2016年3月14日 (月) 掲載

◎函館駅商業ゾーン 15日リニューアル

 JR函館駅の商業ゾーンが15日、リニューアルオープンする。1階には地元を代表する菓子店などが出店、土産品として自慢の商品を売り込むほか、2階では飲食店が函館ならではのグルメを提供し、北海道新幹線で多数訪れる観光客の需要取り込みを狙う。

 1階の「専門店エリア」には7店が出店。洋菓子店「ペイストリースナッフルス」は、同駅限定商品としてゴーフレットを実演販売する。同店初の試みで、1個200円(税込み)でできたてが味わえる。渡辺宗起取締役は「恵山産のイチゴを使った新商品のオムレットなど20種類を並べる。土産品として売り込みたい」と意気込む。

 「キングスイーツ」は、老舗パン店「キングベーク」が手掛けるチョコレート専門店。「ショコラソフト」やホワイト、ミルク、ビターの各チョコレートに、ナッツやドライフルーツなどをトッピングした商品などを並べる予定だという。

 食品添加物販売の中山薬品商会が運営する「医食同源」は、ガゴメコンブを使用した調味料をはじめ、砂糖の代わりに果実酢などを加えたソフトクリーム「酢フト」などを販売。このほか、ケーキ店「ジョリクレール」や駅弁販売の「函館みかど」、ロールケーキ専門店「ガトー・ルーレ」、和食店「四季海鮮旬花」が軒を並べる。

 2階では、書店とカフェ「タリーズコーヒー」など飲食店3店が出店。ラーメン店「函館麺厨房あじさい」は約20席を用意し、限定メニューの「あんかけ焼きそば」など10種類のグルメを提供する。東秀一社長は「メニュー表記に英語や中国語を取り入れ、増加する外国人客にも対応する。商品は徐々に増やしたい」と意欲をみせる。地産地消レストラン「食の宝庫北海道」は旬の素材を使った地元の料理を紹介する予定だ。

 商業ゾーンにはほかにも総合土産エリアがあり、道南の特産品などを販売する。(山田大輔)



◎新幹線開業を書道パフォーマンスでお祝い/市内3高校

 北海道新幹線開業日の26日に、JR函館駅前特設会場で市立函館、函館中部、函館西の各高校書道部員が書道パフォーマンスを披露する。3校の合同練習が13日、市函高で行われ、約4分半の演奏曲に合わせて揮毫(●きごう)する文字の大きさや配置、ペース配分を確認。歴史に残る記念日にふさわしい最高のステージとなるよう、部員たちは気持ちを高めている。

 パフォーマンスは函館市内での開業記念イベントとなる「つながるニッポン祭り」で行われる。26日正午から開始を予定し、東京発の新幹線を利用した観光客も多く会場を訪れることができる時間帯となる。

 本番は縦約2・8メートル、横約7メートルの特大の紙を使用。新幹線開業を市民、観光客と一体となって盛り上げることができる言葉を揮毫する予定。合同練習はこの日が2回目で、3校の部員約20人が参加。本番同様にあいさつから始まり、パフォーマンス、観客に向けて作品を披露する際の動きなど、演奏曲に合わせながら練習を繰り返した。

 市立函館(部員9人)の佐々木あいり部長(17)は「本番は楽しんでもらえる躍動感のあるパフォーマンスにしたい。緊張してしまうと思うけれど、自分たちも楽しみたい」と話す。函館中部(8人)の奈良岡蓮美部長(17)は「だんだんと気持ちも入って、いい作品に近づいている。函館のいいところもたくさん見てもらいたい」と話した。

 函館西(8人)の平川瑠響(●るきな)部長(17)は「めったにない大きなイベント。明るく動きを見せながら全力でパフォーマンスを披露したい」と笑顔を見せていた。(今井正一)



◎野外劇出演へアピール

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は13日、7月9日から始まる第29回公演のメーンキャストオーディションを、五稜郭櫻交流ハウスで開いた。17~72歳の男女15人が土方歳三やペリー提督など全13役の審査に挑んだ。

 野外劇は、国の特別史跡・五稜郭跡を舞台に繰り広げられる函館の歴史ドラマ。今年は土曜が夜、日曜が昼の公演で、8月7日まで全10公演を行う。

 オーディションの参加者は、中村理事長や松本啓演出部長ら5人の審査員の前で、感情を込めてせりふを読み上げたり、野外劇への熱い思いを語ったりして出演をアピールした。

 審査結果は18日までに通知し、20日から稽古を開始する。同法人では引き続き、殺陣やダンスの出演者を募集している。問い合わせは同法人(☎0138・56・8601)へ。(金子真人)


◎大川中 68年の歴史に幕

 3月末で68年の歴史に幕を閉じる函館大川中学校(工藤勉校長、生徒181人)で13日、閉校式が行われた。在校生や歴代職員、同窓生ら約500人が出席し、慣れ親しんだ母校との別れを惜しんだ。同校は4月から桐花、五稜の両中学校と統合し、五稜郭中学校として新たなスタートを切る。

 工藤校長は式辞で「地域に根差した学校として、多くの方々の支援で素晴らしい教育活動を推進することができた。生徒を温かく見守り、育んでくださった皆さまにお礼を申し上げます」と述べた。山本真也教育長は「たとえ校舎が無くなろうとも、一人一人の心の母校として、大川中学校が存在していくことを期待する」と生徒たちに呼び掛けた。

 生徒を代表して前生徒会長の井原隼希君(3年)が「この大川中学校で学んだことを誇りに思う。3年間で身に付けたさまざまなことを社会にお返ししていくことが私たちの歩む道と心に刻み、この学びやをあとにします」と決意を語った。

 開校からの歩みを振り返る映像を放映。出席者全員で校歌を斉唱した後、工藤校長から山本教育長に校旗が返還された。

 同校は1947年、万年橋小学校の校舎内に万年橋中学校として開校。翌年4月、現在の場所に校舎を移転し、大川中学校と改称した。これまでに1万3800人の卒業生を送り出した。(金子真人)