2016年3月1日 (火) 掲載

◎新駅準備 残り1割急ピッチ

 【北斗】26日の北海道新幹線開業に向けて、新函館北斗駅では自動券売機の設置作業などが急ピッチで進んでいる。ひと足早く12日にプレオープンする同駅併設の市観光交流センターでも物資の搬入など着々と準備が進んでおり、新幹線の開業が目前に迫ったことを知らせている。

 JR北海道によると、駅舎内の工事は全工程の9割が完了したといい、現在は3種類計7台の自動券売機の設置などを行っている。今月上旬の完成を予定しており、鳴海正駅長は「設置後は速やかに操作方法などを共有し、万全の態勢で開業を迎えたい」とする。

 同駅では配属された約40人の駅員が日々研修を行っており、利用客の受け入れ準備を進めている。

 一方、弁当カフェなど4つの施設が入居する同交流センターは、プレオープンを経て19日に本格的に開業する。特産品を販売するアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」は、8日から商品の陳列作業を始める予定。渡辺正憲店長は「店頭に並べる商品の選定が先週で完了した。道南の厳選した菓子や水産物など約450点を紹介し、魅力を発信したい」と意気込む。

 同駅2階に開設する北斗市観光案内所では、渡島・桧山を中心に南北海道全体の観光パンフレットを300種類以上並べる計画で、1日から作業に取りかかる。市観光協会は「北斗市の観光情報発信はもちろんだが、新函館北斗駅を回遊拠点として活用してもらい、次の目的地の情報も紹介したい」としている。(山田大輔)



渡島0・1ポイント減の1・1倍 公立高入試最終出願状況

 道教委は2月29日、2016年度公立高校入試の最終出願状況を発表した。倍率は渡島管内全日制の普通科、職業科ともに1・1倍(昨年度比0・1ポイント減)で、桧山管内の全日制は昨年度と変わらず0・8倍となった。

 募集人員から推薦入学者を除いた実募集人員は、道南全体で2530人。出願者数は推薦入試で内定しなかった再出願を含めて2619人だった。内訳は渡島・全日制が実募集2050人に対し2310人(1・1倍)、渡島・定時制が160人に対し45人(0・2倍)、桧山が320人に対し264人(0・8倍)。

 最も倍率が高いのは、普通科が函館西の1・6倍、職業科が函館工業・建築の2・3倍。一方、普通科8校と職業科4学科、総合学科2学科、定時制3校4学科は、出願者数が募集人員に満たなかった。

 公立高の学力検査は3日、合格発表は16日。(稲船優香)



◎道南地区5NOSAI合併

 道南地区の5つのNOSAI(農業共済組合)=道南、石狩、後志、いぶり、日高=は1日、来年3月1日の合併に向けた予備契約を締結する。経費節減や事務の効率化を狙いに、新組合「みなみ北海道農業共済組合(NOSAIみなみ)」を発足。本所は苫小牧市に置き、現在の道南NOSAI(本所・北斗市)は支所となる。合併賛否を決める臨時総代会が18日、5NOSAIで一斉に開かれる。

 1日に合併予備調印式を苫小牧市のホテルで行い、道南からは橋本清一組合長が参加。5NOSAIの組合長が合併予備契約書に調印する。臨時総代会で合併が承認されると、直ちに新組合の設立委員会を立ち上げ、定款や共済規程、事業計画などの策定に入る。

 国は「1県1組合化」を推進しており、北海道の広域性を踏まえ、道内では現行18組合を5組合に再編する合併計画が進んでいる。来年3月に5つの新組合が同時に誕生する予定だ。

 道南の5組合は2011年3月以降、5年にわたって組織再編について協議・検討を重ねてきた。みなみ北海道は組合員数8000人規模で、事業量は道内5組合の中で最も小さい。役員は理事20人、監事3人(道南NOSAIは理事5人、監事1人)。職員数は300人前後となり、現状維持の見込み。現場対応にあたる厚沢部、せたな、八雲にある3支所のほか、知内の出張所、北斗の業務室は合併後も維持される。

 NOSAIは農業者が災害で受けた損失を補てんし、農業経営の安定を図る制度。(山崎大和)


◎市立はこだて幼稚園廃園検討 市教委、18年度末に

 函館市教委は2月29日、入園者の減少が著しい市立はこだて幼稚園(千歳町15)を2019年3月末で廃園とする考えを明らかにした。本年度施行の子ども・子育て支援新制度に移行した私立と比較し、安価だった保育料の差がなくなったことや、保育所の機能を併せ持つ認定子ども園の増加などにより、幼稚園のみの同園の運営意義が希薄化していると判断。市教委は7月ごろまでに方向性を固める見通しだ。

 同日に発足した「市立幼稚園のあり方検討協議会」(会長・鳴海裕市小学校長会研究部長)で説明した。

 市は行財政改革プラン(12~16年度)の一環で、今後の市立幼稚園の在り方を検討。13年度には「存廃や民営化も含めて検討する」と方向性を示していた。

 市立幼稚園は現在、はこだてと戸井(小安町523)の2園。はこだての本年度(5月1日現在)の園児数は定員100人に対して32人。市立2園体制になった09年度(同)の95人以降、毎年大幅な減少を続けている。本年度の市内幼稚園在園児3241人に対し、市立が占める割合は1・4%で、新年度のはこだての入園予定者も28人にとどまる。

 市立は新制度への移行が義務付けられ、保育料を園ごとに定める形から保護者の所得に応じて決定することになった。私立も任意であるが移行でき、保護者が市立を選ぶ上で重要な判断基準の一つであった保育料の優位性を損失した。今後も移行する私立は増える見通しだ。

 会合では「私立は子育て支援の考え方から預かり保育などを推進してきた」「財政難の中で、私立と同じ土俵に立つため体制を作り直すのはかなり厳しいのでは」といった意見が上がり、次回の会合で方向性をまとめることにした。(蝦名達也)