2016年3月21日 (月) 掲載

◎つながるニッポン祭り概要固まる

 北海道新幹線開業日の函館市内で、メーンイベントとなる「つながるニッポン祭り」の実施概要が固まった。26、27の両日、JR函館駅前特設会場で開催。函館の名店が自慢の味を提供する「はこだて食堂」、東北から九州までのラーメン店を集めた「日本列島らーめん選手権」などのグルメ、各地の郷土芸能が集結する。函館・道南と九州・鹿児島までが新幹線のレールで結ばれる歴史的な記念日を市民と観光客がともにお祝いするイベントだ。

 市や函館商工会議所、函館国際観光コンベンション協会などでつくる実行委の主催。26日は午前9時40分に市消防音楽隊の演奏で開幕。関係者で鏡開きを行い、来場者に振る舞う。駅構内では函館巴太鼓が乗客を出迎える歓迎の演奏を実施。駅正面入り口付近では安浦駒踊りが歓迎の舞を披露する(26日は午後から2回、27日3回を予定)。

 飲食を提供する「はこだて食堂」は、地元の人気店など11団体が限定メニューを提供。美鈴コーヒー(午前10時~)や表千家同門会などによる呈茶(先着1000杯、午前10時~)かに汁(先着200杯、両日午前11時25分~)の振る舞いもある。新幹線で結ばれる全国からは、宮城、新潟、広島など10店のラーメン店、4都市から点心、スイーツ店などが参加する。

 26日のみのイベントでは、正午から市立函館、函館中部、函館西高校の書道部員が書道パフォーマンスを披露。午後2時からNHK函館放送局主催のステージとして、お笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雅さんがふんする人気キャラクター「イカ大王」が登場する。

 航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)所属のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」による祝賀飛行は午後3時を予定。ステージでは広報担当者による飛行解説が行われ、その様子はFMいるかで生中継される。市は「ラジオやスマートフォンのアプリなどで放送を聞きながら楽しんでほしい」と呼び掛ける。

 午後5時半からはナイトイベントとして、新幹線応援隊道南ドリームチームキャプテンの暁月めぐみさん、道南いさりび鉄道特別応援隊員徳永ゆうきさんらのステージ、午後7時50分ごろから記念の花火を約1000発打ち上げる。

 両日ともに弘前ねぷたまつりをはじめ、八戸市、栃木県宇都宮市、秋田県、鹿児島県、石川県などから、芸能披露や観光PRが随時行われる。27日も午前10時から午後5時までイベントを開催。実行委は「新幹線開業の記念すべき日を一緒に盛り上げてほしい」とし、会場周辺混雑緩和のために公共交通機関の利用を呼び掛けている。問い合わせは市企画部新幹線開業イベントプロジェクトチーム(☎0138・21・3628)へ。(今井正一)



◎カシオペア運行終了、鉄道ファン見送り

 北海道新幹線開業に伴い、運行を終える寝台特急「カシオペア」(上野―札幌)の上り最終列車が20日夜、JR函館駅に停車し、鉄道ファンら約150人がホームで見送った。

 下り列車が19日に上野を出発し、20日に札幌に到着。同日夕方に札幌を発ち、函館駅8番ホームには午後9時すぎに入線した。青森までけん引する機関車を連結し、定刻で出発する際には、乗客とホームのファンが手を振り合った。中には「また会おう」と車両に声を掛ける人の姿も。

 青森市の会社員鈴木奏さん(25)は「特急スーパー白鳥で函館に来た。カシオペアには結局乗ることができなかったが、どちらも今後見られなくなるので寂しい」と話していた。

 カシオペアは1999年7月に運行開始。豪華な車内設備が人気を集めた。北海道新幹線開業により、青函トンネルを含む区間が新幹線と在来線の共用走行区間となり、トンネル内の架線電圧を新幹線用に昇圧すると、従来の電気機関車が使用できないことから、運行の終了に至った。

 カシオペアは「北斗星」「トワイライトエクスプレス」の廃止後、機関車がけん引する最後の寝台特急となっていた。今後は団体列車として運行される見通し。(稲船優香)



◎藤巻さん管打楽器コンへ意欲

 函館戸倉中学校を卒業した藤巻花菜さん(14)は、22日から東京で開かれる「第18回日本ジュニア管打楽器コンクール」(日本音楽教育文化振興会主催)のソロ部門クラリネット・中学生の部に出場する。昨年に続き2度目の挑戦で本選の切符をつかんだ藤巻さんは「自分らしく、お客さんに感動を与えられる演奏をしたい」と意欲を高めている。

 コンクールは次代の音楽界を担う人材の育成を目的に、全国から小・中・高校生のトップクラスが集まる。

 クラリネットを始めたのは高丘小5年の時。中学2年からは吹奏楽部に所属しながら、函館のクラリネット奏者岩平尚子さんの下で表現に磨きをかけている。

 予選はCD審査で、3時間掛けて収録した音源を送った。結果はインターネットで知り、思わずうれし泣き。「悔しさをばねに1年間頑張ってきた。出場が決まって本当にうれしかった」と笑みを浮かべる。

 演奏するのは「ブコリック」(ボザ作曲)。指の回りが良いという藤巻さんの武器を生かす難曲だ。伴奏は函館のピアニスト高橋セリカさん。藤巻さんは「本番直前に舞台の袖で会話をして緊張をほぐしてくれる。安心して演奏できるし、心強い存在」と全幅の信頼を寄せる。

 「高い技術を持った同年代と同じ舞台に立つ数少ない機会なので楽しみ。友だちや家族、近所の人たちなど、応援してくれている人たちの期待に応えたい」と胸を躍らせる。

 4月からは函館白百合学園高校に進学。「吹奏楽団に入って技術を高め、将来は岩平先生のようなクラリネット奏者になりたい」と夢を語る。(稲船優香)


◎未来大の学生がアプリコンテストで入賞

 公立はこだて未来大学の学生5人が、オリジナルのアプリケーションを競う2つのコンテストで入賞や好成績を残した。

 2月26日に札幌で行われた「HOKKAIDO学生アプリコンテスト」(北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会主催)は、応募全作品の中で8作品が最終選考に残り、5つある賞のうち3賞で受賞。工藤卓也さん(修士1年)と齋藤創さん(同)が他大学の学生とチームを組んで北海道経済産業局長賞(最優秀賞)に輝き、葛西皓大さん(4年)、山口慧悟さん(同)もそれぞれ審査員特別賞を受賞した。

 また、同28日に芝浦工業大学で行われた日本デジタルゲーム学会の年次大会で、塚本裕樹さん(修士2年)の出品作が「学生奨励賞」に選ばれた。

 いずれも子どもたちの学習サポートや能力開発につながるアプリケーションで、工藤さん、齋藤さんのチーム作品は、勉強時間を記録・共有できるペンとアプリを考案し、加速度センサーを搭載したペンから近距離無線通信技術を用いて、スマートフォンに学習状況を伝えるシステム。

 葛西さんはソーシャル・ネットワーキング・サービスのマナーを体験で学ぶシリアスゲームを、山口さんはタブレット端末でタッチ操作をしながらプログラミングを学べるアプリを製作した。

 塚本さんは映像エフェクトを用いてトレーニング効果を高める投球トレーニングシステムを考えた。

 5人はそれぞれ受賞を喜び、工藤さん、齋藤さんは「メンバーがそれぞれ離れて暮らしているので意思統一が難しかった。成果を出すことができてうれしい」とし、葛西さんは「努力が報われた。さらにシステムを改良していきたい」、山口さんは「子どもたちにプログラミングの楽しさを伝えるコンセプトが評価されて良かった」、塚本さんは「3年間取り組んできたことが評価されて励みになります」と話した。(鈴木 潤)