2016年3月13日 (日) 掲載

◎新函館北斗駅・北斗市観光交流センター プレオープン

 【北斗】北海道新幹線の26日開業に先駆け、新函館北斗駅併設の「北斗市観光交流センター」が12日、プレオープンした。アンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」(渡辺正憲店長)など新施設をひと目見ようと、多くの地元客が訪れ、にぎわいを見せた。プレオープンは13日まで。

 市観光協会(佐々木博史会長)が、指定管理を行う同センター。1階には、北斗を中心に南北海道の特産品を販売するおがーるがあり、食品や菓子、地酒など約450品目を扱う。プレオープン記念としてスタッフが選んだ10品を通常より2割程度安く販売。「ずーしーdeこんぶ」(460円)と「市観光クリアフォルダー」(648円)は店限定商品だ。

 また、イベントスペース「ほっとギャラリー」もあり、特大パネルでトラピスト修道院と童謡「赤とんぼ」など、市にまつわる7つの〝輝き〟を紹介している。

 2階は、青森県八戸市の吉田屋(吉田広城社長)が弁当カフェ「41ガーデン」(金澤亮輔店長)を出店。ショーケースから、客が好みのおかずを選んで弁当に詰める形だが、プレオープン時はドリンクメニューと「新函館北斗バターミルクサブレ」のみ提供。店舗前は飲食・休憩スペースにもなっている。日本政府観光局(JNTO)の外国人観光案内所カテゴリー2認定予定の市観光案内所も設けた。

 おがーるを利用した市内市渡の主婦澤村敦子さん(64)は「品物が豊富でうれしい。市渡周辺は店も少ないので、気軽に利用できる。パンも販売しており、すごくいい」と声を弾ませた。函館中部小学校2年の松田有人君(8)は「新幹線の商品がたくさんあって楽しかった」と話していた。

 13日は午前10時~午後3時で、市営立体駐車場(午前9時~午後4時)を無料開放。本格オープンは19日午前11時。(山崎大和)



◎開業日の合図 青森側から福島ののろし確認

 【福島】北海道新幹線開業の26日に、町と津軽海峡を挟んだ青森県外ケ浜町で、新幹線の発着を知らせ合う「のろし」上げを行うに当たり、福島漁港内ののろし台で12日、事前練習が行われた。白煙は推定で150メートルほど上がり、外ケ浜町からも確認できた。集まった関係者は安堵(あんど)の表情を見せるとともに、両地域の親交発展に向け、開業日当日への準備に弾みを付けた。

 町などによると、のろしは松前藩政時代の参勤交代の際、藩主の津軽海峡の渡航成功を知らせる合図として使われたとされる。1998年には同区間のフェリー運航再開に合わせ、古文書などを基にのろし台を復元。同様の記念イベントが開かれている。

 開業日ののろし上げは、町の実行委とあおもり松前街道推進協議会が実施。事前練習には実行委メンバーや町民ら約20人が参加し、青森側でも県庁職員が白煙の上がりを見守った。

 高さ3・5メートルののろし台内には木材がくみ上げられ、コンプレッサーで空気を送り込みながらスギの葉やマツを燃やして、煙を発生させた。風で煙が流されることもあったが、町内の丸山(標高308メートル)の半分ほどまで上がっているのを確認。約30キロ離れた外ケ浜町から煙を確認したとの連絡が入ると歓声が上がった。

 のろしは上り新幹線の発着に合わせ、町は26日午後0時57分、青森側が同1時35分にそれぞれ上げる。実行委員長の渋谷悟史さん(33)は「とりあえず一安心。本番もきれいな煙を上げたい」と意気込みを語った。(蝦名達也)



◎赤松街道でこも外し体験会

 【七飯】赤松街道として親しまれている町鳴川地区の国道5号沿いで12日、春の訪れを告げる風物詩「こも外し体験会」が開かれた。近年では最高となる約110人の町民らが参加し、冬装束を解く作業に精を出した。

 ボランティア団体「赤松街道を愛する会」(寺沢久光会長)の主催。最も古いもので樹齢150年を超えるアカマツの保護活動の一環で、薬剤を使用せずに害虫駆除をしようと毎年参加者を募り、行っている。

 体験会に先立ち、寺沢会長が「今回は若い世代の方々にも多く参加してもらい、アカマツも大変喜んでいるでしょう」とあいさつ。続けて、同会のメンバーで樹木医の斎藤晶さんが、害虫の見分け方などを説明した。

 参加者は10のグループに分かれ、昨年10月にこもを巻きつけたアカマツのうち、約80本をはさみを使いながら丁寧に外した。中からは害虫のマツケムシのほか、クモやムカデなどが見つかり、こもが取り除かれた幹を観察しながら、虫の種類や数などを記録した。

 初めて参加した町内の主婦山内京子さん(67)は「予想以上に虫がいて驚いた。こもの効果を実感しました」と話していた。(山田大輔)


◎いるか文庫営業再開 20日からオリジナル商品販売

 JR函館駅改装工事のため、昨年11月から休業していた2階の「船と鉄道の図書館 いるか文庫」が12日に営業を再開した。

 同図書館は、同駅が5代目駅舎としてリニューアルした2003年6月の翌7月から、NPO法人語りつぐ青函連絡船の会(木村一郎理事長)が運営。

 蔵書は、主に旧国鉄時代に発行されたものなど専門書が約3000冊のほか、絵本は約100冊。「事前予約なしで専門書を見ることができる数は、東京以北で最大」と同館。このほか常時開架する本もある。椅子やテーブルも置かれ、乗車前のひと時を過ごすことができる。

 グッズ販売では鉄道の玩具のほか、青函連絡船のクリアファイル、付せん、絵はがきなど、オリジナル品を用意している。青函連絡船の歴史を展示するパネルもある。20日からは「青函連絡船から北海道新幹線へ」のタイトルを付けたオリジナルTシャツを販売する。

 営業時間は午前10時~午後3時45分。水・木曜日休み。問い合わせは同文庫(☎0138・22・6801)へ。(山崎純一)