2016年2月26日 (金) 掲載

◎開業まであと1カ月、イベント準備大詰め

 北海道新幹線開業まであと1カ月となり、3月26日に函館市内で開かれる各種記念イベントの準備が大詰めを迎えている。市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構は25日、催事を開く関係者を集めた合同会議を開き、情報共有や意見交換した。また、市内の観光、宿泊施設は万全の態勢で観光客を迎えようと、準備を急いでいる。

 この日の会議には約20人が出席。函館朝市協同組合連合会の松田悌一事務局長は、開業日に函館朝市で開く記念セールや新たに売り出す「がごめ丼」などについて紹介。「当日観光客を歓迎するための新たな取り組みも検討している」と説明した。

 函館国際観光コンベンション協会の近江谷一樹係長は「はこだてライナー歓迎手振り・旗振り活動」について「関係機関と調整して子供たちなどに参加してもらい、盛り上げたい」と述べた。  同機構は、開業日前後に開かれるイベントなどをまとめたリーフレットを3月中旬をめどに約2万部作製、市内の観光、宿泊施設に配付して観光客にPRしたい考えだ。

 一方、函館市内のホテルや観光施設は開業日に向け、おもてなしの準備を着々と進めている。ホテル函館ロイヤル(大森町、山野忠則総支配人)には、昨年12月ごろから関東を中心に開業日前後の予約が入り始め、24~26日は全134室が埋まっているという。担当者は「個人団体とも好調で、新幹線効果は大きい」と話す。

 函館山ロープウェイ(元町、竹村隆社長)は昨年11月、開業後の利用者増に対応するため、27年ぶりの大幅改装を実施。待合室の拡充やトイレの増設などを行い、利便性を高めた。開業日当日には利用客に記念のポストカードを進呈する。同社営業担当者は「訪れる多くのお客さまをスムーズにご案内し、自慢の夜景を楽しんでもらいたい」としている。(山田大輔、金子真人)



ふっくりんこ2年連続「特A」

 北海道新幹線開業に向け、函館市追分町の食品製造業、カドウフーズ(嘉堂聖也社長)は、美容と健康に着目した機能性スイーツ「はこだて雪んこ ひかり」を開発し、開業日までの発売を目指している。函館の新たな土産品として売り出すとともに、医療機関でも販売したい考えだ。

 日本穀物検定協会(東京)が25日公表した2015年産コメの食味ランキングで、道南ブランド米「ふっくりんこ」が2年連続の「特A」を獲得した。14年産は参考品種で獲得しており〝本エントリー〟での最高評価を受け、産地の喜びもひとしおだ。

 15年産ふっくりんこの作付けは、主力のJA新はこだて(畠山良一組合長)管内だけで741戸、2262ヘクタールとなり、JA管内の水稲作付面積の6割を占める。新はこだて、函館市亀田、今金町の3JAでつくる生産者組織「函館育ちふっくりんこ蔵部(くらぶ)」の出荷量は約1万1000トンに上る。

 ふっくりんこ蔵部の木本勉部会長(55)=知内町=は「1年限りだとまぐれだと思われるので、2年続けて獲得できてうれしい。品質基準を守りながら、もっと生産量を増やしたい。これまで食べていない消費者にも買ってもらえるように努力したい」と意気込む。

 畠山組合長は「15年産は自信作だったので、大丈夫だと思っていたが、特Aが決まりほっとした。北海道新幹線も開業するため、消費拡大に弾みが付く」と声を弾ませる。

 ふっくりんこは03年に道南でデビュー、07年に生産エリア拡大を機に全国販売が始まった。独自基準は食味に関係するタンパク含有率6・8%以下を基本とし、品質に応じた精算体制(成果主義)を取り入れている。

 今回で45回目の食味ランキングは、15年産の139産地品種を評価。特Aの数は過去最高の46となり、全体の33・1%を占め最も高くなった。(山崎大和)



◎国公立大2次試験前期日程スタート

 国公立大2次試験の前期日程が25日、全国で一斉に始まった。函館市内では道教育大函館校と公立はこだて未来大で行われ、受験生が真剣な表情で挑んだ。

 道教育大函館校は、地域協働専攻が3グループの合計定員120人に対し185人、地域教育専攻は35人に対して47人が出願。函館校全体の倍率は1・5倍(前年度比2・1ポイント減)だった。

 公立はこだて未来大は、前期日程の定員135人に対し702人が出願。倍率は5・2倍と、前年度を1・3ポイント上回った。

 合格発表は、道教育大函館校が3月7日、公立はこだて未来大が8日。(稲船優香)


◎クルーズ振興に協力2団体を表彰

 函館地区クルーズ振興協議会の本年度総会が25日、函館北洋ビルで開かれた。地域のクルーズ振興に貢献した個人・団体を表彰する制度を創設。客船入港時の歓迎行事への協力を続ける「カムカムの会」(石塚大会長)と「函館善意通訳会」(市根井恵子会長)の2団体に同協議会会長の勝木正裕函館運輸支局長から表彰状が贈られた。

 「カムカムの会」は客船の入港時間帯に合わせて、「ようこそ函館へ」と書かれた横断幕を持ち、船を降り立った乗客を笑顔で出迎える活動を長年続ける。同会の横山悦朗さんは「特別なことをしているわけではないが今年も活動を続けたい」と話す。

 「函館善意通訳会」は主に外国客船入港時の歓迎セレモニーで通訳として、函館港の関係者と客船関係者の橋渡し役を務めている。市根井会長は「活動が認められて、会員の励みにもなる。ガイドの依頼も増えているので、活動できる会員をもっと増やしていきたい」と話した。

 総会では2016年度の寄港予定が示され、函館港には本年度のほぼ倍となる延べ29隻が寄港。道南では5月に「にっぽん丸」が松前に、6月には「ぱしふぃっくびいなす」が奥尻に寄港(いずれも沖止め)する。同協議会は引き続き、「クルーズサポータークラブ」の新規会員獲得といか踊りなどのセレモニーへの参加呼び掛けなどを進め、寄港地の魅力向上に努めることを確認した。(今井正一)