の医学研究者が評価し、疫病治療などに役立つ厳選した論文を毎週発信する情報サイト「グローバル・メディカル・ディスカバリー」で紹介された。

 研究部の中村宜司さんら6人が執筆した論文では、摂取したアサイゲルマニウムが神経伝達物質のアドレナリンやATPの持つ特定の構造に作用し、痛みを和らげるメカニズムを具体的に解説。鎮痛効果のある従来の薬品は副作用をもたらす可能性があるのに対し、水溶性のアサイゲルマニウムは体内の生理作用を阻害しないのが大きな特徴だ。

 村さんは「アサイゲルマニウムに注目してもらえるきっかけになり、掲載は非常にうれしい」と喜びの声を上げる。

 サイトでは「創薬分野でキーとなる発見論文」として取り上げられ、今後は新たな医薬品開発にも期待がかかる。中村さんは「研究を重ねながら製薬会社と協力し、安心・安全な医薬品提供のお手伝いをしたい」と意気込んでいる。(山田大輔)



一足早く春つかむ 私立高8校合格発表

 函館市内の私立高校全8校で23日、2016年度入試の合格発表が一斉に行われ、一足早く春を迎えた受験生が喜びに沸いた。

 このうち、函大付属柏稜高校(宮岡秀昌校長)では、午前10時に合格者の名前が書かれた掲示板を設置した。同校では今年からホームページでの発表も始めたが、保護者ら40人ほどが直接確かめようと来校。受験番号があることを確認するとほっとした表情を浮かべ、携帯電話で写真を撮っていた。

 普通科総合進学コースに合格した森中学校3年の黒田夏生さん(15)は母親と共に訪れ、「柏稜高校一本で受験したのでうれしい。充実した3年間を送りたい」と笑顔を見せていた。(稲船優香)



◎介護予防事業を拡充

 函館市は新年度、65歳以上の市民の生活機能の維持・向上を目的とする介護予防事業を拡充する。新たに、市民になじみのある「はこだて賛歌」のメロディーに乗せて体を動かす体操をつくるほか、転倒骨折予防や水中運動など運動実践と講話による介護予防教室の開催場所を増加。市は新年度予算案に関係経費約3900万円を計上し、これらの事業を契機に、高齢者自らの介護予防への意識啓発につなげたい考えだ。

 体操は町会の集会や自宅などで気軽に行えることを基本に、市独自のものを作成。全国的にも童謡に合わせた踊りや地域の名産物をモチーフにしたりと、ご当地体操として広く作られている。市は2008年度に有酸素運動の要素を取り入れた「函館いか踊り体操」を創作しているが、今回は介護予防に重点を置く。

 市高齢福祉課によると、時間をかけてゆっくりと腕や脚を上げ下げするなど、高齢化による足腰などの筋力低下を防ぐ体操を、はこだて賛歌に合わせて踊る。いつでもどこでも踊れるようDVDを1万枚作成して希望者に配布する予定で、同課は「ラジオ体操のように日常的に活用し、転ばないような体づくりや認知症の予防にもつなげてもらいたい」とする。

 要支援・要介護認定を受けていない65歳以上を対象に、参加無料で開いている介護予防教室は、現在転倒骨折予防、マシントレーニング、水中運動、認知症予防の4教室を夏秋冬の年間3クール実施。新年度からは春も入れて4クールとし、新たに「口腔機能向上教室」を開設。飲み込む機能の低下や唾液の減少などの改善を目的に、効果的な歌唱やマッサージなどを行う。

 加えて、各教室の受託事業者を2~3者に増やし、市内各地で受講できるよう拡充。年間参加予定者は本年度比約4倍の1150人を見込んでいる。(蝦名達也)


◎「市民会館前」の電停名 「函館アリーナ前」に 3月1日から

 函館市企業局交通部は3月1日から、市電の停留場「市民会館前」の名称を「函館アリーナ前」に変更する。昨年8月の施設オープンから半年以上が経過し、地域のランドマークとして定着。会場最寄りの電停として、利用者の分かりやすさを考慮した。

 同部は施設オープン後、

 「函館アリーナ前」を副呼称として使用していたが、3月以降はこれを逆にし、「市民会館前」を副呼称として併記する。今後、同電停のあんどんや各電停に掲示している時刻表や路線図、車内放送、1日乗車券などの印刷物を含め、新電停名に切り替える。同部以外の観光パンフレットなどの発行者にも働き掛けることにしている。

 同部事業課は「昨年7月のGLAYライブを始め、各コンベンション開催時に市電の利用が増えている。ただ、『どこで降りたら良いのか』という問い合わせも寄せられているので、今後はより分かりやすくなるのでは」としている。(今井正一)