2016年2月7日 (日) 掲載

◎冬空に大輪2000発、海上花火開幕

 冬の函館の夜空を彩る「函館海上冬花火2016」(実行委主催)が6日、豊川埠頭(ふとう)沖で始まった。澄み切った真冬の夜空に2000発の花火が打ち上がり、訪れた市民や観光客を魅了した。

 「はこだてクリスマスファンタジー」終了後の観光を盛り上げようと、函館国際ホテル(柴田大介社長)が2014年に初めて企画。昨年から市内のホテルや観光施設などで実行委(柴田委員長)を組織し、日数を増やすなど規模を拡大して開催している。

 青函連絡船記念館摩周丸(若松町)周辺には大勢の観客が詰め掛け、ベイエリアの夜空に輝く花火を堪能した。東京から訪れた会社員高橋みずほさん(40)は「最後に白鳥に乗るため函館に来たが、花火をやっているとは知らなかった。とてもラッキーでした」と笑顔を見せた。

 10日までの期間中毎日午後7時40分から25分間、豊川埠頭沖から花火が打ち上がる。主な観覧場所は、函館朝市から函館国際ホテルまでの岸壁沿い、金森赤レンガ倉庫群、八幡坂、函館山山頂など。当日の開催可否は公式ホームページ(http://fuyuhanabi.com)で発表する。(金子真人)



ジャンボ滑り台に歓声、大沼雪と氷の祭典

 【七飯】2日間にわたり大沼が熱気で包まれる「第50回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)が6日、大沼公園広場で始まった。地元住民をはじめ道内外から大勢の観光客が訪れ、雪景色へと様変わりした大沼で、ウインターアクティビティーや雪像、グルメを楽しんだ。

 ことしも会場には大沼湖の氷を切り出して作った、長さ約25メートル、高さおよそ5メートルのジャンボ滑り台が登場。子どもから大人まで歓声を上げ楽しんだほか、地元の小・中学生らが製作した雪像や、同委による北海道新幹線の氷像が祭りに華を添え、写真を撮る大勢の姿が見られた。

 ジャンボ滑り台を楽しんでいた函館市北美原小学校2年の対馬大良(たいら)君(8)は「もう5回は滑った。滑り台はすごく高くてスピードもあって、とても楽しい」と笑顔だった。

 7日は午前9時からスタート。午後1時半からはミニ雪像コンクールの表彰式が行われる。また、ジャンボ滑り台は祭典終了後も29日まで毎日楽しむことができる。問い合わせは七飯大沼国際観光コンベンション協会(☎0138・67・3020)へ。(野口賢清)



◎朝市売り上げ増へ外国人の生の声

 「爆買い」を朝市にも―。道運輸局は6日、外国人旅行者を対象に、土産品の販売促進に向けた実証実験を始めた。水産物の検疫情報やクレジットカードの利用可否を周知するチラシを配布するとともに、朝市の課題を探るアンケートを行い、売り上げの拡大を目指す。

 検疫の対象は国によって異なる上、自国に持って帰れるかの判断が難しく、観光客が購入をためらうケースが多い。リーフレットは、台湾と香港向けの2種類を作り、どの品目が持ち帰り可能かを写真で説明。裏面には函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)に加盟する、約150店でクレジットカードや中国で広く普及する「銀聯カード」が使える地図を載せた。英語版と中国語版(繁体字、簡体字)を合わせて8000部作成した。

 アンケートは朝市への来訪目的や買い物に必要なサービス、支払い方法などを問う。この日は、調査員4人が外国人旅行者の水産物購入をサポートしながら、50人分を回収した。調査員の一人、道国際交流センター(HIF)の藤井花さんは「春節期で中国本土の客が多く、『持って帰りたいが送り方が分からない』『試食がしたい』『買ったものをその場で食べたい』など多様な意見があった」と話す。

 アンケートは台湾と中国の直行便就航日の8、11、12日に行い、200人分を回収する。今月下旬には販売店にもアンケートを実施予定。同連合会の松田悌一事務局長は「店側と旅行者側の両方の意見を集め、朝市の根本にある悩みを解消できれば」と期待を寄せる。函館運輸支局の村上浩之首席運輸企画専門官は「旅行者の満足度アップにつなげるとともに、結果は函館でとどめずに道内、全国に波及させたい」と話していた。(稲船優香)


◎夜の朝市 市民ら満喫

 JR函館駅前の観光名所「函館朝市」を夜間営業する「光の夜市」が6日に開かれた。函館朝市協同組合連合会に加盟する約50店が、海鮮丼や特産品を500円で販売したほか、毛ガニや商品券などが当たる抽選会も行われ、大勢の人でにぎわった。

 この日開幕した「函館海上冬花火」に合わせ、地元住民にも函館朝市を楽しんでもらおうと同連合会が昨年に続いて企画した。参加店では地元の特産物やラーメンなどを特別価格で提供。1月の全国ご当地どんぶり選手権で4位入賞した「函館朝市漁り火がごめ丼」も登場し、来場者の人気を集めていた。

 抽選会やゴスペルライブのほか、冬の街路を手作りキャンドルで照らすイベント「シーニックdeナイト」(実行委主催)も合わせて行われ、会場周辺は柔らかな光に包まれていた。

 後志管内共和町の農業金井政義さん(44)は「花火を見る前に寄ったが、朝と違う雰囲気で買い物を楽しむことができて良かった」と話していた。(金子真人)