2016年3月20日 (日) 掲載

◎観光交流センター開業 新時代実感

 【北斗】26日の北海道新幹線開業を前に、新函館北斗駅に併設された「北斗市観光交流センター」が19日、開業した。約40人が出席し、市と市観光協会(佐々木博史会長)主催のセレモニーが現地で開かれ、本道の新たな玄関口となる駅の目玉施設オープンを祝った。初日から多くの人が足を運び、新幹線時代の幕開けを実感した。

 セレモニーで、高谷寿峰市長は「駅の顔となる施設で、いろいろな情報の発信基地となり、おもてなしの最前線であると考えて運営にあたってほしい」と期待を込めた。高橋はるみ知事が「センターが中心となって道南の観光資源、物産のPR拠点となることを期待する」と来賓あいさつ、JR北海道の島田修社長もお祝いの言葉を述べた。

 高谷市長や高橋知事、島田社長ら7人がテープカットし、駅のランドマークの開業を祝った。

 同センターは、2階建て延べ約1000平方メートル。営業は午前9時~午後7時。無休。市観光協会が指定管理を行い、1階にアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」、イベントスペース「ほっとギャラリー」、2階に市観光案内所、飲食・休憩スペースを備えた弁当カフェ「41ガーデン」がある。

 セレモニー終了後、2階自由通路に設置された手吹きガラスによる大型パブリックアート「ムクムク水と光と大地に捧(ささ)げる詩(うた)」の点灯式に移行。滝川市出身で日本を代表する彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢(たけのぶ)さん(多摩美術大名誉教授)が、大沼国定公園を中心に広がる道南の豊かな自然をテーマに原画制作と監修を手掛け、大沼・小沼や駒ケ岳、市の花・マリーゴールドなどを表現した5作品。端から端まで16メートルあり、計420枚のガラスと4322個のLEDを使っている。

 五十嵐さんや高谷市長、高橋知事、島田社長ら13人が点灯スイッチを押すと、見る者を圧倒する安定した輝きを放った。高谷市長は「自由通路が、ゆとりと潤いのある文化的な公共空間に生まれ変わった。市民も素晴らしい芸術を目にし、地域の文化度も向上する」とあいさつした。(山崎大和)



◎トロッコで疾走「楽しい!」

 【木古内】JR津軽海峡線・江差線の運行終了と北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業を記念し、道内各地でトロッコを運行する鉄道愛好家が19日、町内の旧渡島鶴岡駅周辺で、2014年5月に廃止されたJR江差線木古内―江差間の一部の線路を使ってトロッコを走らせる「木古内鶴岡せんろフェスタ」(同実行委主催)を開催した。地元住民や全国各地の鉄道ファンらがトロッコに乗り、久しぶりの線路から眺める景色や爽快な空気を感じて楽しんだ。27日まで。

 同フェスでは、トロッコを2人で足こぎするコースと、エンジン搭載のトロッコを運行させるコースの2種類を用意した。境内に線路がある禅燈寺を通過する「足こぎトロッコ」(片道約500メートル)か、廃止された踏切を仮設線路でつなぎ、新幹線の高架付近までを目指す「エンジントロッコ」(同約1・1キロ)。

 この日は、雨が上がった昼ごろから運行を始め、子どもも大人も楽しめる速度での走行に、乗車客は「早い!楽しい!」と大喜び。神奈川県川崎市の会社員、永瀬武さん(38)は「廃線になった線路の上をまた走行できるなんて夢のよう」と声を弾ませ、北斗市の岩谷花さん(8)と永田愛莉さん(7)は「気持ち良かった」とにっこりだった。

 営業は午前10時~午後4時(受付終了は同3時半まで)。乗車券が500円(小学生以下は半額)、エンジントロッコに乗車する場合の急行券が200円(同150円)。27日以降はコースを変えてイベントを続ける。

 また、会場隣りの町郷土資料館「いかりん館」では、青函連絡船や道南の鉄道など記念切符やスタンプといった貴重な展示品1500点以上を無料で鑑賞できる。(斎藤彩伽)



◎いさりび鉄道、定期券の発売開始

 北海道新幹線開業に伴い、JR江差線五稜郭―木古内間37・8キロの経営を引き継ぐ第三セクター「道南いさりび鉄道」(函館、小上一郎社長)は19日、通勤・通学定期券の発売を、本社(若松町12)や五稜郭駅などで始めた。事前発売は25日まで。いさりび鉄道も開業機運が盛り上がってきた。

 本社と五稜郭駅で扱うのは、いさりび鉄道区間のみと、いさりび鉄道とJR北海道をまたがる区間。定期券は利用開始日の7日前から購入できるため、この日の販売開始となった。

 通学定期券の新規購入または通学乗車区間を変更して購入する場合は、学校が発行する通学証明書が必要となる。通勤は証明書は不要。

 いさりび鉄道本社では早速、購入に訪れた人がおり、窓口で社員が発券対応した。勝又康郎営業課長は「平日の28日から利用する人が、21日に買いに来るケースが多いのでは」と話していた。午前9時~午後5時。

 このほか、JRの函館、桔梗、七飯、大沼、大沼公園、森の6駅でも、またがる区間の定期券を25日まで購入できる。(山崎大和)


◎スイーツいっぱい カフェでのんびり

 北海道新幹線開業を見据え、アネックス館の大規模改装を進めている棒二森屋(函館市若松町、丸山篤司店長)は19日、26日のリニューアルオープンに先駆け、同館1階の「はこだてスイーツ&Cafe」の営業を開始した。初日から大勢の市民や観光客が訪れ、モダンな雰囲気の店内で買い物を楽しんだ。

 同館1階は「函館の魅力あるスイーツがいつでも買える場所」をコンセプトに、道南の人気菓子店10社のケーキ、焼き菓子など約400点を取りそろえる。市内の老舗店「美鈴コーヒー」とアメリカンポップコーン専門店「トップスポップコーン」も入店。約50席のイートインスペースを設け、「待ち合わせや憩いの場として気軽に利用してもらいたい」(同店)としている。

 家族4人で訪れた市内美原の川村彩乃さん(26)は「いろいろなお店の商品が一度に見ることができるのでうれしい。店内の雰囲気もとても良い」と話していた。

 26日には地下1階もオープン。函館を中心とした道内の土産品コーナーを大幅に拡充するほか、和菓子とお茶が楽しめるイートインスペースや外国人観光客向けの免税カウンターを新設する。(金子真人)