2016年2月25日 (木) 掲載

◎焼き菓子開発、吉田屋が辻口さんとタッグ

 【北斗】3月26日に開業する北海道新幹線新函館北斗駅で、弁当カフェを運営する吉田屋(青森県八戸市、吉田広城社長)と世界的に活躍するパティシエ辻口博啓さんが、道産発酵バターと濃厚ミルクを使った焼き菓子を共同開発した。北斗市を代表するスイーツに育てたい考えで、全道展開を視野に入れながら新駅などで販売する。

 辻口さんは、北陸新幹線でも注目の石川県の焼き菓子「YUKIZURI(ゆきづり)」を考案したことで知られる。吉田社長が友人を通じて辻口さんとつながり、北海道の豊かな食材を生かし、開業記念として北斗名物となるようなスイーツを開発した。辻口さんは新千歳空港で販売する「北海道牛乳カステラ」をプロデュースしており、今回が第二弾となる。北斗市はこれぞと言う土産に乏しく、新商品開発が急務となっていた。

 商品名は「新函館北斗バターミルクサブレ」。道産発酵バターと濃厚ミルクを100%使用。口どけが良く、かむほどミルキーな風味が広がる優しい味。後味も軽やかだ。

 24日、店舗視察のため、新駅を訪れた吉田社長は「新幹線が来る北斗市を代表する土産品にしたい。第二弾は北斗特産の果実マルメロを使ったスイーツを考えている」と意気込んだ。辻口さんは「北海道新幹線の開業という歴史の一ページに関われて光栄」と話した。

 価格は12枚入り1080円、18枚入り1620円、6枚入り580円。3月12、13日プレオープン、19日に本格オープンする弁当カフェなどで販売する。(山崎大和)



美と健康に着目の機能性スイーツ、カドウフーズが開発

 北海道新幹線開業に向け、函館市追分町の食品製造業、カドウフーズ(嘉堂聖也社長)は、美容と健康に着目した機能性スイーツ「はこだて雪んこ ひかり」を開発し、開業日までの発売を目指している。函館の新たな土産品として売り出すとともに、医療機関でも販売したい考えだ。

 厚沢部産のサツマイモ「黄金千貫(こがねせんがん)」を使ったあんとホイップクリームを薄い餅で包んだ同社の主力商品「はこだて雪んこ」の新シリーズ。サツマイモのあんにミネラル分を豊富に含むガゴメコンブや整腸効果のある乳酸菌を配合。「健康で明るい生活を送ってほしい」(嘉堂社長)との思いを込めて商品名を“ひかり”とした。市内や近郊の土産店ほか病院の売店などにも置き、初年度は500万円の売り上げを目標としている。

 新商品は、原料のサツマイモの供給を受ける厚沢部町の農業、ノアール(岩崎弘芳社長)とともに国の農商工連携事業の認定を受けて開発。24日に北海道中小企業家同友会函館事務所で開かれた認定式で、嘉堂社長は「地域に根差した地域ならではの商品で、函館の魅力を発信していきたい」と意欲を語った。

 価格は2個入り500円(税込み)。問い合わせは同社(☎0138・62・6077)へ。(金子真人)



◎余裕教室が学童保育所に 日吉が丘、鍛神小に開設

 学童教育の充実に努める函館市は新年度、現在開設している施設からの移転を含め、新たに函館日吉が丘、鍛神の両小学校の余裕教室を改修し、学童保育所を2カ所開設する。受け入れ枠の拡大や交通安全、防犯などの視点からも安全な居場所づくりの促進が期待される。

 国は「放課後子ども総合プラン」で余裕教室の徹底活用の促進を明記。民営の保育所について、市では2003年度に東小学校を活用したのを皮切りに、余裕教室の改修に取り組んでおり、新年度予算案に関係経費約2000万円を計上した。

 日吉が丘は余裕教室1室を新たに改修し、以前から同小校内で運営していた「あかねキッズクラブ日吉」を拡充するかたちになる。1教室当たりの定員は35人ほどで、2教室使うことで70人程度の受け入れが可能となる。

 鍛神では、現在民家で運営する「海の子クラブ」を移転し、2教室を改修。定員は70人ほどを見込む。いずれの保育所もフローリングの張り替えや水周りの整備が必要で、学校の夏休み中の作業を終えた、2学期以降の受け入れ開始を目指す。

 共働き世帯の増加による影響や母子世帯の子育てに欠かせない場であることから、在籍児童数は年々増加。本年度(4月1日現在)は1782人、小学1、2年生が930人と半数以上を占め、市内全児童数における在籍率は16・4%を数える。市は新年度過去最多となる1836人を見込んでおり、市次世代育成課は「まだまだ増える要素はある」と分析する。

 学童保育所の数も2009年度に40施設を超え、05年度と比べると2倍近く伸びている。その中で学校の教室活用により運営経費から家賃が除かれるほか、騒音トラブルの解消、通常学校から保育所に通う際の交通事故の危険性を回避できる。同課は「学校側の協力を得ながら今後も余裕教室の改修を進めていきたい」としている。(蝦名達也)


◎市長のタウントーキング 故・富岡さんの研究成果 図書館に

 市民団体と工藤寿樹市長がまちづくりについて意見を交わす「市長のタウントーキング」が24日、市役所で開かれた。函館産業遺産研究会(2011年解散)の会長として活動し、函館山要塞(ようさい)をはじめ、函館の近代産業の歴史的資料の収集、研究を進めた故・富岡由夫さんの残した資料が、市中央図書館に寄贈されることになった。

 同会の元副会長の菅鉄夫さんや富岡さんの長女の冨岡裕子さんらは、同会が収集し、旧恵山小で保管されている国産の工作機械類の活用を求めた。同会会員で「函館の体験学習をすすめる白浜クラブ」代表として参加した木村マサ子さんは函館山について「函館山を歩きながら歴史の物語を体験し、街中へと(動線を)つないでいけるようにしてほしい」と要望した。

 工藤市長は各産業資料は将来的に西部地区に設置する構想の「総合ミュージアム」開設時には展示すると約束。函館山の散策路整備について「市内で自然観光ができるのは函館山だけ。コース設定や自然を壊さない整備の手法についても木村さんをはじめ、現場の人たちに相談したい」と述べた。

 元町商店街準備室の藤島斉さん、北見伸子さんは創刊準備を進めている西部地区の情報を集めたフリーペーパー「HAKODATE SAKARA」の紹介や同地区の現状を報告。市地球温暖化対策地域推進協議会の松原仁会長、高橋泰助副会長は二酸化炭素削減に向けて、ノーマイカーデーの推進、暖房温度を下げる取り組みなどについて意見を交わした。(今井正一)