2016年2月3日 (水) 掲載

◎「バル街」トレードショーに出展

 10~12日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる国内最大級の食品関連見本市「第50回スーパーマーケットトレードショー2016」に、函館発祥のまちおこしイベント「バル街」の出展が決まった。北海道新幹線開業を見据えて企画され、道南の食材を使ったピンチョス(つまみ)を振る舞い、函館・道南の食や観光素材を強力にアピールする。

 同トレードショーは新日本スーパーマーケット協会が主催。流通業界に最新情報を発信する展示会で、50回目の今年は規模を拡大。3日間で10万人の来場を見込んでいる。

 西部地区をスペインの街並みに見立てて飲み歩きを楽しむバル街は、函館を皮切りに全国に波及している。今回の出展は道食品開発流通地興(谷沢広代表理事)が、同協会から要請を受けて企画。新幹線開業に合わせて地域の魅力を知ってもらおうと、道南18市町などから後援を得た。

 函館西部地区バル街実行委員会の深谷宏治委員長ら、道南で活躍するシェフ4人が参加。ピンチョスを1人3品、計12品作り、来場者に味わってもらう。白口浜マコンブと生ハムの煮物、噴火湾産ホッキ貝シュウマイ、知内産カキの温スープなど、いずれも道南の豊かな山海の幸をふんだんに使った料理ばかりだ。

 1回1時間、3日間で計8回デモンストレーションを行い、深谷シェフが講演とともに料理を説明。またバルの本場・スペインからも出展し、函館とスペインで交互に「バル街」を展開するなど趣向を凝らした。

 また、食品見本市の場でもあることから、道南の地ビールやワイン、スイーツなども出品し、豊かな食文化を紹介する。

 谷沢代表は「バル街をベースにしながら食と観光を提案し、函館や道南全体の発信力を強めたい」と意気込む。深谷シェフは4月22日に予定する春のバル街をPRする構えで「流通業界の人々に知ってもらえるのは大変いいチャンス。函館が面白い食の取り組みをしていることを知ってほしい」と話している。(千葉卓陽)



春節で中国人観光客続々

 中国東方航空が運航する上海からの国際チャーター便が2日、函館空港に到着した。中華圏の春節連休(7~13日)の訪日需要を見込んだ運航で、16日までに計7往復を予定。154人乗りの初便もほぼ満席に近い状態で、乗客は早速道内観光へと繰り出した。

 函館市などは、初便到着に合わせて、春節装飾の赤いちょうちんがつり下げられた国際線ロビーで、横断幕を持って乗客を歓迎。観光パンフレットやイカの珍味を配布した。函館からの折り返し便にも道内観光を終えた中国人客が多くの荷物とともに乗り込み、帰国の途に就いた。

 旅行会社関係者らによると、ツアーの一つは、初日は夜景を含めた観光を楽しみ、市内に宿泊。3日以降は洞爺湖町や札幌にも宿泊し、7日に函館から上海に戻る。上海近郊に住む銭妍伶さん(38)は「日本が大好きで東京は毎月1回訪れているが、北海道は初めて。雪景色と海鮮が楽しみ」と話した。

 市港湾空港部によると、中国東方航空は昨年12月から運航する杭州線の定期運航(毎週火、土曜日)に加えて、5、10、15日に計3往復6便のチャーター便を運航。機材は定期便と同じエアバスA320(154席)を使用。また、マカオ航空(本社・中国マカオ特別行政区)は10日にエアバスA321(179席)を使用して、マカオ-函館間の1往復の運航が決まっている。

 函館市内の百貨店やホテルでは、イベント開催や中国語の歓迎ポスターを作成するなどし、春節に訪れる外国人観光客を歓迎する。

 市内のホテルや観光団体が企画する「函館海上冬花火」は、今年初めて春節に合わせた日程(6~10日)で開催する。期間中毎日午後7時40分から約25分間、函館湾豊川埠頭(ふとう)沖から2000発の花火が打ち上がり、観光スポットのベイエリアを彩る。

 若松町の百貨店棒二森屋は6日から、歓迎ポスターを店内に掲示するほか、昨年の春節時期に人気が高かった炊飯器やステンレスボトル、化粧品などに中国語の商品紹介を付ける。

 本館4階の免税カウンターでは英語や中国語の話せるスタッフを1人増員して2人体制で対応。そのほかのレジには翻訳ソフトが入ったタブレットを配置する。同店営業企画の担当者は「外国人のお客さまは増加傾向にあり、今年の春節は昨年の1・5~2倍の売り上げを見込んでいる。スムーズな応対ができるよう準備を進めている」としている。(今井正一、金子真人)



◎留学生が改善点指摘 外国人受け入れ環境点検

 ▽パックティダー・ナワウィチャーボーンさん(25)=タイ=札幌国際大学大学院
 ●ホテル=食事のメニュー表記に写真を入れると分かりやすくなる。
 ●飲食施設=ウェブサイトに簡単な英語表記がほしい。
 ●函館山ロープウェイ=タイ語のリーフレットはうれしい。山頂は人数制限を設けるべき。
 ●函館朝市=免税対応がバラバラで分かりづらいが、店員はとても親切。
 ●路線バス=バス停を目立つようにすべき。待合スペースがほしい。
 ●金森=ウェブサイトが多言語対応となっており、分かりやすい。

 ▽ロ・ソウイさん(27)=台湾=札幌国際大学大学院
 ●ホテル=食事メニューに多言語でアレルギー表示がほしい。
 ●飲食施設=飲み物のメニューに果物のイラストを入れるとイメージしやすい。
 ●函館山ロープウェイ=券売機の前にスタッフを配置すればもっとスムーズになる。
 ●函館朝市=営業時間を延長できないか。午後2時は早すぎる。
 ●路線バス=アナウンスや車内表示を多言語化すべき。
 ●金森=ワイファイ表示を目立つようにほしい。

 ▽ユン・ジョンヒョクさん(21)=韓国=札幌国際大
 ●ホテル=荷物預かりサービスはピクトグラムがあると分かりやすい。
 ●函館山ロープウェイ=床に線を引いて待つ人が並びやすいようにすると親切。
 ●飲食施設=ウェブサイトで検索したが分かりにくい。情報発信に工夫が必要。
 ●函館朝市=トイレの看板に外国語表記の間違いがある。早急に改善すべき。
 ●路線バス=バス停が分かりづらく探すのが大変。バス停にベンチを置くべき。
 ●金森=店舗によって免税対応が異なるので表示などで分かりやすくすべき。

 ▽リョウ・ホウヘイさん(23)=香港=東海大
 ●ホテル=海外客も温泉のニーズはある。近くの施設の案内があれば親切。
 ●函館山ロープウェイ=団体客で混雑しどう進んでいいか分からない。誘導スタッフが必要。
 ●飲食施設=函館ならではの魚が味わえて良かった。現地の情報がもっとほしい。
 ●函館朝市=店員が親切で日本のおもてなしを感じた。営業時間は延長すべき。
 ●路線バス=バスのイラストをつけてバス停を目立たせる。路線図もほしい。
 ●金森=案内表示に変な中国語の説明があった。チェックを受けるべき。

北海道商工会議所連合会(道商連)と函館商工会議所は2日、1日に続き函館市内の商業施設などで外国人受け入れ環境の点検事業を実施した。金森赤レンガ倉庫で行われた総括会議では、事業に招かれた外国人留学生が市内の関係者と意見交換し、外国人ならではの視点で改善点をアドバイスした。

 留学生らの一行は、前日に新函館北斗駅や飲食施設、函館山を訪問。市内のホテルに宿泊し、この日は函館朝市や同倉庫などを訪れたほか、函館バスの元町・ベイエリア周遊号に乗車して点検作業を行った。

 締めくくりの会議で、留学生は一様にバス停が分かりづらいと指摘。「バスのイラストを大きくデザインし、目立たせるべきだ」といった意見が相次いだ。ロープウエーの山麓駅については、他言語対応のリーフレットが高評価を得た一方、観光客で混雑するあまり、乗り場への行き方が分からないという意見も。「外国語が話せるスタッフを適切な場所に配置し、誘導にあたるべきだ」などアイデアを出しながら、市内の観光事業者と積極的に話し合った。

 道商連は今回の結果をまとめたものを道内の観光、飲食施設などに配付し、外国人受け入れ環境の充実に役立てたい考えだ。函館商工会議所の永澤大樹課長は「国際定期便の新規就航や北海道新幹線開業で、道南にたくさんの観光客がやってくる。今回の事業を契機に、魅力ある観光地づくりに努めたい」としている。(山田大輔)


◎求む!ミスはこだて 募集延長10日まで

 函館国際観光コンベンション協会は2016年度に函館のPR大使として活動する「第37代ミスはこだて」の募集期間を10日まで延長する。当初の締め切りは5日だが、応募者が3人にとどまっているため。北海道新幹線開業を控え、例年以上にミスとしての活躍機会が増えることが予想され、事務局は「全国に函館の魅力を発信し、自分自身を磨く1年にしてほしい」と挑戦を呼び掛けている。

 ミスはこだては毎年2人を選出。4月から1年間、全国各地での観光や物産イベントで函館の親善大使としてPR役を担う。

 18歳以上の未婚女性が対象。所定の応募用紙に写真を添えて申し込む。コンテストは14日午前10時から、ホテル函館ロイヤルで開催し、選出者にはトロフィーや賞金、副賞が贈られる。詳細、応募用紙は「ミスはこだて」のホームページに掲載。問い合わせは同協会(☎0138・27・3535)へ。