2016年3月18日 (金) 掲載

◎「H5系」出発! こどものくに19日オープン

 函館市青柳町の函館公園内にある遊園地「こどものくに」が19日午前10時、今季のオープンを迎える。園内を走る新幹線遊具はH5系カラーの「はやぶさ号」に生まれ変わり、早速人気を集めそうだ。  これまでの車両は200系新幹線を模した「やまびこ号」。両端の車両の先頭部分や古い部品を一新し、塗装を施した。

 17日、報道関係者向けにお披露目され、招待された谷地頭保育園の園児42人が一足早く乗車。「出発進行!」と元気よく声を上げ、1周約100メートルの旅を楽しんだ。

 先頭車両に乗った熊谷悠聖ちゃん(6)は「かっこいい。本物の新幹線にも早く乗ってみたい」とにっこり。運営する北海興業の加藤健一社長(47)は「遊具を機に、北海道新幹線に興味を持つ子どもたちが増えてくれれば」と話す。

 営業時間は平日午前11時~午後4時、土・日・祝日は午前10時~午後5時。問い合わせはこどものくに(☎0138・22・5039)へ。(稲船優香)



◎新幹線客を道北、道東へ FDA、今夏にチャーター便

 航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)は7、8月に函館と稚内、中標津を結ぶチャーター便を運航する。北海道新幹線で来函後、道北、道東へ足を伸ばす観光客の需要を見込み、旅行商品の貸し切り便として活用する計画だ。今夏に函館を発着するチャーター便の運航計画が明らかになったのは、北海道エアシステム(HAC)に続いて2社目で、全道への開業効果の波及を目指した空路の取り組みが本格化している。

 FDAのチャーター便は、76人乗りと84人乗りの機材を使用。函館―稚内間を11往復、同―中標津間を5往復する。

 同社によると、ツアー商品発売に向けて現在旅行会社と商談を進めており、4月上旬にも売り出す計画だという。担当者は「広い道内を短い時間で移動できるのが魅力。新幹線効果を広げる一助になれば」としている。

 一方、HACは7月23~25日の3日間、函館―旭川間で1日1往復運航。FDA同様、陸路と空路を組み合わせた旅行商品の貸し切り機として需要の取り込みを狙う。

 道北、道東方面のチャーター便の運航をめぐって、道は昨年9、10月に旅行関係者を招き、FDAの機材を使って函館から稚内、中標津へ移動するモニターツアーを実施。FDAによると、ツアー商品造成の可能性を探った参加者から好評を得ていたという。

 市港湾空港部は「各社のチャーター便の運航を契機とし、函館空港を玄関口とした道内の航空ネットワークの充実が図られることを期待したい」としている。(山田大輔)



◎6月のフルマラソン、わずか3日で定員に

 6月26日に北海道新幹線開業イベントとして開かれる「2016函館マラソン」(実行委など主催)のフルマラソンの部が17日、申し込み開始3日と11時間で定員の4000人に達した。新幹線で移動時間が短縮される首都圏を中心に、全47都道府県在住のランナーから応募が寄せられた。

 同委事務局によると、申し込み状況は初日の14日で定員の84%が埋まり、15日で94%、16日で98%と推移。当初事務局は国内新設マラソンの事例などから、定員に達するまで1週間ほど要すると見込んでいたが、想定以上のペースで参加枠が埋まっていった。

 道外ランナーの比率は43%ほどで、昨年大会の25%から大幅に伸びた。中でも東京、神奈川など首都圏を中心としながら、東北地方、大阪や兵庫など近畿地方からの申し込みが目立った。また、女性ランナーの参加も昨年より増加傾向にあるという。

 同時開催のハーフ(定員4000人)も17日現在で約2500人が埋まるなど、順調に応募が寄せられている。申し込みは4月15日まで(先着順)。

 フル開催発案時から尽力してきた同実行委員で、函館商工会議所青年部の齋藤利仁会長は「フルと合わせハーフも順調のようで、間違いなく8000人は集まる。うれしさもあるが、ランナーの受け入れに向けたこれからが重要だ」と力を込める。(蝦名達也)


◎森の魅力体感 nittan地域戦略会議 森蘭航路試験運行

 【森】北海道新幹線開業効果を胆振・日高エリアへ波及させようと取り組む「北海道新幹線×nittan地域戦略会議」(事務局・苫小牧市)は17日、噴火湾を横断する森―室蘭間の「森蘭(しんらん)航路」で2度目の試験運行を実施した。国内外の旅行企画会社や報道機関ら約80人が参加し、新たな観光ルートを活用した森町の魅力を体験した。

 道南と日高・胆振管内をクルーザーでつなぐことで、広域的な観光ルートの可能性を模索しようと、昨年7月29日に1回目となる実証実験を行っている。今回はインバウンド観光を見据え、中国やシンガポール、台湾、韓国などアジア圏の観光エージェントをはじめ、国内外の観光関係者に参加してもらい、森蘭ルートや森町の魅力をPRした。

 羽幌沿海フェリー(留萌管内)の高速船「さんらいなぁ2」(130人乗り、122トン)を利用。到着後は森港埋立地にこのほど完成した「地域水産物普及拠点施設」で、森漁業協同組合女性部らによる「イカめしづくり体験」を行った。参加者は自分たちで調理したイカめしや、ホタテのバター焼きなどを味わったほか、ニチレイフーズ森工場を見学し、町内の観光資源に理解を深めた。海外からの参加者らはイカめしについて「北海道の魅力が詰まった、ここでしか食べられない味。とてもおいしい」などと話し、観光商品を企画する際の参考にしていた。

 同事務局は「この実験を通じて、ツアーなどの商品プランに組み込んでもらいたい」とし、町商工労働観光課は「森蘭航路には大いに期待している。ぜひ観光商品に採用、たくさんの人に森を訪れてもらいたい」としている。(野口賢清)