2016年3月19日 (土) 掲載

◎鹿部に道の駅誕生

 【鹿部】道の駅「しかべ間歇泉(かんけつせん)公園」(鹿部18)が18日、オープンした。北海道新幹線開業を目前に盛り上がる道南に、新たな観光スポットが仲間入りした。

 渡島、桧山管内で14カ所目となる同駅は『鹿部の食文化を学び、味わえる「体験型施設」』として、これまでの間歇泉公園に加え、特産品を集めた物産館棟や、50人対応の体験・研修棟を設置。また温泉を利用した「蒸し釜&ゆで釜」を活用し、客が自分たちで蒸し料理を楽しめる体験要素を取り入れた。

 開業に先立ち行われたオープン式典で、川村茂町長は「この道の駅が、今後ますます南北海道の魅力充実につながることを期待する」とあいさつ。川村町長と野田重毅町議会議長、冨原亮道議ら9人でテープカットし、オープンを祝った。

 物産館棟はすぐに人でいっぱいになり、町漁協女性部による「浜のかあさん食堂」には、おいしい定食を求めて長蛇の列ができた。函館市の介護職員、石川明弘さん(39)は「ご飯の上に載った大きなタラコがとてもおいしい。道の駅ができたことで、鹿部町に遊びに来る目的ができた」と満足の表情。食堂隣の小板商店による総菜や鮮魚販売も大人気で、町内の三浦一雄さん(80)は「道の駅におかず屋さんがあるのはとても便利」と喜んでいた。

 開館時間は4~9月が午前8時半~午後6時。10~3月が午前9時~午後5時。公園入園料は大人300円、小中学生200円、未就学児は無料。(野口賢清)



◎嘉兵衛の追悼式復活へ 6年ぶり

 函館市は18日、2010年の開催を最後に休止していた「高田屋嘉兵衛まつり」で、8月1日に同まつりで行われていた顕彰・追悼式を6年ぶりに実施する考えを示した。4月にも市と函館商工会議所を中心とする「顕彰会」を設立し、具体的な行事内容などを決定する。

 18日の市議会第1回定例会個人質問で、藤井辰吉氏(市政クラブ)が質問した。

 高田屋嘉兵衛(1769―1827年)は函館の開祖といわれる江戸時代の豪商。同祭りは協同組合十字街商盛会を中心に、嘉兵衛の没後150年に当たる1976年、嘉兵衛の功績をたたえ、北方領土返還の機運を高めようと始まった。

 毎年、市内宝来町の嘉兵衛像の前で顕彰・追悼式のほか「高田屋嘉兵衛まつり音頭」の舞踊奉納、歌謡ショーなどを実施。しかし実行委の担い手不足や協賛金の減少などから10年に中止し、実行委も解散した。

 長い沈黙が続いた中、昨年商工会から市へ、嘉兵衛の偉業を市民へ広く発信し末長く伝えてもらおうと、顕彰行事再開の打診があり、賛同した。開催時期や場所は従前と変わらないが、歌謡ショーなどのイベント開催は行わなれない見通し。

 顕彰・追悼式をメーンとするもので、嘉兵衛の古里・兵庫県洲本市の関係者らを招き、献花を行う予定だ。小山内千晴観光部長は「来年以降も継続実施したい」と述べ、官民一体となって嘉兵衛への市民意識を高める意思を見せた。(蝦名達也)



◎思い出胸に小学校を卒業

 道南の多くの小学校で18日、卒業式が行われた。卒業生は6年間の思い出と希望を胸に、通い慣れた学びやから巣立った。

 函館駒場小学校(児童298人)では、卒業生54人がステージ上で「中学では部活と勉強を両立します」「新生児科医になってたくさんの新しい命を救いたいです」などと目標を宣言。一人一人証書を受け取った。

 三上清和校長は「何事も諦めず、その一方で結論を急いではいけない」とした上で、AKB48の「365日の紙飛行機」の一節を紹介。「『その距離を競うより、どう飛んだかどこを飛んだのか。それが一番大切なんだ』とある。自分の頑張ってきた足跡を見詰め直すことが重要」とエールを送った。卒業生は4、5年生と言葉を掛け合いながら、「未来に向かって羽ばたきます」と門出の言葉に力を込めた。

 この日は道南の109校で式があり、函館市内は小中併置校の亀尾と鱒川を除く44校で実施。約1900人が卒業した。(稲船優香)


◎新駅前のレンタカー2社が営業開始

 【北斗】26日の北海道新幹線開業を前に、新函館北斗駅前のレンタカー会社2社が18日、営業を開始した。同駅前に店舗を構える他の5社も開業日までに順次開店する予定で、観光客を迎える準備が本格化してきた。

 営業を始めたのは「駅レンタカー新函館北斗営業所」と「日産レンタカー新函館北斗駅前店」。両店は一つの建物に同居し、共同で店舗を運営する。この日は店内で開所式が行われ、関係者がテープカットなどをしてオープンを祝った。

 駅レンタカーを運営するジェイアール北海道レンタリース(札幌市)の佐藤克彦社長は「開業日の26日は35件の予約が入っており、出だしは好調。運賃が割引となる、新幹線とレンタカーのセット商品の売り込みを強化したい」と意欲を見せる。

 日産レンタカーを手掛ける日産カーレンタルソリューション(横浜市)は新幹線開業記念として、4月下旬まで全車種の料金を1000円割り引く。中川一夫社長は「函館市内の営業所2店と合わせ、常時約150台を用意。夏場の需要に期待したい」とする。

 この日は開業記念として無料で新幹線カラーのラッピング車を利用できるとあって、早速旅行客らが営業所を訪れた。札幌市の会社員、滝本莉加さん(30)と中野真樹さん(36)は「五稜郭までドライブを楽しみたい。新幹線開業はとても楽しみです」と口をそろえていた。(山田大輔)